« 2012年10月5日 一極集中、全体システム、または新工夫か(上) | メイン | 2012年11月20日 安定した日本が一番だ »

2012年11月12日

2012年11月5日 尖閣諸島問題

YAMAMOTO・レター
環境×文化×経済 山本紀久雄
2012年11月5日 尖閣諸島問題

富士山は日本人の心の象徴
家の建て替えのため高層マンションに仮住まいしていますが、このところ毎日ベランダ越しに富士山が見えます。
今日の富士山は雪化粧で、そろそろ冬が訪れたと感じます。

ところで、富士山といえば、世界各地で富士山に似た山が、その地に住む日本人や日系人から「●●富士」と呼ばれているところがあります。
 


 (シアトルのタコマ富士レーニア山)

 (チリの富士山オソルソ山)                
10月はアメリカ・シアトルに行きましたが、ここでは標高4392mの火山レーニア山が、日本人・日系人からは「タコマ富士」と呼ばれていました。
同様に富士山そっくりの山は、チリ・サンティアゴから約1000キロ南に下ったプエルト・モンでも見ました。オソルソ山2652mですが、地元の日本人・日系人から「フジ」と慕われています。富士山は日本に生まれ育った、日本人の心の象徴で誇りです。

ジャイアンツが優勝

プロ野球の日本シリーズは、読売巨人軍ジャイアンツが優勝しました。3年ぶりの22度目の日本一になったこと、原監督におめでとうと述べたいと思います。

ところで、アメリカ大リーグのワールドシリーズでも、タイガースに4連勝し、2年ぶり7度目の優勝を果たしたのはサンフランシスコSF・ジャイアンツです。

その優勝パレードが10月31日、SF市内で行われ、この日はハロウィーンとパレードが重なり、街はどこへ行ってもオレンジと黒でしたが、雨だったのでキャンディをもらいに来た子供達にはあいにくでした、とSFの友人から連絡がありました。

このSF、アメリカ大統領選挙では街中オバマという感じです。元々民主党の地盤ですから、誰に聞いてもオバマに投票するという声ばかりです。アメリカの大統領選挙では、共和党が強い州は「赤」、民主党が強い州は「青」で表すと、フリージャーナリストの牛田誠氏が述べ、それを州別に表したのが下図です。

 これを見るとよくわかるように、西海岸は青の民主党、大陸の真ん中あたりは赤の共和党となっています。ですから、SF市内で大統領選の話をすると、圧倒的に民主党であるばかりでなく、中西部の人々を「あの人達は田舎者だ」という発言を聞きます。

なお、大統領選挙を行う投票所、日本では小中学校等の校舎が多いのですが、4年前の大統領選で見たSFの投票所、これは民間の普通の家の物置とかガレージで行われていまして、日本とは違う身近な感じをした体験がありますが、ここで注目したいのは投票所POLLING PLACEに、漢字で「在此投票」と書かれていることです。
      
漢字で書かれている背景を理解する、つまり、SFのベイエリアでは、アメリカ合衆国のどこよりも広東語を話す中国人が集中していることを示しています。また、その事実を証明するものとして、公立の高等学校、それも成績が良い生徒が集まる学校では、圧倒的に中国人が多く、知人の長男が通っている高校では70%が中国系になっているというのが実態です。実は、中国の怖さはここにあります。いつの間にか人の数で圧倒していくという戦略を採ってきます。

尖閣問題

 尖閣問題、中国の報道を見ていると、中国国内向けの成果アピールに躍起ということがわかります。

 中国の国家海洋局は10月30日、海洋監視船4隻を尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入させた後、ウェブサイトで 「中国領海で不法な活動をしていた日本の船を領海から駆逐させた」と強調する報道がなされています。(日経新聞2012年11月3日)

勿論、日本の海上保安庁は「駆逐された事実はない」と否定しますが、中国は「日本に尖閣諸島の国有化を撤回するよう求めて」一方的で勝手な広報PR工作を行っているわけです。

 しかし、上の報道のように「海洋監視船員応募者ゼロ」ということを考えますと、中国人の本質はそれなりだと思わざるを得ません。

 この件に関して、共産党機関紙の人民日報は2日、紙面の半ページ分のスペースを使い、「該当ポストは採用条件のハードルが高かったので志望者がいなかっただけだ」などの苦しい言いわけをしていますが、中国人の実際の気持ちを正直に顕していると推察する方が妥当ではないでしょうか。 

一方、日本では海上保安庁に目指す若者が急増していることを考えますと、ここに日中両国民性が顕れていると考えられます。

だが、我々が最も注意し警戒しなければならないのは、SFの高校が中国人に占拠されたように、中国の最大の武器である国民の数を使った尖閣対処法で来た場合です。

それは、中国が明確な武力攻撃でなく、尖閣諸島を占拠しようと画策する「飽和攻撃」を採った場合のことです。中国の国家海洋局をはじめとする様々な機関が保有する船舶、その数は1470隻とみられ、それに地方政府の船舶を加えて、尖閣諸島に上陸を図るというケースが採られた場合、日本の海上保安庁船舶数は450隻ですから、完全阻難しいかも知れない可能性があります。

日本の誇りである美しい富士山を見つつも、我々は対中国対策を考えなければならない事態になっています。以上。

投稿者 Master : 2012年11月12日 17:31

コメント