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2010年09月25日

山本紀久雄代表が出版

この度、経営ゼミナールの山本紀久雄代表が「世界の牡蠣事情」を出版いたしました。
2005年から2010年までの6年間に、世界14カ国・16海域の海を訪問し、牡蠣養殖場の実態、研究機関、市場、オイスターバー、レストランなどを文化的に書き述べたものです。
2003年に出版した「フランスを救った日本の牡蠣」に続く、世界の牡蠣についての著書です。

発行 株式会社マルト水産
発売 小学館スクウェア
定価 1800円+税


世界の牡蠣事情.JPG

投稿者 Master : 09:08 | コメント (0)

2010年09月24日

2010年10月例会ご案内

10月は18日(月)に、元日航の「グレートキャプテン」小林宏之氏をお迎えし、銀行会館で開催いたします。

小林宏之氏は日航パイロット就任後42年間、一度も欠勤せずに世界中を飛び回り、日航最長の飛行時間1万8530時間(地球800周)を記録して勇退されました。

テーマは「JAL機で42年間一度も欠航せず飛び続けた人生」です。

日本航空にあって、人命を預かることは当たり前の安全と安心、そのプロの心構えと、実践から体験した「集中力の差が仕事の成果を決める」というセオリーポイントのノウハウ公開と、コックピットから撮った美しい地球の姿を紹介していただき、この地球の撮影によって「今の異常気象」に対する小林氏ならではの推測も披瀝していただきます。

開催日時  2010年10月18日(月)18:00~20:30
      18:00 集合(食事を用意しています)
      18:15 山本から時流解説
      18:30 小林宏之氏の発表と質疑応答
      20:30 終了

テーマ   「JAL機で42年間一度も欠航せず飛び続けた人生」

発表者   小林宏之氏

元・日本航空パイロット。現・日本航空機操縦士協会副会長

場所    東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
      千代田区丸の内1‐3‐1 Tel:03‐5252‐3791
      東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)

アクセス:http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm

会費 オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意ください。

お問い合わせ 
 出欠ご連絡先:経営ゼミナール・山本紀久雄 
 メール:info@keiei-semi.jp
電 話:048‐824‐4859
  FAX:048‐824-4833

2010年11月開催のご案内

11月は15日(月)に、嘉悦大学教授 高橋 洋一 氏をお迎えし、銀行会館で開催いたします。
 テーマは「 日本は財政危機ではない 」― この金融政策が日本経済を救う ―であります。

 現状の赤字国債の大量発行が問題視されていますが、財務省が主張するほど日本は財政危機ではないと高橋氏は語ります。「小泉・竹中改革」の司令塔として、様々な改革を実現し、2007年には国民の富「霞が関の埋蔵金」の存在を暴露し、一躍脚光を浴びた論客が、変動相場制のもとでは、公共投資や減税などの財政政策は効果が無く、金融政策こそが重要であると日本復活への道筋を主張いたします。

開催日時  2010年11月15日(月)18:00~20:30
      18:00 集合(食事を用意しています)
      18:15 山本から時流解説
      18:30 高橋洋一氏の発表と質疑応答
      20:30 終了

テーマ 「 日本は財政危機ではない 」― この金融政策が日本経済を救う ―

発表者   高橋洋一氏

高橋 洋一氏略歴
1955年生まれ。元財務官僚・経済学者で嘉悦大学教授。
小泉政権下(2001年-)では、経済財政担当大臣などを務めた竹中平蔵氏に仕え手腕を発揮した。経済学者としての専門分野は財政学であり、財政、マクロ経済、年金数理、金融工学などを研究テーマとする。
研究者としてプリンストン大学に出向中には、当時同大学経済学部長で、現連邦準備制度理事会(FRB)議長であるベン・バーナンキの薫陶を受ける。大蔵省にあって数学科出身という異色の経歴を持ち、2008年『さらば財務省! 』で第17回 『山本七平賞』を受賞。

場所    東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
      千代田区丸の内1‐3‐1 Tel:03‐5252‐3791
      東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)

アクセス:http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm

投稿者 Master : 14:44 | コメント (0)

2010年9月例会の実施結果

9月の例会は4月の伊豆湯ヶ島温泉白壁荘例会時に、アイスランド火山噴火の影響で来日できなかったフランスのジャーナリスト「リオネル・クローゾン」氏を迎え、

①9月13日(月)に「懇親食事会」、
②14日(火)はクローゾン氏の「基調講演」と、佐々木 隆JTB代表取締役会長、中澤敬草津町前町長、司会を山本が担当しパネルディスカッション、
③16日(木)は鹿児島・指宿温泉白水館主催で講演会、

を開催、盛況で活発な討論が展開されました。

今回の基調講演における、クローゾン氏の主張をまとめますと以下の二点になります。

①温泉地個々が英文化などを行って欧米人対応の対策をとるべき

②日本の温泉は欧米人が知らない「異文化」なので「温泉紹介ブック」を欧米書店に並ぶよう出版を行うべき

この主張はもっともなことですので、英文化は各温泉地の改善努力に期待し、「温泉紹介ブック」につきましては観光庁の協力が必要ですので、近く観光庁に提案すべく進めてまいります。

投稿者 Master : 14:41 | コメント (0)

2010年09月22日

日本のONSENを世界ブランドへ・・・その二

環境×文化×経済 山本紀久雄
2010年9月20日 日本のONSENを世界ブランドへ・・・その二

クローゾン氏の講演内容

9月13日・14日・16日と東京・鹿児島県指宿で開催された「日本のONSENを世界のブランドへ」シンポジウムでの、クローゾン氏発言概要をお伝えします。

40℃前後のお湯に浸かる習慣は欧米にない

クローゾン氏の温泉との出会いは1982年。仕事を終え大分県・湯布院を訪れた彼は、すぐに温泉の持つ魅力に惹かれました。それは、温泉地の風景、日本の美しい風景と日本旅館の調和、周辺の情緒ある田舎道の心地よさなどでした。
さらに彼に強烈な印象を与えたのは、温泉に入るということ、そのものでした。40℃前後のお湯に浸かるというのは、欧米の習慣には全くないわけです。だが、入浴してみると、初めてでありながらとても心地よく、この素晴らしい体験に魅せられ、以来、彼は来日のたびに各地の温泉を巡り歩いています。
 
温泉は異文化の塊だ

日本は全国どこに行っても温泉がある。これは素晴らしいことだ。と彼は強調しました。また、その温泉が源泉を中心に旅館・ホテルが多く立ち並び、一つの温泉街として成り立っている姿、これは欧米の街づくりとは異なった特殊な形態なので、その中を散策しているとさらに興味が深まってくるというのです。
これをひと言で表現すると、温泉街には欧米にない「異文化」があるということになります。日本の温泉地には、欧米にない温泉文化があり、温泉が人間社会に溶け込み、日本人の生活習慣となっていること、それが日本を訪れる外国人にとっては「異文化」として映るのです。
加えて、その異文化の温泉街の中は「日本の魅力をいくつも同時に体験できる場」であるとも強調しました。例えば、自然に溶け込んだ宿の佇まいの美しさ、きめ細やかな接客と共に提供される美味しい日本食、そして、人の素晴らしさ。これは女将のおもてなしのことですが、その女将が着物姿であること。これらが相まって、これほどの日本の伝統美をいくつも重なって感じられるところは温泉しかないというのです。
 しかも、このような魅力に溢れた温泉が、日本全国いたるところに存在していることが、これまた素晴らしいと、彼は絶賛します。
ところが、一般の欧米人はこのような「異文化魅力」が集約された温泉を、全然知らないというのです。日本に行き、温泉を訪問すれば、日本文化が重なり合って感じられるのだから、その事実をもっともっと欧米人に知らせてほしい、と彼は何度も強調しました。

フランスは日本ブーム

さらに現在、フランスは日本ブームです。パリ在住の彼はこれを肌で感じています。特に、その火付け役となっているのは日本のアニメーションであり、それを受け入れブームを牽引しているのは10〜20代の若者ですから、彼ら熱狂的な日本ファンの若者が成人し社会人となったら、きっとバカンスで日本を訪れるようになるといい、彼らは将来の貴重な来日予定者であり、将来の温泉ファン候補でもあるともいうのです。
また、若者だけに限らず、日本に関する文化が各場面で活用されている事例を映像でいくつも紹介しました。

日本側が準備すべき事

最後に大事なポイントを語りました。欧米人が日本を訪れるために、日本側が準備すべきことです。
 それは、欧米人に合わせて設備を整えることではありません。そのことはむしろ温泉の価値と文化を自らの手で壊すことを意味します。そのままでいいのです。そのままの姿が「異文化」であるから、欧米人はそこに大いなる魅力を見出すのです。
 では、現在、何がなく、これから必要なものは何かです。
 それは、温泉の魅力を知らせるもの、すなわち、温泉ガイドブックを作ることだと主張しました。温泉とは何か、温泉の入り方、温泉の楽しみ方、温泉旅館の特徴、予算に応じて楽しめる温泉地あれこれなど、それらをまとめて書かれたガイドブックが欲しい。
これは各地の温泉旅館・ホテルの紹介ガイドではなく、日本の温泉という世界の特殊性である存在物を、全く知らない欧米人に伝えるガイドブックです。
このようなガイドブックが、温泉を世界ブランドにするためには、まず、最初として、基本的に用意されるべきものであるというのが、クローゾン氏のまとめでした。

現在の観光業界PR活動 

 ここで改めて、観光業界と温泉業界の取り組みを振り返ってみます。
親しい温泉地の女将さん、時折、香港とかパリにPRに出かけ、観光業界の集まりとか、旅行業者への訪問し、着物姿でイベントとしてお茶のお手前を披露しながら、温泉の紹介をしているようです。
 このご努力は認めつつも、訪れた世界各地の観光・旅行業界人は、日本の温泉についてある程度知っているでしょうが、クローゾン氏のような日本について事前知識を持って、日本に関する専門家になろうとしていたタイミングの時でさえも、湯布院で初めて熱い湯を体験するまで知らなかったというのですから、一般の欧米人は温泉を見たことも、触ったことも、聞いたこともないというのが事実実態なのです。
 この事実実態に立って、日本の温泉関係者は「日本のONSENを世界ブランドへ」と行動してきたのでしょうか。どうも違うように感じます。
 日本ではテレビで毎日のように有名人を使った温泉入浴場面が放映され、旅行するということは温泉に泊まるということと同意味みたいになって、日本人の生活に根ざしていますが、欧米人はこの反対の極にいるのです。
 ですから、この温泉を知らない人達に日本の温泉に来てもらうためには何が必要か、それをクローゾン氏からまずはガイドブックから始めることだと提案受けたのです。
 考えてみれば全く知らない人達に温泉を説明して、魅力を分かって貰うのですから、その理解のためには基礎的資料が必要です。
 ところが、欧米の書店には観光ガイドブックは並んでいても、温泉のガイドブックはありません。ガイドブックの中に各地有名な温泉の紹介はあっても、温泉そのものの基礎的理解を与えるガイドブックはありません。
 
欧米人の旅行スタイル

欧米人の旅行スタイルを見ていると、必ず片手にガイドブックを持って歩いています。欧米人はガイドブックと現場を確認して行くのが観光であるという習慣を持っています。ということは温泉ガイドブックがあれば、それを片手に温泉に入り、その結果を国に戻ってからクローゾン氏が率直に感じたような、温泉魅力を友人等に伝えてくれます。また、その際に温泉ガイドブックを指し示すことでしょう。
だが今まで、このような基本的ツールとなるべきガイドブックなきままに「ONSENを世界へ」と行動していたのではないでしょうか。
 クローゾン氏のような記者によって、世界から見た日本温泉を説明するガイドブックを書いてもらい、それを欧米の出版社で発行し各国主要都市の書店に並べることが必要です。日本の出版社では世界的書店ルートがないので無理なのです。
また、この実現は多分、観光業界や温泉業界に任せておいては実現が遠い先でしょう。観光庁が音頭をとって進めることが日本のONSENを世界のブランドにするために必要なことだと思います。
世界から日本を見れば、日本は魅力たっぷりな財産がたくさんある国ですから、それを情報化することが喫緊の課題です。

観光庁に提案する

 クローゾン氏の見解と提案について、今回のセミナーでご参加された多くの方も同意見ですので、世界の書店に配本ルートを持っている欧米の出版社から「日本の温泉ガイドブック」を刊行するための企画書をもって、近く観光庁に提案に行く予定です。以上

投稿者 Master : 08:53 | コメント (0)

2010年09月08日

日本のONSENを世界のブランドへ・・・その一

環境×文化×経済 山本紀久雄
2010年9月5日 日本のONSENを世界のブランドへ・・・その一

シンポジウムの開催

9月の日本は猛暑続きで秋はまだまだ遠い先ですが、パリはもう10月以降の寒い気候になっています。その寒いパリからフランス人ジャーナリストのリオネル・クローゾン氏を迎え、東京で13日と14日の二日間、鹿児島県指宿温泉の白水館で16日「日本のONSENを世界ブランドへ」というテーマでシンポジウムを開催します。
今回の開催は私が代表を務める「経営ゼミナール」と、経営者へ情報提供業務を行っている「清話会」、それと指宿温泉の「白水館」との共催で進めていまして、開催のご案内を各地にいたしましたところ、お陰さまで高い関心を呼んでいます。

クローゾン氏招聘の背景

クローゾン氏を招聘しようと考えたきっかけは、昨年三月ミシュラン観光ガイドブックのグリーンガイド日本版の発売でした。それをパリの書店で求め、三ツ星となっている日本の温泉はどこかと探しビックリ仰天しました。日本では無名に近い別府の「ひょうたん温泉」が三ツ星になっているのです。一方、日本で成功して最も元気だといわれている、あの有名な群馬県草津温泉は無印です。
これは、どういう評価で星付けをしたのだろうかと疑問をもち、早速にひょうたん温泉に行き、温泉に入ってすぐに選定理由が推測できました。それは「欧米の温泉地はすべて共同浴場なので、ミシュランの星付け担当者も自らが持つ温泉常識感覚で、共同風呂のひょうたん温泉に三ツ星を付けた」と推定したわけです。
しかし、これはあくまで推定ですので、実際に観光ガイドブックの編集に携わる人物に直接会って、星付けの判断根拠を確認しようとパリで伝手を求めて探しているうちに、ブルーガイド(仏アシェット社発行旅行ガイドブック)の記者であるクローゾン氏と出会ったのです。

伊豆湯ヶ島温泉・白壁荘のシンポジウム

その後何回かパリに行くたびにクローゾン氏と会い、話し合っているうちに、彼の見解を日本で発表してもらうことが、日本の観光業にも、温泉業界にも役立つだろうと企画したのが今年の4月、伊豆湯ヶ島温泉・白壁荘のシンポジウムでした。
ところが、この時大事件が発生しました。それはアイスランドの大噴火です。この影響でヨーロッパのエアーは全便運航不能となり、クローゾン氏は来日できなくなり、白壁荘のシンポジウムを取りやめようかと思いました。
しかし、時代は変化しています。インターネットの素晴らしさで危機は克服できました。クローゾン氏から発表する資料を急遽送ってもらい、それをパリ在住の柳樂桜子さんがちょうど日本に滞留、彼女は逆にパリに帰れないということで、彼女にクローゾン氏の代講をお願いしたところ、分かりやすく、具体性ある内容での発表が行われ、参加者から大変高い評価をいただき、危機をチャンスに切り替えることができました。

関係者と接して感じたこと

 今回、再びクローゾン氏のシンポジウムを開催するにあたって、その準備も兼ねて日本の観光業界や温泉業界の方々に多くお会いしました。
中には世界各地に出かけ、日本の温泉について講演をされている著名な温泉人もおられましたが、これらの人たちとお話をしていて、何か共通するものがあるなぁと感じました。
勿論、日本の温泉についてとても詳しい。また、欧米の温泉地についても結構詳しい。団体で研修目的の視察を主要温泉地に行かれているからです。
しかし、何か引っかかるものがあります。それは何だろうかと考えているうちにようやく分かったことがあります。
加えて、直接には接してはいませんが、新聞や雑誌に掲載されている日本の観光大国化への提言を書いている人たちの内容を読みましても、今回お会いした人たちと共通する感じを受けます。それは何か。
それは「欧米人も温泉についてある程度知っている」という前提で発言しているのではないかと気づき、ここに引っかかったのです。
欧米人は40℃前後のお湯に浸かるという習慣が全くないわけで、日本の温泉に来て初めて知る「未体験」の存在物なのですが、その事実を余り強く認識していなく、漠然とした感覚で受けとめているのです。

ヨーロッパの温泉利用者は人口の1%足らず

その実態を「笑う温泉・泣く温泉」(山本紀久雄著)から紹介します。
「ヨ-ロッパ(ロシアを除く)には1,500か所の温泉がある。ドイツに320か所、イタリアに300か所、スペインに128か所、フランスには104か所、この四か国合計で852か所となり、全体の57%を占めている。
ヨ-ロッパ全体で年間約1350万人がこの1500か所の温泉を訪れる。このうちドイツには1000万人訪問しているので、ドイツは全体の74%を占めている。イタリアには100万人で全体の7.4%であり、35万人から61万人がフランス・スイス・フィンランド・スペインに行っている。
 ドイツの人口は8233万人であるから、人口の12%の人が温泉を利用していることになるが、他のヨ-ロッパ16か国の温泉を利用した人は350万人であるので、該当国の人口3億5000万人に対しては1%に過ぎない」
 このようにヨーロッパではドイツだけが傑出した温泉利用国であり、その他の国の人々はヨ-ロッパの広い地域に、1500か所しかないのですから、温泉に行くということは一般的には遠距離の旅になり、温泉地は空気が清浄で緑多き山地や高地・丘陵地に立地していることが多いので、温泉へ行くには大変な費用と時間がかかります。
その上、ヨ-ロッパの温泉で入浴する目的は病気療養と保養の場ですから、「つかる」ばかりでなく「飲む」「吸入」「運動浴」「蒸気浴」「泥浴」などバラエティに富んだ場として確立しています。
 また、温泉療養を受けるということは、健康保険制度の適用を受けることにつながっていて、近年、各国とも政府財政の苦境から、健康保険適用の範囲が制限されるようになってきましたが、基本的には温泉医の指導に基づいて、健康保険適用によって温泉療養をする場が温泉ですから、ドイツ人を除けば国民の1%程度しか温泉を利用する人がいなく、限られた人のものとなっているのです。
つまり、99%の人々は温泉を利用していないというのが実態なのです。

ある高名な政治家の質問

かつて南ドイツのフライブルグにある温泉で、日本の代議士数人を含めた団体が視察に来ているのと一緒になり、折角の機会ですから団長に申し入れし、視察に同行した経験があります。
このフライブルグの温泉はリューマチの治療専門です。代議士の中に現在自民党参議員会長の要職にある人物が、視察後のディスカッションで次の発言をしました。
「入浴施設を拝見したが、バリヤフリーになっていない、お年寄りが多いのでバリヤフリーにすべきでないか」と。
日本の有名な代議士発言ですから、ドイツ側は必死に考え、通訳を通じ質問の言葉は理解したが、全くその発言意図が分からず、20分程度会議は中断し、ドイツ側は通訳と立ったまま協議し続け、次のように解答しました。
「当温泉施設はリューマチの治療リハビリ・トレーニングの場なので、当然に段差がないといけないのです」と。
日本の政治家は日本の常識でドイツの温泉場を見て発言し、ドイツ側はドイツの常識で回答したのです。第三者的に見ている私は大変勉強になった事件でした。

世界から日本を見る

日本の観光業界と温泉業界人からも同様な感じを受けます。40℃前後のお湯に浸かるという特殊条件の温泉経験が全くない世界の人々に、日本に多く来てもらうよう対応策をつくるなら「世界から日本を見て」具体的に構築しないといけません。その事の研究が9月のクローゾン氏を迎えてのシンポジウムで、結果は次号でお伝えします。以上。

投稿者 Master : 07:52 | コメント (0)

2010年09月01日

観光経済新聞に掲載されました。

9月14日の経営ゼミナール例会が、観光経済新聞(8月26日発行の8月28日付け週間新聞)に掲載されました。

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投稿者 Master : 05:39 | コメント (0)