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2005年02月22日
来るべきコミュニケ−ションビジネスの展望・AI技術の再出発
2005年2月21日、304回経営ゼミナ−ルが開催されました。
発表者は株式会社ピ−トゥピ−エ−代表取締役 黄 声揚氏でした。
テ−マは「来るべきコミュニケ−ションビジネスの展望とそれを支える技術について−AI技術の再出発」です。大変エキサイティングな内容で、先端技術の開発と創造の素晴らしい時間を過ごすことができました。その黄社長の発表内容をどのように受け止めるか、それを「ワンポインレッスン」としてご報告いたします。
経営ゼミナ−ル ワンポイントレッスン 2005年2月21日
「来るべきコミュニケ−ションビジネスの展望・AI技術の再出発」 黄 声揚社長
(今月のテ−マは開発と創造)
人工知能AIは、80年代に大きなブ−ムとなったが失速した経緯がある。それについて黄社長は多くの要因があったが、最後の決め手としての失敗要因は「ビジネスモデルが構築できなかった」と整理しました。
大きな期待に対して、狭い範囲のAI技術であったことが最大要因であり、その失敗要因を分析することから黄社長の再出発と未来への研究が始まったのです。
脳力開発では「開発と創造」のステップを次のようにしております。
1.希望・目標の提起 2.調査研究 3.戦略の確認・確定
4.戦術の研究・選択実行、 5.点検、修正
(黄社長が行っている段階)
現在、黄社長が立っているステップは、上のどの段階なのか。80年代の失敗事実から1の希望・目標の提起は十分に行い、2の調査研究もすでに終了し、3の戦略の確認・確定を決定し、今は4の戦術の研究・選択ステップ段階に来ていると思います。
それが「会話ビジネス」です。具体的には「VoiceCaiwaフラットフォ−ムの提供」から「ナビパッケ−ジ」と「会議録支援システム」まで進んで、その構想について説明を受けました。黄社長の説明をお聞きしていると、すでに4の戦術の研究・選択ステップから進んで、実際は5の実行、点検、修正ステップ段階に来ているのではないかとの、印象を持ちました。もう一歩のところに来て、実務段階としてのゴ−ルは目前にあるという感触を得ました。
(医療分野では実用化されている)
今年の2月5日日経新聞に「がん発見に人工知能」というタイトルで、冨士写真フイルムとがん専門病院の静岡県立静岡がんセンタ−との共同開発状況が掲載されました。がんの早期発見システムにAI技術の導入展開が2010年を目処に実用化するとの目標です。
(未来技術に関心を持つ)
今回のゼミナ−ルは黄社長という稀にみる優秀なリ−ダ−によって「開発と創造」が行われている実際の姿、それを実際に担当している人物から、分かりやすく説明を受けることができました。
世の中でどのような先端技術が開発され創造されているのか。それらを経営情報として取り入れていくことも、企業経営にとって大事で有意義であると思います。以上。
2005年02月21日
好感度第一位国家ビジョンに参加する
YAMAMOTO・レタ-
環境×文化×経済 山本紀久雄
2005年2月20日 好感度第一位国家ビジョンに参加する
財政健全化へイタリアとカナダが採った方法
さいたま新都心の関東財務局ビルには立派な講堂があって、そこの活用を図るため「さいたま新都心大学」という企画が昨年から行われています。授業料を支払って出席するのは地元の人達です。2月9日は財務省主計局課長からの「日本の財政状況」の実態説明でした。霞ヶ関で政策立案に直接携わっている担当課長からの説明ですので、分かりやすく出席者から好評です。説明が終わり質問時間となり、質問のトップバッタ-は主婦でした。
「1991年の時に財政収支が最悪だったイタリア・カナダが、2005年時点で先進国の上位という立派な改善を示しているが、そのためにどのような政策を採ったのか」
この質問の裏には、日本が1991年時点で先進国トップの健全財政であったが、現在では最も悪化しているという実態からの質問であり、「日本を改善したい」という気持からの発言です。
回答は「イタリアは年金給付の削減、公共事業の抑制、増税と財務警察による厳しい脱税摘発実行であり、カナダは国から各州に対する独立採算財政の徹底化、つまり、補助金政策の見直しを行って、各州に自己責任で州財政の責任をもたせたことだ」というものでした。説明を聞いてみれば最もなことばかりの健全財政化への方法です。
日刊ゲンダイ特集記事
日刊ゲンダイというタブロイド版新聞が、1月17日から五回にわたって「大増税の時代が襲い来る」という記事を連載しました。その内容が参考になりますのでご紹介します。
第一回 2004年は配偶者控除の一部廃止、消費税免税点の1000万への引き下げ、酒・タバコ増税、2005年は年金課税の強化、低所得者層への人頭税としての住民税均等割増税、定率減税の縮小・見直し、所得控除の縮小・見直し、法人への外形標準課税(法人への人頭税)の検討、2007年には消費税の二桁化実施(財界案では15%前後、財政制度審議会試算では21%)
第二回 老年者控除の廃止(年間所得1000万円以下の高齢者の50万円控除の廃止)、公的年金控除の縮小(年金夫婦生活の課税最低限が285万円から205万円に引き下げ)、介護保険利用者の自己負担部分の拡大、在職老齢年金制度の年金カット(65歳以上の厚生年金需給者の年金カット)
第三回 欧州並みの高い消費税率となり、欧州で実施されている食料品などの日用品「軽減税率」は当面導入しない方針(所得の低い人ほど税負担が重くなる逆進性が強まる)、消費税率が21%になると、10年後の潜在的国民負担率(国民所得に占める税、社会保険料、財政赤字の割合)は50.6%に上昇(今年度は45.1%)
第4回・五回は省略しますが、最後に次のように結論化しています。
「国家公務員96万人、地方公務員350万人、準公務員も500万人いる。合計1000万人、家族を合わせると3000万人、実に国民の4分の1が公務員で食べているのだ。だから公務員を半分にし、福祉も半分にし、税金も半分にすべきだ」と。
日刊ゲンダイの特集、読んでみれば増税路線に向かっていくことがよく分かりますが、どうしてこのような増税路線を採らねばならないのか、それは国家の財政赤字が膨大であるからです。では、その赤字はどうして発生したのか。それは1991年以降のマクロ政策の失敗にあったといわざるを得ません。政治家の採った政策の失敗と、それを許してきた国民のつけが廻ってきたのです。
かってイタリアは世界最大の財政赤字国でした。そのときのイタリアに対する外国からの評価はどうだったのでしょう。その時のイタリアの評判は最低でした。イタリア人はだらしないから国家財政もダメなのだ。という評価だったのです。
今のイタリアは改善しましたが、イタリアに変わって先進国第一の財政悪化国はどこなのか。日本です。ということは外国人からみた日本の評価は、かってのイタリアと同じようにみられ、考えられているとしたら、日本は「好感度が高い国」とはいえないのです。
自殺者とその要因
警察庁が発表した自殺者数は2003年度34,427人、前年対比107%です。この数字は主要国と比較して、異常に高いことはすでにご承知と思います。アメリカが
31,655人(2002年)で、人口が2倍以上ですから、自殺死亡率は日本がアメリカの倍以上であり、イギリス・イタリアの3倍前後、ドイツの1.5倍以上、フランスの1.3倍程度に相当します。また、2004年以降は集団自殺が頻発しています。
動機別で最も自殺者が多いのは「健康問題」で15,416人、次に「経済問題」で
8,897人となっていますが、この「経済問題」が最も高い増加率12%となっています。しかし、ここでよく考えてみれば、日本は世界の中で豊かな国として認識されているのに、その豊かな国でどうして経済問題という「生活苦」で死ななければならないのか、ということです。また、世界中には貧困から教育を受けられない多くの若者がいるが、日本はこの面でも恵まれた環境にあって何の不足もないのに、どうして人生に夢がないと訴え、ある者はキレて他者を傷つけ、ある者は閉じこもりとなり、ある者はリストカットをくりかえしているのか、ということです。
生きる意味
今年の1月20日に出版された「生きる意味」(東京工業大学院助教授 上田紀行著 岩波新書)は自殺の要因について鋭く分析し、参考になりますのでご紹介します。
「自殺の増加原因を単に不況のせいにする言動が目立つ。「経済力」の不振が全ての原因だというのだ。景気が悪いから、人々の生きる力が弱まっている。だからもっと『強い』日本にしなければならないという言動は一見魅力的だ。確かに不況の克服は重要かつ、危急の課題である。しかし、経済が好調なときは人々の元気がよくて、不況になると一気に顔色が悪くなるような社会を、真に『強い』社会と呼べるだろうか。不況でもしぶとく生きていく、そこにも生きる楽しみと人生の確かさを実感できるような人間こそが、今こそ求められているのではないだろうか。
現代の日本が直面している最大の問題は、経済不況ではなく『生きる意味の不況』だ。それがこの本の出発点である。どんな金持ちでも、いい家に住もうとも、生きる意味がないと感じ、生きる意欲が湧いてこなければ、人間は輝かない。この地球上で、不況とはいえ大変な豊かさを享受している私たちが直面しているのは、『生きる意味』が分からないという、意味の病なのである。
今求められているのは、私たちが自分自身のかけがえのなさを取り戻すこと、既製服のようなお仕着せの『生きる意味』ではなく、自分自身のオ-ダ-メイドの『生きる意味』を創り出すことである。一人ひとりの多様な『生きる意味』へ熱い思いを持つ時代、そこにこそ真に豊かな成熟した社会への道が開かれている」
成る程と思います。一人ひとりが「生きる意味」を持って「輝く自分人生」を創るところに、自殺者が少ない「好感度高い国家」が存在するのだと思います。
身の回りの環境整備
ヨ-ロッパの著名な地方都市、例えば環境都市として知られている南ドイツのフライブルグの街を歩き、あえて裏通りを歩いてみると分かります。どこにもゴミがありません。
温泉で有名なバ-デン・バ-デンのホテル、その裏口辺りをチェックしてみてもゴミは見かけません。ところが、日本の著名温泉地の調理場の出口辺り、そこには前夜お客に高額で提供したビ-ルやお酒の空き瓶が放置されている、それが一般的に多いのです。
フライブルグもバ-デン・バ-デンも、世界中から観光客を多く迎えている都市です。それらの都市の常識はゴミ処理の巧みさです。人には見せない場所で管理し整備し処理しているのです。これが世界から優良観光客を集めるための最低前提条件です。
国家ビジョンに一人ひとりが参加する
先進国一位の財政赤字の改善、主要国第一位の自殺率の改善、欧米一流基準から劣る都市美観感覚の改善、この三項目が「好感度第一位国家」ビジョン達成への最低必達条件であり、これが2030年に世界中から観光客を4000万人迎える前提要件と思います。
またこの最低必達条件をクリアするのは国民一人ひとりの意識改善が前提条件です。以上。
(次回3月5日は海外出張のため休刊となります)
2005年02月11日
脳を鍛えるセミナーに山本紀久雄氏が登場
現代の社会的重大問題として自殺がある。2003年度3万4427人。人口が二倍の米国人自殺は3万1655人。自殺死亡率にすると日本は米国の倍以上。イギリス、イタリアの3倍前後。ドイツの1.5倍。
フランスの1.3倍に相当する。
また、2004年以降、集団自殺が頻発している。
この状況要因を「脳の仕組を理解しないから」と説くのが、経営ゼミナール代表の山本紀久雄氏である。
「脳力開発」を首唱した城野宏の愛弟子である山本紀久雄氏、同氏が長らく研究し実践している「脳を鍛える方法」を全日本健康倶楽部セミナーで公開する予定。なお、山本氏は全日本健康倶楽部の理事長でもあります。セミナーの開催要領は以下のとおりです。ご関心ある方のご参加をお待ちしています。
第30回NPO東京健康倶楽部 記念例会
(心の健康)シンポジューム(免疫懇談会・田中栄養科学研究所 共催)
「現代のストレス社会をどう生きるか」
司会 冨澤 穣(東京健康倶楽部 理事長)
第Ⅰ部 基調講演 『メンタルヘルス(心の体操)の必要性』
久保田 浩也氏(メンタルヘルス総合研究所 代表)
第Ⅱ部シンポトーク ー悪いストレス良いストレスとはー
コーディネーター 蓮井 昌雄(東京健康倶楽部 会長)
パネラー
酒生 文弥氏(NPO 免疫療法懇談会 理事長、僧呂)
田中 聖英氏(田中栄養科学研究所 代表、医学博士)
山本紀久雄(NPO 全日本健康倶楽部 理事長、作家)
【期 日】2005年3月17日(木曜日)14時〜17時
【場 所】渋谷駅前 みずほ銀行会議室
【参加費】1,500円(一般 2,000円)
【定 員】60名(定員になり次第締め切ります)
健康で、明るく、楽しく、心豊かに 東京健康倶楽部
お申し込みはfamily-k@nona.dti.ne.jpFAX047-441-7784蓮井 DZJ03253@nifty.ne.jp FAX047-726-8372 冨澤迄
2005年02月10日
大人のぬりえブームを4人が斬る!日経トレンディー3月号
日経トレンディー3月号「不思議ヒットを斬る」「ぬりえ」に、経営ゼミナールの事務局をされているぬりえ美術館館長の金子マサ氏が登場しました。
「大人のぬりえ」の人気について、12月2日のNHK首都圏ネットワークのテレビにつづき、日経トレンディーが斬りました。
大人のぬりえブームを4人の識者が斬る!
杏林大学医学部精神神経科教授 古賀良彦氏
ぬりえは脳をバランスよく使う。ほどほどの創造力が、ストレス解消に効果的。
ワーカホリックス代表取締役 柏木 篤氏
気軽に有名アーティストとのコラボレーション気分を楽しめる。参加型アートのひとつ。
http://www.lammfromm.jp/
学研 幼児教育研究所主任研究員 加藤 信巳氏
絵に自信がなくても、作品ができる「達成感」が人気。手ごろな生涯教育ツール。
http://www.gakken.co.jp/
ぬりえ美術館館長 金子マサ
団塊世代には懐かしく、若者には新鮮な遊び。ぬりえの楽しみは世代を超える。
「たかがぬりえ、されどぬりえ」様々な効用があるのです。
団塊世代が定年にはいる2007年問題にも活用できるぬりえではないでしょうか?
2005年02月09日
アベンヌ温泉に期待する
3月22日の丸の内時流塾・温泉編に登場するアベンヌ温泉、フランスでも急成長していることで注目を浴びていますし、温泉水をおしゃれ感覚あふれるパッケ-ジで世界の化粧品市場に投入し、ここでも大成功しているその秘密は何か。それに大変多くの方の関心が寄せられています。鎖国状態の日本の温泉を変えたいという温泉旅館経営者の方も多数参加されます。多くの方のご参加をお待ちしています。
好感度第一位国家とは
YAMAMOTO・レタ-
環境×文化×経済 山本紀久雄
2005年2月5日 好感度第一位国家とは
2030年の国家ビジョン
政府の経済財政諮問会議が今春まとめる「日本21世紀ビジョン」の中間報告案が明らかになりました。25年後の2030年、日本が目指すべき三つの将来像です。
●「好感度第一位国家」=世界中の人々が「訪れたい、働きたい、住みたい」と思う国
●「健康寿命80歳社会」=高齢期も生涯現役で自立・充実した生活を過ごせる社会
●「等身大公共革命」=小さく効率的な政府を実現。民間が広範囲で公共サ-ビスを担う
この中で筆頭に上げられたのが「好感度第一位国家」で、内容は世界のアニメ産業の拠点や、製造業の各業種で最低一社が上位十社に入る、という目標を明示し、訪日外国人旅行者を4000万人に拡大するというものです。
国家ビジョン策定の裏背景
昨年10月に実施した内閣府による国民へのアンケ-トで、最も多かったのは「2030年の生活が悪くなる」という回答でした。その具体的イメ-ジは次の四つです。
● 人口減で経済が停滞し悪循環に陥る
● 財政再建が進まず、国債価格が急落し増税が民間の足かせとなる
● 東アジア経済統合が中国中心に進み、グロ-バル化に乗り遅れる
● 経済格差が拡大し、将来に希望を持てない層が滞留する希望格差社会が到来する
これらの暗く悪いイメ-ジを持っている人が63%もいる、それが今回の国家ビジョン策定の背景にあります。この表面に現れた悪いイメ-ジ、それを反対の姿に変化させるという基本戦略が「2030年国家三つのビジョン」であり、これら国家ビジョンの実現を通じ、生産性を大幅に引き上げ、人口減少下でも国力低下を回避させ、未来を明るい希望の持てる社会にしていこうとするものです。
好感度第一位国家とは
てはビジョンの中でトップに挙げられた「好感度第一位国家」とは、具体的にどのような姿を意味するのでしょうか。それは世界中の人が憧れる魅力ある国家になって、現在の訪日外国人600万人を、約七倍の4000万人にするということです。ですから、魅力は今の七倍になっていなければなりません。
政府の観光立国推進戦略会議(座長 ウシオ電機会長)が、先般55の具体的な提言を行いました。提言の一つひとつすべて重要なものであり、該当する観光関係者が率先して実行して貰いたいものばかりですが、我々一般住民としても参画すべきものがあります。
それは自分が住んでいる「地域」「場所」の魅力とは何かを考えることであり、その魅力を高め、もてなしの心を持って来訪者に接し、自分が観光する際には、休暇時期を分散させて、快適な旅を最大限楽しむなどの「観光するこころ」を育てることが必要、という提言に成る程と思います。まず、自分が住む「地域」「場所」が魅力的になること、その実現があって、はじめて他地域・世界の人々が訪れると言っているのです。
ダイエ-の基本戦略の選択
ダイエ-が産業再生機構に入り今後の再建方向性が検討されています。ダイエ-が現状の姿になったこと、それに対する見解が多く語られています。その一つひとつが参考になりますが、結局「消費者からの支持」が多く得られなくなって、消費者がダイエ-に買い物に行く回数が少なくなったこと、つまり、お客から「他社に比較して好感度が低い店舗場所」と評価されたことが不振の要因なのです。
この不振要因背景には、ダイエ-が採った基本戦略の誤りがあった、と指摘するのはダイエ-創業者中内功氏の弟による自伝、中内力著「選択」(神戸新聞社)です。
その指摘内容は「ダイエ-創業期において意見対立があった。その対立とは小売業に人材と資金を集中するか、それとも卸・メ-カ-を傘下に収め、さらに周辺事業も取り込むか。この基本戦略の違いだった」と振り返っています。前者が著者、後者が功氏だったのです。基本戦略の方向性が妥当で的確であると、未来は時間軸と共に明るい姿に変化していくが、反対の場合は暗く厳しい現実となっていく。これが戦略選択決定の怖さであり、反面、魅力なのです。表を採るか、裏を採るか。その意思決定が未来を決めるのです。
子どもへの思いを伝えているか
閉塞間が漂う育児環境、陰湿化するいじめ、引きこもり・・・。子育ての場で問題が山積しています。育児における父親の存在が問われている時代です。
すでに子育てを終えた環境下ではありますが、重要な社会問題ですから関心を持っています。先日、家族の「今」を見つめ続けている、作家の重松清さんからお伺い機会がありました。また、2月1日のNHKラジオで「ガンバレ!主夫」という長時間番組を聞きましたが、ここで家事・育児をしている父親の奮闘振りに驚きました。
この主夫という新しい言葉とその背景には、家族のあり方が変化する中で、父親はどんな役割を見出せばよいのか、というテ-マの追求があったのです。重松さんも、NHKで語った二人の主夫も同じことをいいました。「結局、問われているのは自分の人生観だ。俺はこういう父親なのだという存在を自分の主語で語ることだ」といいました。これには感動しました。家族崩壊とか、子育て環境が悪すぎるという一般的な意見が多い中で、そのような一般論では自らの家庭は何ら問題を解決できない。そんなことはどうでもよいのだ。自分の家族の問題なのだから、自分の流儀で進めていく。そのためには重要な判断基準がある。それは何か。その何かについて重松さんは「日本中のすべての家族に共通する幸せはもはやない。だが、わが家にとっての幸せを見出すことはできる。わが家にとっての輝きは何か。それを探し、子に伝えるのが父親の役目だ」と語り「皆はこうだ、社会はこうだ、マスコミはこうだというのはずるいし、怠けていると思う」とも加えたのです。
ヨ-ロッパ人の都市再生思想
都市再生としての開発が盛んです。六本木ヒルズや汐留・東京駅周辺、都心に超高層のハイテクビルが建設されています。
日本社会はこのところ階級差がついてきたという見解もありますが、世界中からみればまだまだ格差の少ない社会です。ところが、ビルの形態だけをみると、大金をかけた超高層ビルと、庶民の雑居とが混在している景観となっていて、その格差は都心で目立ち、老朽化した空きビルは見捨てられつつあるのが実態です。
ヨ-ロッパの優れた地域環境都市、例えば南ドイツのフライブルグが典型ですが、それらに行って感じるのは高層ビルが少ないことです。街並の上に飛び出しているのは、教会のド-ムであって、民間のオフィスやマンションビルではありません。特別な理由がない限り、新築は中心市街地では禁止されているところが多いのです。伝統的文化を壊したくないから、規制が非常に多いのです。個人的には迷惑すぎると思う規制でも、町全体が守れば街並としての全体統一感が保たれるのです。
経済と機能を追及したのが日本の街並で、個人主義のヨ-ロッパ人の方が、実は全体主義で自由を規制していることが建物から分かります。これらの背景に「中心市街地は昔のままにしたい」という思想があり、そのために厳しい規制と保護を設けています。つまり、地域の建物を残して、さほど巨大化せずに中身を変える工夫して、人が集まる建物をつくる。これを「本当の価値ある都市再生」と考えているのです。ですから当然この思想で、外国の都市を評価し判断していくことになります。
好感度を高めるのは自分
ヨ-ロッパに世界中から多くの人が訪れる最大の理由の一つは、市街地の見事な整備状況にあります。落ち着いた美しい街並が魅力となって、観光客の目を楽しませるのです。
この事例から考えれば、2030年に4000万人の訪日観光客を迎えるためには、自らが住む地域への基本的な戦略的思想の変換が必要です。
ダイエ-の失敗は、人の支持を得られる戦略から離脱したところにあったという見解、家庭内問題の主因は、父親の輝き不足にあるという重松氏の主張、同じことは地域の好感度を高める役割を担う我々にも当てはまります。自分が住む家の内外の整備なくして、地域の整備はありえないく、それを行うのは自分という一人、その一人がそれぞれ担うことなのです。「本当に価値ある都市再生」へ向かうためには、まず、自ら住む地域に自分が何をし、何ができるか、という思想への変換が最も必要です。このテ-マ次回続く。以上。
2005年02月06日
2月例会人工知能関連情報
日経の2月5日朝刊に、「がん発見に人工知能」の記事がに掲載されました。
富士写真フィルムと静岡がんセンターが2010年をめどに、専門医がいなくても最先端の医療サービスを実現する人工知能システムを開発・実用化するという内容です。
きょうのことば、として関連記事が3面にあります。簡単に紹介しますと、人工知能とは推論や連想、学習などの機能を持つコンピューター。人工知能は自分で判断し、実行するというのが特徴,で、例えば利用者が質問をすれば人工知能が的確な答えを出してくれる、ということで既に一部では実用化されている。記事では主な製品・サービスの活用例を紹介しています。
2月の講演をしていただく黄社長のピーツウピーエー社は受付業務の代行システムを既に実用化しています。関心のある方は一度同社のHPを開いて人工知能の受付嬢と話して見たらいかがでしょうか。