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2007年01月28日

2月の例会のご案内

2月の例会は、2月18日(日)~19日(月)の開催日で、南伊豆の温泉旅館
「伊古奈」様での現地開催でございます。

 「伊古奈」様は創業70周年の旅館ですが、昨年出版された「The World's Finest Spas 世界の素晴らしいスパ」、この本の中には、フランスでサミットが開催されたエビアンも掲載されているような世界の著名スパが56ヶ所掲載されておりますが、日本では唯一「伊古奈」様だけが選ばれたような、素晴らしい温泉旅館でございます。
 日本代表になったのは、環境・設備・温泉の素晴らしさは勿論のことですが、日頃から世界の優良顧客を獲得するために、世界に向って積極的なアプローチをされている活動の一貫が認められたものです。
伊古奈様は、これからの日本社会の少子高齢化社会の客減少対策として、日本企業が目指すべき方向を先取りしている温泉でございます。この伊古奈様にて、事例実態を、現場で学びたいと思います。
ゼミナールの前後には、南伊豆~下田の観光も予定しております。

講師略歴
昭和42年  明治大学院英文科卒
昭和46年  結婚 吉田農園入社
昭和53年  下賀茂温泉ホテル伊古奈入社
平成17年  国観連表彰
        現在 日本旅館国際女将会副会長

1.日時 平成19年2月18日(日)~19日(月)
16:00      現地集合 
17:00~17:10 山本さんの時流講話
17:10~18:10 経営ゼミナール 伊古奈様発表
18:10~18:25 質疑応答
18:25~18:30 まとめ

18:30~19:30 食事・懇親会
           食事後、夜桜見物
19:30~20:30 二次会(別途お部屋にて)
   
2.場所
  〒415-0303 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂422
   「伊古奈」
        電話:0558-62-0030(代)
        FAX: 0558-62-1007

3.テーマと講師
「伊古奈に見る少子高齢化社会の客減少対策の目指す方向性について」
      伊古奈 女将 吉田房子様 


*参加費につきましては、伊古奈様のご好意によりまして、
正会員の方は5000円、オブザーバーの方は、15000円の特別価格となります。
当日のご用意をお願いいたします。

*現地までの交通費、チケットに付きましては、各自のご負担で、準備くださいますようお願いいたします。

4.1 スケジュール(1)
 経営ゼミナール開催前後のスケジュールをご案内いたします。

12:00
伊豆急下田駅集合 観光を希望されます方は、12時集合願います。
12:00~13:30
下田駅~「伊古奈」様~昼食(下賀茂熱帯植物園)
昼食は、下賀茂熱帯植物園(ポリネシア料理)
伊勢えび味噌汁サービス 2月18日(日)桜の土手で開催中 13時頃の予定
13:30~14:30 
メロン栽培の温室、「温泉神社」の自噴湯の吹き上げている現場などを見学。
14:30~16:00 
花祭り会場めぐりや、近隣のお風呂めぐり(湯めぐりパスポート、3軒) など体験。但し風呂めぐりは、1,2軒が湯あたりしなくて、良いようです。
16:00       
伊古奈様に戻る。「伊古奈」様の温泉に入ったり、ゼミナール開催までお寛ぎください。
 

4.2スケジュール(2)
2月19日(月)観光について
翌日は、伊古奈様の送迎バスにて、下田駅に参ります。
下田のボランティアガイドさんの案内にて、下田観光を2時間程度いたします。
現在の予定では、下記のような場所を予定しておりますが、ガイドさんのご案内で、さらに楽しんでいただける場所を検討していただいております。
①下田開国博物館(入場料1000円)(40分)
②了仙寺宝物館(日本最大の黒船とペリーコレクション)(500円)(30分)
 ペリーロードと言われる古い町並みがあるそうです。
③宝福寺(唐人お吉菩提寺・お吉記念館)(20分)


④帰りの便について
12:00発 踊り子号106号 14:43東京駅着
13:00発 踊り子号184号 15:50東京駅着
観光の後、昼食(簡単にお蕎麦など)をいただいて、13:00の踊り子号で帰宅。
食事をなさらない方は、12:00の踊り子号で帰宅も可能です。


⑤朝出社をされる方の便について
月曜日に出社を希望されます方は、下記の便がございますので、こちらを利用されると便利です。

6:03 下田発 伊豆急行    7:39 熱海着
7:45 熱海発 こだま706号  8:36 東京着

6:45 下田発 伊豆急行    8:12 熱海着
8:17 熱海発 こだま608号  9:03 東京着

6:03 下田発 伊豆急行    7:39 熱海着
7:44 熱海発 JR東海道本線 9:36 東京着


5.参加のお申し込みについて
2月の例会につきましては、経営ゼミナール前後に観光を予定しておりますので、
参加のお申し込みの際に、参加予定の時間ならびに、19日の観光にも参加するか、または出社されるかの下記のご要望をお書きくださいますよう、お願いいたします。
 ① 2月18日12時集合 又は16時集合
 ② 2月19日(月)観光希望 又は出社予定 (伊古奈様出立予定時間) 


6.お願い
2月の例会には、経営ゼミナールの事務局長の金子が代表をしております山岡鉄舟研究会のメンバーにも、会場が下田ということで、鉄舟、幕末・維新に関係の深い場所でございますので、ご案内をしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。


2月18日(日)~19日(月)開催の例会に、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。

出欠:本サイトの参加申込フォームよりお申し込みください。
   http://www.keiei-semi.jp/zemi_reikai.htm

投稿者 Master : 18:32 | コメント (0)

3月の予告

3月の経営ゼミナールは、3月19日(月)に開催いたします。

今年の経営ゼミナールの方向性は、3つでした。
1.経営現場実態をつかむ
2.世界から日本を見る
3.時代の動向分析

2月の「伊古奈」様は、経営現場実態をつかむということですが、3月も引き続き、
日本の 社会が変化する方向性を現場でつかむということで、現場で実施いたします。
3月は裁判員制度について研究をいたします。
三年後の平成21年(2009)に、日本国民の義務としての司法参加がスタートします。この事にあまり関心を示さない傾向がありますが、すべての人が義務付けられ、裁判員に選任されますと、如何なる理由を述べても拒否は出来ず、経営者であっても社業を理由に拒否できず、裁判が終わるまで裁判所に通うことになります。
ということから事前に刑事裁判とはどのように行われているか、実際に東京地方裁判所で刑事裁判を視察し、その後に裁判員制度についてレクチャーを受ける予定でございます。

 ぜひ、3月19日(月)もご予定をいただきますようお願いいたします。

投稿者 Master : 18:30 | コメント (0)

2007年01月27日

2007年正会員募集のご案内

2007年正会員募集のご案内

謹啓
 今年も残すところわずかとなりましたが、皆様におかれましてはお変わりなくご活躍のことと存じます。
 当経営ゼミナールも12月で324回を迎えることができます。この長きに亘り経営ゼミナールを開催出来ましたのも、偏にご参加の皆様方のご支援、ご鞭撻によるものと、謹んで御礼申し上げます。
 つきましては、以下に2007年の経営ゼミナールの企画方向性をご案内申し上げますので、ご検討いだきまして、来年の正会員にお申し込み賜りたくご案内方々お願い申し上げます。

時代への考え方
 今の時代は「風景」が変わりつつあります。まず、五年間に亘った小泉政権によって、「政治の風景」が変わりました。派閥の力を消滅させ、族議員を凋落させ、公共事業を減らし、経済を正常化させる道筋をつくりました。
 それを受けた安倍政権は、しっかりした経済への復活正常化と、教育・年金問題など社会システムの諸問題解決を行うため、「経済の風景」「社会の風景」変化を起そうとし、そのために様々な改革を実行していくものと予測されます。それは確実に企業経営が質的変化を求められていくことになると思います。
それが今の時代であると思います。

ゼミナール展開三つの方向性
この風景変化の時代に対応すべく、経営ゼミナールは2007年度、以下の三つの方向性の視点を持って展開してまいります。

1.経営現場実態をつかむ
 自社の現場がどのような実態で動いているか、その把握のために有効なのは、他社の現場を視察し、その眼で改めて自社を見つめなおすことです。そのお役立てに07年も現場視察を展開してまいります。
 一つは静岡県南伊豆町下賀茂温泉「伊古奈」さんへの一泊訪問です。「伊古奈」さんは昨年出版された「The World's Finest Spas 世界の素晴らしいスパ」、この本は世界の著名56ヶ所、中にはフランスでサミットが開催されたエビアンも掲載されていますが、日本では唯一「伊古奈」さんだけが選ばれました。
 これは環境・設備の素晴らしさもありますが、日頃から世界の優良顧客を獲得するために、世界に向って積極的なアプローチをされている活動の一貫が認められたものです。少子高齢化社会の客減少対策として、日本企業が目指すべき方向を先取りしている事例実態を、現場で学びます。

 次は裁判員制度です。三年後の平成21年(2009)に、日本国民の義務としての司法参加がスタートします。この事にあまり関心を示さない傾向がありますが、すべての人が義務付けられ、裁判員に選任されますと、如何なる理由を述べても拒否は出来ず、経営者であっても社業を理由に拒否できず、裁判が終わるまで裁判所に通うことになります。ということから事前に刑事裁判とはどのように行われているか、実際に裁判所で刑事裁判を視察し、東京地裁から説明を受けることで、「社会の風景」が変化する方向を学びます。
 この他にも、時代の変化に対応し活躍されている企業を訪問視察いたします。

2.世界から日本を見る
 アメリカのブッシュ大統領によって始めた「テロとの戦い」は、アフガニスタン攻撃、イラク戦争へ展開し、その結果は両国とも治安は一向に安定せず、返ってテロ危険は世界各地に広がっています。出口の見えないアメリカの戦い方に、世界の人々の不安がつのっているのが現実の姿ですが、その背後にイスラエルの存在があるのは事実です。
 今まで二年続いてアラブ社会について重信メイ氏から解説受けましたが、来年はイスラエル人経営者「マイケル・オージック氏」お迎えし、イスラエルの立場からの解説を受け、多角度に世界を見つめたいと思います。

 経済面では、日本はいつの間にか「国民一人当たり総生産GDP」で中進国に成り下がりました。日本はルクセンブルグ、ノルウェー、アメリカ、アイルランド、デンマーク、カナダ、スイス、オーストリア、ベルギーなどの後塵を拝しています(2004年)。
 あの貧乏がトレードマークだった島国アイルランドが、欧州に面する地形を活かして成長したことを評価すると同時に、アジア大陸に面している日本も、アジア諸国との関係で成長因子をつかんでいく必要があります。
 そのためにアジア諸国で成功するためのノウハウを学ぶため、アジア実態に詳しい専門家をお迎えする予定です。

3.時代の動向分析
 時代の動向分析として、様々な分野の専門家や実務家、経営者の方に登場いただきます。また、代表の山本紀久雄が、来年は毎月世界各地に出張いたしますので、毎月の時流講話とYAMAMOTOレターで、世界の動向分析結果をご報告いたします。
 加えて、来年も3月3日より開催のパリ農業祭視察を行いますので、ご参加の方を募集いたします。食育にご関心ある方は必見の内容です。

 このように2007年度も経営ゼミナールは、皆様の経営の現場に役立つ場として活動してまいりますので、正会員へのお申し込みをよろしくお待ちしております。

                              謹白

正会員のお申し込みはこちらからお願いします。

投稿者 lefthand : 23:59 | コメント (0)

2006年活動記録


経営ゼミナール2006年度活動記録

2006年の活動記録を掲載いたします。
 
テーマ
講師
1月 時代とともに歩む経営ゼミナール 経営ゼミナール創始者
上田正臣氏
吉田経済ラボ代表取締役
吉田春樹氏
2月 小泉改革がめざした「この国のかたち」 (株)イムラ封筒監査役・経済アナリスト
北川宏廸氏
3月 今の時代を分析する
〜時代と触覚〜
(株)資生堂宣伝部常勤顧問
水野卓史氏
4月 曙ブレーキ工業(株)
会社見学
 
5月 時代の最先端の心を学ぶ
〜宮城県鳴子温泉一泊研修会
NPO法人家族のこころのケアを支援する会理事長
斎藤利郎氏
6月 日本の国際文化交流 独立行政法人国際交流基金文化事業部長
富岡順一氏
7月 見えない公害、電磁波はなぜ脅威なのか (株)テクノエーオーアジア代表取締役
増川いずみ氏
8月 お休み  
9月 2006年レバノン戦争 ジャーナリスト
重信メイ氏
10月 会社の整理と再生 村松喜平氏
11月 「ゼロ金利解除」について考える (株)イムラ封筒監査役・経済アナリスト
北川宏廸氏
12月 ゴルフ会員権の道ひとすじに (株)桜ゴルフ代表取締役
佐川八重子氏

投稿者 lefthand : 23:58 | コメント (0)

2007年01月19日

2007年1月15日 経営ゼミナール代表 山本紀久雄

2007年1月15日 経営ゼミナール代表 山本紀久雄

2007年の最初の経営ゼミナールは、本会の代表である山本紀久雄から「今年の経済と課題」と題しましてご報告申し上げました。
内容のポイントは
● 今年の日本経済と世界経済は順調に推移する見込み
● 課題は全要素生産性の上昇

経済はアメリカ大統領選と中国・北京オリンピックを来年に控え、この両消費大国が順調な経済運営を行っていくと思われるので、そこへの輸出が各国とも伸び、世界と日本経済も順調であるという内容です。

課題は生産性です。日本の一人当たりGDPは1993年まで世界のトップでした。しかし、その後年々ランクを下げて2005年度は14位に後退してしまいました。イギリスよりも下に位置します。世界第二位の経済大国というイメージは捨てた方がよいと思いますし、これから人口減ですから、一人当たりのGDP競争をすべきで、そのためには生産性をあげるしかないのです。

生産性と言いますと、すぐに思い浮かべるものに、労働単位あたりの付加価値で計算される「労働生産性」があります。また、設備に投資された「資本生産性」をイメージします。
しかし、これからは日本が持っている潜在力、つまり、潜在成長率を高めることが必要なのですから、この「労働生産性」と「資本生産性」だけを論議していては限界があります。すべての要素を考えた「全要素生産性」という視点が日本の成長には欠かせないのです。では、この「全要素生産性」とは何か。

それは労働と資本以外のものすべてです。例えばIT化の進展、国の政策面での規制緩和、産業構造の転換などがありますが、このような大きな枠組みでなく、一人一人や、一社一社が創意工夫をして、その結果で業績につなげることが最も大事な「全要素生産性」の向上策なのです。
その「全要素生産性」をあげるための視点、それは、考える力、脳力ですが、それについて銀行や洋傘、ハンバーガーなどの事例で紹介しましたが、とにかく経営者は「人の脳細胞から引き出す力」に今年全力をつくして、順調なる日本経済の風を取り入れて成長路線にシフトすること。
それが今年の最大の課題である、というのが今回のポイントでありました。  以上。

投稿者 Master : 06:05 | コメント (0)

2007年01月13日

1月15日(月)例会会場変更のご案内

経営ゼミナールの金子でございます。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

早速でございますが、銀行倶楽部様のご都合により会場が閉鎖になるため、急な変更で大変申し訳ございませんが、新規会場をご連絡させていただきます。

会場は、東京商工会議所の8階の「東商スカイルーム」となります。
特にお部屋番号、名前はございませんが、8階に上がりましたら、わかるようになっておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

住所
東京都千代田区丸の内3-2-2
東京商工会議所ビル8階 「東商スカイルーム」
電話:03-3211-4851~2

交通機関
地下鉄千代田線二重橋前駅、有楽町線有楽町駅
都営三田線・日比谷線日比谷駅
JR線有楽町駅、東京駅

マップは下記URLにてご確認をお願いいたします。

http://www.kaikan.co.jp/tosho/access/access.html

投稿者 Master : 10:57 | コメント (0)

2007年01月06日

2007年1月5日 考えることのシステム化

環境×文化×経済 山本紀久雄
2007年1月5日 考えることのシステム化

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今年の経済と日本の最重要課題

今年の日本経済は景気拡大を続ける、という予測が経済調査機関の大勢見解です。一部に今年前半足踏み状態の「踊り場」に差し掛かるとの懸念見解もありますが、これも短期間で終わり、年間では順調に推移し、日経平均株価も年後半にかけて上昇基調に向うというのが大勢です。このような景気拡大は世界的な傾向で、アメリカは10年間、イギリスは15年目、オーストラリアは16年目に入る景気拡大を続け、日本も35年前の「いざなぎ景気」期間を超えました。

だが「景気はよくなっているらしいが、さっぱり実感がない」という声が巷には強いのも実態です。これは過去とのデータ比較でハッキリしています。いざなぎ景気(65.10~70.7)とバブル景気(86.11~91.2)と今回(02.1~)を比較してみますと、消費は9.7%⇒4.5%⇒1.7%増であり、賃金は17.6%⇒4.8%⇒0.3%増に見られるように、いざなぎ景気の時は「消費も増え、賃金も増えた」のですが、今回の景気では設備投資と外需が主なる牽引車なのです。つまり、企業の業績向上で全体の経済状況を好転させたのです。
この結果、国の税収が増え赤字国債の発行も少なくなってきました。日本はプライマリーバランスを単年度で黒字化することが当面の目標で、これは税収増で目標年の11年より早まりそうですが、このような目標を掲げているのは日本くらいで、プライマリーバランスが黒字なっても、バブル崩壊後に財政支出した膨大な借金が減るわけではありません。
個人でも借金漬けが続く生活では、明日に向って意欲的な計画は難しいのは国も同じで、日本国家の大借金漬けは最重要課題です。早く本格的に財政再建をすることが国家運営上最も必要なのです。ですから、まだまだ企業に頑張ってもらい、税収を増やしてもらわねばならないのが実態です。

的を絞る

日本企業の強みは製造力です。日本人が持つ「ていねいにモノをつくりあげ、少しでもよくしようとする意識」を製造現場の仕組みに活かしたトヨタを始め、多くの優良企業が世界に評価されているのはこの日本人の感性です。
トヨタのように毎年アメリカに工場を造ってきたのは、貿易摩擦対策もありますが、アメリカ人がトヨタ車を高く評価し購入するからです。キヤノンも同じで、優秀な製品づくりがアメリカ人に受け入れられ、今日の世界的企業になった要因です。
更に今後、日本の人口が減少していくことを考えれば、日本国内では販売数量は増加しないのですから、購買してくれる人が多い国に進出しなければなりません。自動車の場合、日本国内で販売できるのは軽乗用車を入れても昨年574万台で、ピークの90年(777万台)の74%、これからも増えないのですから海外に展開するしかなく、それをトヨタは実行してきたわけで、結果は納税額日本一という実績になっているのです。
素直に考えると、日本の最重要課題である財政再建を早めるには、トヨタのような世界的企業へ多くの企業が成長・躍進し、好業績をあげ、国に税収という貢献をしてもらうことが最大の対策になります。
つまり、多くの要因がかみ合って複雑になっている財政再建策を、一つの的に絞って対策を整理してみれば、それは企業の成長であり、その企業成長とは人口が増加している海外での展開にかかっているのです。これは歳出削減や個人所得格差等の問題を考慮しない、ある意味での暴論ですが、今回の景気拡大の中身を検討し、財政再建という国家問題を考えれば、様々な対策を考えることも重要ではあるかもしれませんが、的を絞った対策に特化すべきではないかと思っています。

ある世界観を持って世界を見る

今年の世界経済の伸び率予測は、経済調査機関の見込みで4%を超す成長となっています。日本、アメリカ、ユーロ圏は2%前後と予測していますが、中国をはじめとした新興国の景気拡大が大きく世界全体に貢献するので4%を超すと見ているのです。
ここでまた素直に考えてみたいと思います。例えば、自動車はアメリカ、ユーロ圏、日本では多くの家庭で所有していて、何ら珍しい存在ではありません。だが、その他の国では車は一般的に非所有物であり、貴重品であると思います。つまり、車を持つことに憧れている人たちの方が世界全体では多いのです。カメラも同じです。日本人にとってカメラは持っているのが当たり前ですが、地球の上から世界を見れば、カメラを持っていない人の方が多いと思います。世界的に見れば需要は限りなく存在するのです。
その需要があって、経済的に購入できなかった国の人々が、経済力を持ち始めた。これが世界経済を成長・躍進させる最大要因となったのです。構図が変わって来たのです。
BRICsのブラジル、ロシア、インド、中国。NEXT11ネクスト・イレブンのバングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム。TIPsのタイ、インドネシア、フィリピン。
東西冷戦の終結を受けて、1990年代に始まった経済のグローバル化は、このような国の経済成長を促進し始め、地球の隅々まで経済成長という姿がいきわたっていくというのが、経済専門調査機関が予測する世界経済の伸び率4%を超す背景なのです。
ですから、経済力を持ち始めた国々対してアプローチしていくことによって、まだまだ企業は成長できる可能性が高いのです。つまり、世界経済全体が大きく成長し、日本製品に対する需要がますます増えるという世界観で、地球全体を見る必要があると思います。

人の力量とは考えること

毎月、内外各地を訪れ、多くの方とお話し、事業の成功例や失敗例を学んでいます。実例としてお話いただく内容は結果論です。この結果論はある条件で成功した事例であって、それをそのまま真似して展開したとしても、必ず成功するとは限りません。逆に失敗した事例でも、成功する場合があります。倒産寸前企業の再建を成功させた者としてよく分かります。
事業が成功するか失敗するかは、その背景にある「経営を担当した人の発想や工夫」によるのです。戦略決定と戦術展開の巧拙、つまり、事業担当する人の力量の問題に帰結します。トヨタもキヤノンも創業者から現在まで経営者の力量が優れていたからこそ、世界的企業に成長し、国家に多額の納税を行う貢献企業に成れたのです。企業は人なりです。
ですから、企業成長には人材が必要なのです。経営環境も重要な必要条件ですが、それよりも人の力量です。
では、どのような力量が必要なのか。様々な人間力要素があると思いますが、最も大事なことは「考える」ということではないでしょうか。この「考える」ことは誰でも行っていることで、人間ならば必ず行うことです。
しかし、「考える」という内容をシステム的に行っているか、ということについては如何でしょうか。「考える」ことを脳内行動のシステムにしているかどうかということです。
「考える」とは次の五つの作業ステップを踏むことだと、私の専門である脳力開発では定義します。①集める⇒②分ける⇒③比べる⇒④組み合わせる⇒⑤選ぶ、この五段階のステップを意識的に踏んで、日常行動の中にシステムとして習慣化させていく。
「①集める」とは情報を収集することであり、「②分ける」とは要件ごとファイル化することであり、「③比べる」とは戦略に基づいて集め分けたものを対比することですが、特に大事なのは「④組み合わせる」です。新しい発想・着眼・創造は組み合わせから生れ、他との違いをつける最大ポイントです。最後の「⑤選ぶ」は決定することです。
この一連の作業を常に行って、日常の中に習慣化させ、システム化して行く結果が、諸問題への対処方法を決め、行動となって、その実行結果として、成功・失敗が決まるのです。

考えることのシステム化

今年の日本経済は順調に推移するという予測と、世界経済も高い伸びを示すという予測、この両者の組み合わせによって、日本の企業力を更に強化し、税収を高めることによって、日本の最重要課題である財政状態が、早く正常状態に戻ることを期待したいと思います。
そのためには日本の企業力向上が絶対条件であり、企業経営者の「考える力」システム化が前提条件ですが、この脳力開発思考ステップは全ての人に有効であると思います。以上。
(1月20日号は海外出張のため休刊となります)

投稿者 Master : 09:09 | コメント (0)