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2008年07月30日

「キッズビジネスタウンいちかわ・・・千葉商科大学商経学部・中澤教授」

経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2008年7月28日
「キッズビジネスタウンいちかわ・・・千葉商科大学商経学部・中澤教授」

 今回の経営ゼミナールは、今年3月8日に千葉商科大学で開催された「キッズビジネスタウンいちかわ」の結果についてご発表いただきました。

 東京・豊洲の「キッザニア東京」、ここは土日祝日の予約は四ヶ月先まで満杯という人気スポットですが、実はここより逸早くこのテーマに取り組んできたのが千葉商科大学です。さらに、「キッザニア東京」のように有力なスポンサーがいるわけでなく、大学側の地道な努力のみで進めてきたわけです。
 だが、しかし、成果は年毎に現れ、それを様々な角度から分析し、各方面に伝えてきた結果、来年度は地方の三高校が開催することになりました。
この現象は、一石を投じた湖面の小さな波紋が、日本中に広がっていく兆しではないかでしょうか。大きな未来が予測できます。

 その予測の背景は時代の底流です。今の日本社会が求めている何かが、キッズビジネスタウンの中に存在し、それが大きな集客力に結びついている、つまり、社会の底流はタテ軸での生き方を求めているのではないでしょうか。
 今の時代はヨコ軸で動いているような気がします。世界中から届く情報、それはその日の出来事の集計です。翌日になれば、また、新しい出来事情報が届いてきます。あっという間に、今の新しいことは忘れ去られ、次の問題に右往左往させられているのが現代の人間です。
 さらに、今の子どもはずっと同じ年代の同級生だけと過ごすという、ヨコ並びの学びと遊びをしてきています。
 ところが、国の歴史も、社会構造も、企業構造も、すべて過去からの積み重ねで出来上がっているのです。過去から延々と流れ続く来歴を知らずして、今の解決は成り立たないのですが、ヨコ軸で慣れきっている若い世代は、タテ軸での生き方を苦手にしてしまう傾向があるのです。
 そのような若者は、社会に馴染めない、企業と一体感を持ち得ない、という事態に陥りやすく、いろいろな問題を発生させています。

 それを解決するひとつの有効方法が、千葉商科大学のキッズビジネスタウンであると思います。ここでは年齢の異なる子どもたちと大学生、教授たちがビジネス体験という現代色教育を、タテ軸のチームワークでこなしていくのですから、必然的に年長者との接点が生まれ、年長者から伝わるものを吸収していくことになり、現代のヨコ軸生活とは異なる体験を付加できるのです。
 時代が求めているキャリア教育がキッズビジネスタウンに存在します。

以上

投稿者 lefthand : 20:49 | コメント (0)

2008年07月29日

7月例会の感想

経営ゼミナール第342回例会が行われましたので、ご報告いたします。
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7月の講師は、千葉商科大学商経学部教授・中澤興起氏にお話しいただきました。

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今回のお話は、子どもに新しい「学ぶ」カタチを提供する「キッズビジネスタウンいちかわ」についてご紹介いただきました。
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キッズビジネスタウンいちかわは、簡単にいうと子どもたちに就労体験をしてもらうイベントです。もう少し詳しく申しますと、「みんなで協力しながら働き、遊び、学ぶことによって街を作り、体験をとおしてビジネスや社会の仕組みを学習する」教育プログラムです。
そのプログラムの仕組みやその成果などを、具体的な数字などを交えながらご説明いただきました。
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6回目を迎えた今年は、子どもだけで2,700名の入場者を数えたそうです。保護者などを勘案すると5,000名はくだらなかっただろうとのこと。もはや処理できる人数ギリギリなのだそうです。キッザニアより早く始められたこのプログラムは、新しい教育の形として時代を捉えているように思いました。
実際に子どもたちが活動しているビデオも上映し、子どもたちのいきいきした表情を見るにつけ、子どもがこんな溌剌とした顔をする教育現場がほかにあるのだろうかと考えさせられました。
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質疑応答も、現在の日本の教育現場に対する様々な質問などが寄せられ、活発な意見交換となりました。
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山本紀久雄氏によるまとめをもって、会を終了いたしました。

中澤先生、お忙しいところ誠にありがとうございました。
ご参加の皆様もありがとうございました。

8月は夏休みです。
また9月にお会いしましょう。

(田中達也・記)

投稿者 lefthand : 06:56 | コメント (0)

2008年07月21日

2008年7月20日 ガラパゴス化現象を避けたい

環境×経済×文化 山本紀久雄
2008年7月20日 ガラパゴス化現象を避けたい

ガラパゴス化現象

南米エクアドルの900キロ太平洋上の沖合に、ガラパゴス諸島があります。ここはダーウィンが進化論のアイディアを持った場所として有名ですが、諸島内には独自に進化をとげた固有の生物が生息しています。大陸から隔絶された環境下であるため、他の環境の影響を受けなかったためです。この事例が日本に例えられることがあります。

一億人超の人口を持っているがゆえに、日本固有の商慣行や独自の技術や機能サービスにこだわって、世界とは異なる市場になっている業界を指すのです。具体的には日本の携帯電話です。世界最高水準の技術を活かして、海外企業では真似できない機能を盛り込んでいますが、世界市場ではほとんどシェアが取れません。独自の進化をとげている間に、世界では機能要求水準の低いレベルで、事実上の使用標準が決まり、その標準下で拡大成長し、日本は取り残されたのです。

競泳水着の敗北

 ミズノの社長が、英スピード社と競泳水着の着用競争で敗北した結果について、以下のように語っています。(日経新聞2008年7月6日)

 「ミズノが開発した水着は選手の要望を完全に満たしていたと思う」「過去のスピード社の水着開発は我々も一緒にやってきたという自負がある。ところが実際は海外選手から直接、要望を聞いたことはなく、体形データすら取っていなかった」と。
 
この発言からいえることは、ミズノはスピード社と提携していたことと、選手の要望を完全に満たしていたのに負けた、という奇妙な思考力を持っていることです。

負けたのは、要望を完全に満たしていなかったことと、日本人選手だけに対象を絞って水着開発をしていたからで、ガラパゴス化現象ともいえるのではないでしょうか

脳の構造

 養老孟司氏が次のように述べています。

「10年前の自分の脳にあった記憶と、今の自分の脳に入っている記憶とは、果たして同じだろうか。体をつくっている物質はほとんど入れ替わっている。同じ事柄について同じ記憶を保っていると、本人が確信しているだけで、脳全体が変わってしまえば、違いがあっても気づかないはずだ。別の言い方をすれば、その時々のその人の脳にとって整合性があるように、つまり覚えやすいように記憶を変形させている」と。

 これは怖い発言です。つまり、過去のストーリー性のある記憶はアテにならないということなのです。自分にとって覚えやすいように、説得力あるように、勝手に脚色し編集してしまうのが脳だ、といっているのです。脳は過去を思い込みにするのです。

篤姫

しかし、この脳の思い込みは、過去の歴史を現代に蘇えさせ、多くの人に共感を得るという作業に活用できます。つまり、ある優れた人物によって、歴史を脚色し編集するという意味ですが、その優れた脳力基準とは、今という時代への感覚度合いです。鋭い時代感覚があれば、歴史を今に蘇えさせられます。
その成功事例がNHK大河ドラマ「篤姫」と思います。

天璋院篤姫は第13代将軍家定の御台として、家定死後は第14代将軍家茂に嫁いできた、孝明天皇の妹・和宮(静寛院宮)とともに、徳川家を守ろうと江戸無血開城を成功させるストーリーですが、これまでの展開では、本土最南端の薩摩の地で、桜島の噴煙を見ながら、錦江湾で遊ぶ純朴で利発な一少女が、将軍家の正室となり、3000人もの大奥を束ねるという、ただならぬ人生の歩み、それを史実とドラマフィクションとで上手に描き、それが多くの視聴者に受け入れられています。

このように、過去の歴史を今の時代に共感させるためには、現代人からの認識、理解、共鳴、同感が条件ですが、この点で「篤姫」は成功しているのです。

大奥が中国で大ヒット 

中国でもこれまで韓国ドラマが、高い人気を誇っていました。いわゆる韓流ブームで、日本と同じでした。だが、このところ日本と同様、中国でも韓流ブームは凋落傾向で、 韓国ドラマの不振にとって代わったのが、しばらく鳴りを潜めていた日本のドラマです。

中国の日本ドラマの輸入は前年比30%以上も増えていて、その象徴が今年4月に放送された「大奥」です。放送開始直後から人気を呼び、4月7日の夜には中国全土で2000万人もの人々が、この時代劇ドラマを見たのです。
 
関係者によると、マンネリ化傾向の韓国ドラマに対し、題材が幅広く、俳優陣も多様、ストーリーのテンポが速い点、それが日本ドラマが評価されている理由とのことです。

 このように大奥が受け入れられたということは、徳川将軍の江戸城という特殊性を、時代感覚で脚色し編集し直すと、中国人にもわかるという事実、つまり、物事を世界標準にしていけば、異なる国、過去に問題を抱えている国でも、受け入れられていくという意味につながります。

 また、中国人もこういうドラマを通じて、日本に対するかつてから持っている認識を、変えていく可能性もあります。

中国人女性の実態

その中国、オリンピック開催が間近に迫っていますが、大地震に襲われた四川地域の復興課題や、いまだ尾を引いているチベット問題、加えて、猛烈なインフレと頻発する各地の暴動、さらに多くの労働争議による「世界の工場」の揺らぎなど、様々な問題が山積しているとマスコミ報道が伝えて、これは事実と思います。

では、これらの状況下で生活している一般の人々は、どのような実態なのでしょうか。マスコミが伝える諸問題のように、個人も動揺して生活しているのでしょうか。

例えば、大奥をみた人たちの多くは、二億人ともいわれている中間所得層であって、テレビの前に座った視聴者は女性が多いと考えられますが、その人々の生活はどういう状況なのでしょうか。今年3月と6月に訪問し、北京と上海でお会いした数人の実態、それを今号と次号に分けてご案内したいと思います。

(専業主婦を楽しむ)

最初はAさん26歳。北京の18建マンション三階に住み、結婚して二年で、子どもはいないし、仕事もしていません。夫は37歳で国営企業の管理職。

Aさんは子ども時代に両親が亡くなり、国からの援助金で学校を出るなどして、苦労して育ちましたが、成績が優秀だったのでマンション販売会社の営業に就職できました。

ある日、一人の男が販売事務所にやってきました。営業担当のAさんが早速対応したわけですが、そこで彼はAさんに一目惚れし、Aさんが推奨するマンションを買うことになりました。その男が今の夫で、その買ったマンションに二人が住んでいるのです。

夫が買ったときは一㎡6000元(1元=16円換算で9.6万円)でしたが、今は15000元(24万円)と倍以上となっています。広さは2LDKの南向きで、ベッドルーム二部屋と広いリビング。テレビは大型壁掛け式で、ベッドルームにも薄型テレビがあります。

趣味は欧米式の刺繍。スポーツはクラブに行ってバドミントンを楽しみ、旅行が大好きで、タイ、マレーシア、シンガポール、サイパンに行きました。日本にはまだ行っていないが、興味あるところは原宿、秋葉原、富士山、箱根、北海道、銀座とすらすらと日本の地名が出てきます。イメージを聞くと銀座は買い物天国、箱根は温泉と答えます。

歌舞伎に興味あったので、以前に日本語学校へ通ったことがあるので、日本語が少し分かります。壁を見ると結婚式の写真が掛かっていて、夫が色白で少し歌舞伎役者に似ているので、それを伝えると笑い、今来るからとまた笑います。

実際に現れた夫は写真と反対の色黒で、タバコ吸うので歯が脂で真っ黒。夫は会社の慰安旅行で毎年海外旅行に行くといい、日本、サイパン、タイ、マレーシア、シンガポールに行って、今年はスイスに行く予定だといいます。さらに、中国人は頭がよく、経済成長はこれからも続くと明確に発言します。

なるほど、これがよく言われる「PRIDE of CHINA(中国の自負心)」かと、感じた次第です。次号も中国人女性の生活実態事例を続けてご案内します。以上

投稿者 Master : 05:19 | コメント (0)

2008年07月13日

事務局長金子のラジオ出演のご案内

7月27日(日)NHKラジオ第一で午前7:39頃より「日曜訪問」が放送されます。
「日曜訪問」において「ぬりえを文化にしたい」というお話で事務局長の金子が登場いたしますので、ご案内いたします

(7/20とご案内いたしましたが、局側の都合で7/27に変更になりました)

投稿者 Master : 19:04 | コメント (0)

2008年07月05日

2008年7月5日 日本人は自由発想が好き

環境×文化×経済 山本紀久雄
2008年7月5日 日本人は自由発想が好き

渋谷の街

渋谷山本塾が始まって、毎月、第二金曜日の夕方、渋谷の繁華街に向かい、終了後の懇親会で様々な業態の飲食店に入ります。ハナ金という表現は古いのでしょうが、どこも若い人が一杯、店側の対応も声が大きく、はっきり明確、元気一杯です。
渋谷から原宿一帯は、欧米ファッションデザイナーたちが「ストリート・ファッション」の世界的聖地と称し、デザインアイディアを求めて来るところとして有名ですが、渋谷を歩くたびに、その意味を再確認しています。

また、それを証明するのが、渋谷発のカジュアルファッション「ア・ベイシング・エイプ」で、今や世界中の若い層から支持を受けるグローバルブランドとなりました。

町屋の街

荒川区の町屋でも山本塾を開いています。ぬりえ美術館での開催です。町屋は渋谷と大きく異なる不思議な街です。昔がそのまま残っていて、通りには懐かしい都電が走り、そこに都内とは思えない昔スタイル姿の商店が並んでいます。また、店と店との間にはいくつもの路地があって、この路地奥に入り込むと、はじめての人は必ず方向感覚を失います。
これは断言できます。何回も挑戦してみた結果の断言で、入り組んだ路地からの脱出は極めて困難となって、そこを歩いている地元人に尋ねますと、一様に困った顔をします。
住民であるからこの地区の路地に精通して迷わないのですが、はじめての人に説明するのは難しいのです。何故難しいのか。それは目印となる存在物、例えば郵便局とかコンビニとかが、路地内に存在しないため、漠然としか説明できず、説明するほうも、受けるほうも一様に困った顔となる街、それが町屋です。

好きなことを仕事にしている

 その町屋で音楽関係者の方と食事する機会がありました。知人が「山本さんは、いろいろ好きなことを仕事にしている人です」と私を紹介しますと「いいですねぇ」との返答です。こちらから考えると、音楽が好きでプロになっているのだから、そちら様のほうが羨ましい立場だと思いましたが、そのまま笑って過ごしました。
 最近、このような形で私が紹介を受けることが多くなりました。世界の牡蠣、日欧温泉、ぬりえ研究、世界旅行記と山岡鉄舟の雑誌連載、経営コンサルタント業、確かに様々な分野に広がっており、勝手気ままな仕事をしていると思われているかもしれません。

形はその通り

表面に顕れた形はその通りです。さらに、本の出版分野も相互関係がないので、よく「混乱しませんか」という質問を受けます。これへの回答は「全く混乱しません」とお答えしています。人から見た自分への評価は、概ね妥当なことは言うまでもありません。自己評価は自分を的確に見ていないことが多いのです。
しかし、知人が私を紹介した内容については、違うと思っています。表面上に形として顕れているのは、様々なテーマを扱っているので、異なる分野と思われるのですが、それを進めている当事者としては、すべて「好きな」分野の範疇内なので違和感がないのです。

考えることを作業化している

 実は、本当に「好きな」ことは「考える」ことなのです。
といいますと、哲学的や思索的なことを思い浮かべるかもしれませんが、そうではなく、日頃の行動を「考える」ことのシステムに結び付けることが好きなのです。
私の専門である脳力開発では、考えるということを五つの行動に分類します。まず「集める」「分ける」「比べる」「組み合わせる」「選ぶ」という五段階です。考えるという行動を分析すると、どのようなパターンでも、また、対象の軽重差があっても、必ずこの五つのシステムステップに集約します。
ですから、日頃から意識して、このシステムステップを継続していますと、どんな対象・問題・テーマが来ても、対処できることになります。
つまり、形は異なる仕事でも、すべてこの好きな「考える」システムステップで進めていますので、自己矛盾なく、結果として割合自由な発想を浮かべることができるのです。
 
ソウルの新聞記事

 朝鮮日報というソウルの新聞があります。そこに「『国民総魅力』で世界をリードするお隣ニッポンを見習え!」という記事が掲載されました。
 内容を一言で述べますと「現在の日本は経済大国から『文化大国』へと姿を変え、世界で最も魅力的な国のひとつになり、それを活用して、金を生み出し、富を創り出す『ソフトパワー』の経済モデルをつくった」というものです。
 その背景には、2005年に発表された経済産業省の「新日本様式・ネオジャパネスク」という報告書が存在すると分析し、付加価値の源泉が「量から質」、さらに、「質から品位」へ移行させ「21世紀版ジャポニスム」の栄光を目指しているとあります。

各国の肯定的影響調査結果 

英国BBCが世界34カ国、1万7000人に対し、指定した14の国・地域のうち「どの国が世界によい影響を与えると思うか」を2008年4月に再び調査しました。
 結果は、日本とドイツを挙げた人が最も多く、昨年に続き日本の魅力が高いことを、世界の客観的調査結果が明らかにしてくれました。因みに、最下位はパキスタンで、その次はイスラエル、イラン、北朝鮮と続きます。何となくイメージでわかります。

ホテル関係者のアンケート調査
 
大手オンライン旅行社エクスペディアが、ホテル関係者4000人に行ったアンケート調査で、総合的に最も評判のよいのは日本人という結果が出ました。
 逆に最も行儀が悪いのは英国人、続いてロシア人、中国人であり、最も声が大きくうるさいのは米国人、最も静かなのは日本人とドイツ人という結果です。
 確かに、6月末にドイツ鉄道ICEでフランフルトからミュンヘン、それとTGVでパリに行きましたが、ドイツ人は車内で静かです。日本の新幹線並みです。また、ドイツのホテルの朝食でも皆静かに食事していますから、このアンケート結果は妥当だと思います。

国際フェスティバル

 ドイツ南部の街カールスルーエでは、ちょうど国際フェスティバルが開催されていましたので、そこへ参加しました。ここは人口27万人、ドイツ最高裁判所や原子力研究所があって、城を中心に、道路が放射線状に造られている落ち着いた品格のある街です。
 会場には国際フェスティバルの名にふさわしく、何十カ国の関係者が集まって、屋台や特産品販売、舞台での踊りやコーラスが朝から深夜まで行われ、大人気でした。
 日本コーナーは浴衣をピチっと着こなしたドイツ人女性が対応し、舞台では日本人とドイツ人の混声合唱、曲は日本語で荒城の月、ホタル来い、サクラ・サクラ、村祭り、ソーラン節。特に最後のソーラン節は迫力があり、太鼓のリズムと合致し、観衆から大拍手でした。この現象を見ていますと、諸外国もそれぞれ趣向を凝らしているのですが、どうも日本の人気が頭ひとつ他国をリードしていると感じました。

ソウル新聞記者の疑問解消 

前述のソウル新聞記者が、どうして日本文化はこんなにもパワーがあるのか、という疑問を持ちつつ、それを解消したのは、ある大学教授の次の発言からと書いています。
「日本はすべての事物に神がいるという汎神論の国です。石にも木にも川にも神がいると信じられていた。そのため森羅万象に人格と生命を与え、自由自在に擬人化することが出来る。だからアンパンから『アンパンマン』というキャラクターを生み出せるのだ」と。

なるほど、形として表に顕れている日本のキャラクターや、ファッションやソフトパワー、それを生み出す根源に汎神論があって、そこが唯一神の諸外国とことなるという見解ですが、そうだろうと頷きつつ、もうひとつ大事な要素があると思います。それは日本人が、何ものにも神が宿っていると信じることを、本来「好きな」国民性だということです。

自由な発想を浮かべるには、「好きな」ことを行うという前提が重要と思います。以上。

投稿者 Master : 11:34 | コメント (0)