« 2005年03月 | メイン | 2005年05月 »

2005年04月27日

7月の例会は万博会場で開催いたします

7月の例会の予告案内
21世紀最初の国際博覧会である愛知万博(愛・地球博)が3月25日に開幕しました。7月25日(月)開催の経営ゼミナールは、35年ぶりに日本で開催されている「愛知万博視察」を実施いたします。
愛知万博は現在の現代社会が目指す近未来の姿を三つのアプローチから描きだそうとしています。ご参考迄にご紹介致します。
1.循環型社会の実現
*長久手会場の中央に巨大な緑の壁が出現・・・「バイオラング」(広大な会場のための肺機能を表現)赤塚植物園グループ出展
2.生活に溶け込む先端科学技術
3.国境を越えた「地球市民」の大交流

大阪万博は高度経済成長がもたらした産業技術の目覚しい進歩を背景に開催されましたが、愛知万博は自然と世界には限りがある(有限性)という意識の元に次世代の社会と自然の持続的共生、人間と技術の生活の場での融合、地球市民意識の喚起を目指しております。
このような愛知万博を、メンバーの皆様と是非ご一緒に視察して参りたいと思います。

会場では、世界最大級の緑化壁「バイオ・ラング」のオフィシャルパートナーであり、水の研究を20年しておられる赤塚植物園から説明をしていただく予定です。
「バイオ・ラング」http://www.jp-akatsuka.co.jp/bio.htmlとは、緑化壁で、幅150メートル、高さ12メートル。名古屋駅のツインビルをイメージした2つのタワーは、高さ43メートル。マンモスの骨が入っている「グローバル・ハウス」には、このバイオ・ラングを通っていくようになっています。
地球をきれいにしていくのが今回の万博のテーマですが、それを赤塚植物園のバイオ・ミストが地球の環境に貢献していくというものです。
尚、現場において、緑化壁を前に赤塚充良社長に講演をしていただく予定でしたが、赤塚社長は当日ご予定があるため、赤塚植物園の関係者からお話をしていただきます。
赤塚植物園は、水について20年にわたり研究をしています。20年間の水の研究と水にまつわる貴重なお話、そして赤塚植物園の経営について伺えるというまたとない機会です。是非、ご参加のご予定をお願いいたします。

■実施要領
日程:2005年7月25日(月)
見学方法:この万博会場視察は、現地集合、現地解散となります。
*長久手会場、「バイオ・ラング」中央前に16:00集合
*説明後は、各自関心のある会場を見学していただき、解散となります。

*交通チケット:各自現地までの交通のチケットを購入ください。ご参考までに、
JTB浦和支店 寺内さんをご紹介いたします。
電話048−822−0111

正会員のメリット:正会員の方がご参加の場合、入場チケット(4600円)を経営ゼミナールが負担いたしますので、ぜひ大勢のご参加をお待ちしています。積極的なご参加を期待致します。

*ご参考 赤塚社長のご紹介:
1956年 第1回カリフォルニア農業研究生として3年間渡米
1972年 株式会社赤塚植物園を創業
三重県をサツキ生産日本一へと導く
1967年 洋ランの組織培養による大量生産に国内で初めて成功
1985年 不思議な水と出会う 
この水によって人々の健康や地球環境の改善に貢献できる!との信念から水の研究を開始。FFCテクノロジーを確立し、以降その普及に努める

投稿者 Master : 23:11 | コメント (0)

れからも不動産は日本経済の基盤として存在し続けるのか

6月の例会予告案内
6月の例会は、6月20日(月)に開催です。
講師には、不動産鑑定士の村松喜平氏をご予定しております。6月の経営ゼミナールでは、久しぶりに不動産関係をテーマに開催予定です。
不動産(土地)は、大自然の創造物であり、今我々が接する都市、町、農地などは人類が大自然に働きかけて加工した人工物です。
ミクロ問題として「不動産の掘り出し物の探し方」や「ワンルームマンション投資の落とし穴」、「地価はどうなるか」、「マンション供給過剰時代」などは週刊誌的な興味の対象として取り上げられていますが、これらを解明するには過去の歴史とその歴史の延長戦上に作られた現在ある不動産のあり姿が1つの示唆を与えてくれます。不動産の売買の際に動くものは、金と人であって不動産は動きません。不動産の価格は金融政策によって大きく左右されます。

不動産について、マクロとミクロから仔細に分析して、出席者の皆様に不動産に関する一般的知識を発表いただく予定ですが、
村松氏から学ぶポイントは「これからも不動産は日本経済の基盤として存在し続けるのか」という、基本的な命題についてレクチャーを受けることでもあります。
また、村松喜平氏は、最近「貸地借地のトラブル解決ハンドブック」という本を出版されました。難しい問題をマンガの解説をいれて大変分かりやすく書かれていますので、この内容についてもご紹介がございます。
6月も参加のご予定をお願いいたします。

投稿者 Master : 23:03 | コメント (0)

昨今のマンション事情

5月の例会は、5月16日(月)の開催です。講師には、株式会社長谷工アネシスの取締役専務執行役員の鈴木信男氏をお招きいたします。
今、東京における分譲住宅新規供給の3/4をマンションが占める時代となり、一般的な都市型の居住形態として定着してきました。それに伴い、例えば中高年者が郊外の一戸建てから都心のマンションへ移る動きなど、人々のマンションに対する意識が変化してきております。
また住んでみますと、建物の一部を共有し、また住民共同体のメンバーを構成しているという特性から、住民の合意形成過程の難しさという特有の問題があることも認識されるようになってきました。
一方、ビジネスの視点からは、今のような大量の供給がいつまで続くのか、という疑問があるでしょうし、あるいは、そこに住んでいる方たちが宝の山に見える、かもしれません。
皆様の関心の高いマンションについて、マンションの管理運営をお手伝いする管理会社の眼を通して、様々な経験を持っておられる鈴木信男氏から、
1)マンションを巡るさまざまなトピックを検証、
2)首都圏と近畿圏の新規分譲マンション建設で20%に迫るシェアーを持つ長谷工の戦略を紹介
3)衣食住の住、特に『住生活』サポートという観点から、どのようなビジネスのチャンスが考えられるのか、
について、テーマを「昨今のマンション事情」と題して今回、発表いただきます。

1970年 東京大学法学部卒
1970年 日本興行銀行入行
電子計算室、外国為替、大阪支店(金融法人営業)審査(非鉄金属)、香港支店(非日系営業、企画等)を経て
1989年 ワシントン首席駐在員
1993年 ロンドン興銀(証券現法)マネージングディレクター(人事、総務、企画、システム等担当)
1997年 興銀信託銀行取締役(債権流動化等の営業担当)みずほ信託銀行を経て
2001年6月 現職
        
1.日時 平成17年5月16日(月)
6時集合(食事を用意しています)
6時15分より山本紀久雄代表の時流講話
経営ゼミナ-ルは6時半開始8時半終了予定
     
2.場所 東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
千代田区丸の内1-3-1 ℡/03-5252-3791
東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)

3.テーマと講師
「昨今のマンション事情」
株式会社長谷工アネシス取締役専務執行役員
鈴木信男氏
    
*会費:オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。
*お問い合わせ 
出欠は、㈱ボスコ内 経営ゼミナール事務局 神山(03-3498-4200)まで
その他は金子(ぬりえ美術館内(03-3892-5391)まで 

投稿者 Master : 22:55 | コメント (0)

2005年04月22日

経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2005年4月

経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2005年4月18日
「少子化と大学淘汰の時代」(株)クイック教育システム代表補佐役 矢澤昌敏氏

大学を卒業して久しい参加者にとって、矢澤氏が持ち込んだ採用試験で実施される「CAB」テストは大変だった。暗算計算力が衰えていることを再認識させられ、若者にはかなわないという気持ちになったが、今の若者の問題点も認識させられたゼミであった。

「学生は、未来社会から預かったもの、だから、未来社会に必要な能力を授けて送り出すことが大学の役割だ」(加藤寛 千葉商科大学学長)という大学の現状について、詳しい資料に基づいて説明いただいたが、分かったことは「少子化で大学経営は岐路に立っている」という事実だった。これから多くの大学が倒産して「母校が消える」という現実が発生する未来社会であるということでもあった。

また「大学のレジャーランド化・カルチャーセンター化」によって、学力の低下がここ10年で顕著になったことについても、詳細なる説明があったが、その学力低下している学生を受け入れる企業の立場としては、矢澤氏から教えていただいた問題点の解決をしなければならない、という「逆説的な教え」であったと理解したい。

では、学力低下した学生を、新入社員として迎えいけるにはどのような対応をとることが望ましいか。それは「入社時の教育」をしっかりするしかない。

学生時代の自由で勝手な行動スタイル、それを企業の状況にマッチさせた社員像に直ちに変化させることである。入社即変化させることが大事である。「鉄は熱い内に打て」である。

変化させる方向性は何か。方向性とは戦略方向であり、その戦略方向が誤っていると企業は社員の不良資産を抱えることになる。不良社員を抱えると、その解消には多大な時間とコストが必要となり、効率的な経営ができなくなるので、教育の方向性としての戦略を間違えてはならないと思う。

ならば、入社時の教育方向性戦略とは何か。それは「愛社心という忠誠心を植えつける」ことである。「愛社心」があれば企業に対する「忠誠心」が必然的に備わり、企業にとっての「役立つ社員」になれるのである。愛社心をつけるためにはどうするか。
これについては2005年4月20日YAMAMOTOレターで解説しているので、経営ゼミナールHPでご覧願い、ご参考にしていただきたいと思います。

大学の最先端実態情報を学び、その対策について考えさせられた例会であった。以上。

投稿者 Master : 14:22 | コメント (0)

2005年04月21日

経営ゼミナール7月例会は愛知万博視察・・・その五

■一日あたりの入場者数の現実

4月20日現在179万人の入場者数。一日平均6.6万人。期間目標1500万人達成のためには、一日8.1万人が必要ですが、それに対して81%の達成率です。少しずつ増えていますが、まだまだ期間目標達成までには黄色信号です。

■問題は過去の流れの中にある

どうして黄色信号なのか。その要因をつかむには遡ることが必要です。すべての発生要因は過去からの流れがあり、その流れの中に原因が存在する。うまくいかないのは、今の問題もあるが、今の問題を招いているのは過去の出来事、それは人間の行うことですから、担当する人間が考えてきたことに原因があるのです。その一端を前回の「その四」で少し述べましたが、この経緯を日経新聞が上手に整理していますので、それを今回はご紹介いたします。

■日経新聞2005年3月25日「愛知万博特集」から

「愛知万博の開幕までには幾多の紆余曲折があった。名古屋五輪の招致失敗後、地域振興の切り札として愛知県が万博構想を打ち出したのが1988年。97年にモナコで開いた博覧会国際事務局(BIE)総会で愛知万博の開催が決まった。
しかし、99年には同県瀬戸市の会場候補地で絶滅の恐れがあるオオタカの営巣を確認。自然保護運動の高まりもあり、翌年、隣接する同県長久手町の青少年公園が主会場に。2001年には万博協会の最高顧問だった作家の境屋太一氏が、会場拡張案などが通らないことを理由に辞任するなど、ドタバタ劇もくり返した。
この間、問われ続けてきたのは『今、なぜ、万博なのか』。愛知万博ではその解答を世界に向けて発信するためにも、次世代の社会モデルを示し、『お祭り』で終わらせない成果を出すことが求められている」

これが日経新聞の記事内容である。含蓄に富んだ内容であり、これに基づいて次回もいろいろ検討してみたい。

投稿者 Master : 11:46 | コメント (0)

万博に行く意味

       YAMAMOTO・レター
    環境×文化×経済 山本紀久雄
   2005年4月20日 万博に行く意味

愛知万博に行こう

愛知万博の入場者数は4月20日現在179万人です。期間中の動員目標は1500万人、これを開催日数で単純に割れば、一日8.1万人。これが平均一日あたりの目標入場者数です。20日までの人数を開催済み日数26日間で割れば、一日あたり6.6万人ですから、目標8.1万人に対して81%の達成率です。
一般的にイベントは、立ち上がり当初の動員状況が、その後の推移に大きく影響します。

万博事務局は、当初開催日と翌日の入場者数を15万人と予測していました。だが、雨という条件があったとはいえ、実績は4万人台と大きく予測を下回り、これで目標への道のりが黄色信号となりました。
実際に万博会場を経験してきた人に聞きますと、会場で目玉となるものが少ないという意見が聞かれます。その目玉が欲しいという意見、そこに万博の開催目的と入場者とのズレがあります。テーマは「環境博」で、今の世界の最先端環境情報を伝えるべく編集してあり、1970年大阪万博のように、面白く・楽しく・驚きがあって楽しいというイベントとは異なるのです。ところが、訪れる人たちは、環境博という言葉を知って、その意義の理解をしていても、会場を訪れて「もう一つ何かが欲しいなぁ」という感想をもらします。どうもこれは従来の大阪万博イメージを引きずっているのではないか、という感がします。
この感覚のズレをどうやって解消し、入場者増加につなげることができるのか、そのところに対する万博事務局手腕が問われますが、現状のままでは、多分、達成目標に届かず、結果として赤字を発生させ、補填として税金が投入され国民負担になります。ですから、ここは愛国心で「愛知万博」に多くの人が訪れることが必要ではないでしょうか。中国反日デモの「愛国無罪」でなく、日本人は「愛国参加」で愛知万博に行こうではありませんか。

大学の現状

少子化が最初に経営に対して影響を与えてきたのが大学です。大学希望者は全員大学に入れるという「全入時代」が訪れました。しかし、実際には人気大学に受験生が殺到しますから、定員割れの大学が続出することになります。
その結果、生徒が集まらない大学は経営危機を迎えますし、もうすでに何校かは倒産し、大学閉鎖していて、この動きは加速化されていきます。
卒業生にとって「母校が消える」という結果が常識だ、という時代になってきたのです。
これに対する対応策、それを、今、最も大学実態に詳しい、クイック教育システム社の
矢澤昌敏氏を経営ゼミナールにお呼びし、レクチャーを受けました。
といいますのも、少子化が招く経営危機は、すぐに一般企業に押し寄せ、大学と同じ現象が発生しますから、各大学が知恵を絞っている内容を検討しておくことは、近未来の企業経営にとって重要情報収集になるからです。
しかし、今回の矢澤氏のお話で改めて明らかになったことは、少子化問題も然ることながら、大学生の質の劣化も大問題として存在することでした。従来のイメージとは異なった学生に変化しているのです。学生は勉強するものだ。これはもう古い実態なのです。ということは学力がないまま卒業し、新入社員として各企業に「お勤め」することになるのです。

企業はどう対応するか

かっての大学生とは異なった質の若者、その人たちを新入社員として受け入れる企業側は、自社が持つ既存の「企業体質」に早く馴染ませ、慣らせないと大変です。
学校時代のままで会社内で行動されたら、社会生活・企業活動とは馴染まない「勝手で自由な行動」をすることになりますから、企業目的である「売上・利益」獲得への最適行動には結びつかず、結果は「新入社員は問題要因」ということになりかねないのです。
対策はいろいろあります。大学側に学生の教育をしっかりしてもらうということ、それは当然の要求ですが、これは不可能に近いと思います。大学の先生も、生徒の親も放任主義できましたから、それを一気に改善することはできず、改革には10年スパンのロング対策が必要です。その間も毎年大学卒業生はドンドン社会に編入されていきます。
ですから、大学と家庭に改善を期待できず、結局は受け入れる企業側で努力し、新入社員の再教育をする必要があるのです。そのためにはどうするのか。それは企業という性格から考えた上での手段を講じることだと思います。

企業力とは集団力

企業とは所属している人たちの協力関係で仕事を進めていくところです。規模の大小があっても基本的なシステムは同じです。バラバラ勝手な行動では企業目的は達せられません。
当たり前のことですが、この基本的な理解が最も重要です。ここを間違えると大変です。
毎日出社するが、企業目的とは異なった「勝手連行動」となる企業の先行きは明らかです。
新入社員が来たら「直ちに企業目的に馴染ませる習慣づくり」をすること、これしかありません。入社した瞬間から始めることです。時間をおくと、時間の経過と共にやり難くなります。「鉄は熱いうちに打て」です。
具体的にどうするか。それは上司の言うことを、そのまま行動させる体制にすることです。上司に対する忠誠心をつけさせるしかありません。上司が指示することを実行する人間に作り変えることです。
なぜなら、上司が企業集団のリーダーなのですから、リーダーの指示に従わない行動は、企業目的に合致しないからです。リーダーの指示が的確でない場合はどうするのか、という反論がありそうですが、それはそのようなリーダーを上司として配置しておく企業が問題なのであって、新入社員の教育の問題ではありません。現状の上司を指導したのはその企業の上部幹部であるのですから、問題の最終責任は社長にあるのです。
ですから、上司の指示は社長の方針であるので、直属上司の指示に素直に従って行動してもらわないと困るのです。
このところの仕組みをしっかり理解してもらうこと、つまり、上司の指示は企業の方針であり、それは社長の方針であるということ、この当たり前の考え方を徹底するしかないのです。これを徹底するということは、新入社員に「企業への忠誠心」という「愛社精神」を植えつけるという作業になり、その愛社心の強弱が企業の強弱になる、という当たり前の真理を新入社員が来たら徹底的に教育すべきです。これが集団力の強さの源泉なのです。

ドラッカーも認めた日本人の家族的集団力

今年の二月の日経新聞「私の履歴書」はP.Fドラッカーで、そのエッセンス主張は「強みの上にすべてを築け」でしたが、その視点から今回の連載で日本人の強みに関して指摘してくれたことがありました。それは日本人は職業を問われると「○○会社に勤めています」ということが多いが、それは所属する組織に対する構成員として、一種の「家族意識」を持っていることの証拠であって、それは集団で仕事をする場合の強みであると強調したのです。
つまり、日本人は企業に家族意識というような、集団力的な強みを発揮させていると、世界一の経営学者が認定したのです。その通りと思います。

集団力はどこで養われるのか

幼稚園に入った子どもは、最初一人一人バラバラ好き勝手な行動をしていますが、すぐに先生の指導で、お互いの仲間という存在を認識していくことになって、集団行動できるようになって行き、子供にとって幼稚園は楽しい自分の居場所になります。
これと同じです。新入社員にとって最初の職場は幼稚園です。放っておくとバラバラな勝手連行動となります。幼稚園の先生と同じように、新入社員を指導しなければ、新入社員は団体行動をとれずに楽しい職場になれないのです。このコツを教えるのは上司しかいません。
上司の指示に従わせるということが、新入社員に「企業への忠誠心」という「愛社精神」を植えつけるコツなのです。そうするとドラッカーが認めた、日本人の強みとしての「家族意識」が発揮され、自社の強みとなるのです。

愛知万博にはやはり行こう
  
時代は環境破壊経済成長から持続的成長になっています。愛知万博は面白く・楽しく・驚きがあって楽しいというイベントではなく、時代の最先端環境万博であるという認識が必要であり、日本人の意識感覚構造改革の場が愛知万博です。一人一人が時代感覚を変化させれば、日本人は集団的に変化する強みがあります。だから愛知万博にはやはり行こう!!以上。
    
   (経営ゼミナールの万博ツアーは7月25日です。詳細http://www.keiei-semi.jp)

投稿者 Master : 09:48 | コメント (0)

2005年04月14日

経営ゼミナール7月例会は愛知万博視察・・・その四

■開幕17日間の入場者数は105万人で一日平均6.2万人
 4月10日の日曜日に6万人の入場者、9日、10日の土日を入れて17日間で105万人、期間目標1500万人達成のためには、一日8.1万人が来場しないといけない。しかし、相変わらず開幕当初の入場者数は不振である。
 このままでは期間目標達成は難しい。夏休み期間に万博事務局がどのような手段を講じるか。その入場者数増加への対策立案能力と、参加する三機能・・国、愛知県、地元企業・・の連携動員対策が採れるのかが見ものである。

■思い出すのは当初の基本計画決定経緯
 万博基本計画は「愛知万博検討会議」(委員長 谷岡郁子中京女子大学長)において、「海上(かいしょ)の森」大半除外という結論を下した(2000.7.24)時点で開催が正式決定したのであるが、その際、当時の自民党野中幹事長が発言した内容がある。野中氏は自民党の万博推進議員連盟の会長代行を務めていたが、今回の決定経緯を踏まえて次のように記者会見で語った。
 「みぞうの財政難に直面している中で、地元がマスコミ、経済界を含めて愛知万博を成功させたい、引き続き中部国際空港をやりたいという熱意が本当にあるのか疑問を感じざるを得ない」と述べ、地元の姿勢を批判し「私はややこの問題への熱意を失ったということを関係者に申し上げた。後は関係省庁や関係者が努力されることだ」と語り、今後この問題に積極的に関与する考えのないことを明らかにしたのである。
 この発言の意図は、万博計画が当初から地元の反対が強かったものを、十分に調整せずに進め、迷走してきたことへの批判である。

■当初の会場選定が問題の起点
 今回の万博の主目的は、愛知県が地域振興の起爆剤として構想を1988年に打ち出したものである。当初は愛知県瀬戸市の丘陵地「海上の森」だけを会場予定地にしていたが、99年5月に絶滅の恐れのあるオオタカの営巣が確認されたために同会場の規模を縮小し、代わりに近隣の愛知青少年公園(長久手町)などを追加したものである。つまり、主なる会場を全面変更したのである。
 また、会場造成を兼ねる宅地開発事業や、森を縦断するアクセス道路の計画を取り止めたりしたのである。会場地の最終決定までに88年から2000年まで要したのであって、その間の12年間はドタバタ騒ぎといわれても仕方のない経緯であった。

■オオタカとは
  「海上の森」にオオタカがいることは地元の人は当初から分かっていたのであるが、愛知県はそれを否定し続けてきたのであった。
 ところが、オオタカの巣を野鳥の会の会員が見つけたのである。会員は休日を利用し、時間を見つけては森の中に入り、ようやく地上約8mの木の上にある巣を見つけたのである。巣は直径約1m、深さが約50cm。巣には一つがいを確認した。99年5月のことである。
 このオオタカ発見を愛知県庁の記者クラブで発表した時から、世界を揺るがす大騒ぎになったのである。県にとっては青天の霹靂であった。今までの主張が覆されたのである。それまでに県は数千万円をかけて調査会社にオオタカ存在を調査させ、「存在しない」と結論付けしていたのである。
 オオタカはレッドデータブックの中でも、絶滅危惧2種に指定され、種の保護法でも「国内希少野生動植物種」に指定されている野鳥である。
 この発見によって会場計画は大幅な見直しを余儀なくされたのである。愛知県の「海上の森」に対する自然状態認識の甘さと、自然環境保護に対する見通しの甘さが迷走状態とした最大の原因である。
  (レッドデータブックとは環境庁が作成した絶滅の恐れがある野生動物の一覧)

 次回以降も、まだまだ続く万博情報をお楽しみに  

投稿者 Master : 10:08 | コメント (0)

2005年04月07日

アベンヌ温泉の動き

第70回日本温泉気候物理医学会総会にアベンヌ温泉が登場する

■漢方医薬新聞にアベンヌセミナーが掲載される
漢方医薬新聞(2005年3月25日)紙上で、5月27日(金)・28日(土)に富山県宇奈月温泉、宇奈月 国際会館「セレネ」にて、第70回日本温泉気候物理医学会総会が開かれることが発表になっています が、その中で27日のランチョン・セミナーに「アベンヌ温泉水を用いたハイドロテラピーの臨床と科学的 基礎」が登場いたします。

■同じく「笑う温泉・泣く温泉」も同新聞で紹介される
漢方医薬新聞(2005年3月25日)紙上で、経営ゼミナール代表の山本紀久雄著の「笑う温泉・泣く温 泉」が紹介されています。同書の中でフランスのアベンヌ温泉が最も皮膚改善効果が高い温泉と推奨しておりますが、そのアベンヌ温泉が第70回日本温泉気候物理医学会総会に登場することは、日本でもアベンヌ温泉水の効能効果を認識されたものと考えられます。

■4月の「丸の内時流塾」でもアベンヌ温泉を取り上げています
経営ゼミナールが主催する4月の「丸の内時流塾」は、「南仏アベンヌ温泉の成功から学ぶ」というテー マでアベンヌ温泉を取り上げ、4月18日(月)16時から17時30分に銀行会館で開催します。

■アベンヌは時代の流れをつかんでいる
2005年春、アベンヌ温泉が日本温泉気候物理医学会総会で取り上げられ、「丸の内時流塾」でも取り上げられ、山本紀久雄著の「笑う温泉・泣く温泉」でも高く評価している事実、これらを勘案しますとアベンヌ温泉は時代の流れをつかんでいると思います。

■全ては時代の動きで決まる
どんな素晴らしいものでも時代に合わなければ成功しません。時代の流れ、時流に合致させること、こ れが成功の第一条件です。それをアベンヌ温泉はつかんでいます。その時流に合致した秘訣を「丸の内時流塾」で公開します。時流にあった成功ストーリーに関心ある方、「丸の内時流塾」がご参考になります。ご参加をお待ちしております。

投稿者 Master : 15:02 | コメント (0)

4月例会の見所ポイント

■4月経営ゼミナール例会のテーマは「少子化と大学陶汰の時代」です。
 講師は株式会社 NES/クイック教育システムズ 代表補佐役 矢澤 昌敏氏です。

■例会の見所ポイントをご紹介します

●講師の矢澤昌敏氏は長らく大学生の就職関係の業務に携わり、現在は各大学へのアドバイス・コンサルテー ションを主業務として行っていて、現在の大学経営実態について日本で最も詳しい人物の一人であります。

●ご案内のとおり、日本は少子化で、この影響をまず第一に受けるのは大学入学希望者の減少であります。こ の減少は結果的に大学の経営に大きな影響を与え、経営悪化の要因となります。つまり、簡単にいえば売上 減となるのです。

●そこで各大学はいろいろ対策を打っておりますが、その工夫の仕方、それによって駅弁大学といわれるほど の数多く存在する大学は、近い将来に実需に見合った校数になるわけです。つまり、淘汰されていきます。

●少子化は大学全部に当てはまることで、その現象を嘆いているのでは解決つきません。与えられた条件の中 で如何に生き残って成長していくか。そこに各大学が知恵を絞っていて、知恵が豊富な大学だけが生き残る のです。

●この現象は一般社会にもすぐに訪れます。人口減と若い世代の減少は、企業経営にも各種団体にも、政府の 財政収入にも、全てのところに大きな影響を与えることなのですが、その最初の波を大津波として、現在受 けているのが大学なのです。

●ですから、今、この段階で大学経営の実態を分析しておくことは、数年後にやってくる大津波への対策検討 になります。成功している大学から学び、失敗し淘汰された大学からも学ぶ、そのことを通じて自分が所属 している経営体の生き残りに反映させることが必要です。

●それを目的に4月の「経営ゼミナール4月例会」を開催いたしますので、ご参加をお待ちしております。


投稿者 Master : 14:27 | コメント (0)

2005年04月06日

仕事は思考回路の構築のこと

        YAMAMOTO・レター
    環境×文化×経済 山本紀久雄
■2005年4月5日 仕事とは思考回路の構築のこと

■大地震はくる
4月から新年度に入りましたが、相変わらずマスコミを賑わしているのは、ライブドアであり、地震報道です。日経新聞(2005.2.23)で出久根達郎氏が「大地震の
69年周期説」を紹介しています。地震博士といわれた河角宏氏が唱えた説で、関東大震災は1923年、それより68年前の1855年に安政の江戸大地震、その73年前天明2年の1782年に江戸・三河・越中・加賀など広い範囲の大地震があったことから、河角博士が統計上計算して唱えたものです。内容は「69年プラス・マイナス13年で大地震が発生する」ですから、「関東大震災の1923年にプラス69と13で2005年」となり、ちょうど今年が該当します。

そのタイミングを見計らったように、政府の地震調査委員会は3月23日「30年以内に震度6弱以上の揺れが起こる確率図」として、日本列島を色分け分布図とした予測を発表しました。政府としての最高機能は「国民の安全確保」ですが、その政府から地震予告ともいえる発表がなされたという意味、それは近々M6以上の大地震がくる覚悟をしておくように、という警戒情報連絡と受け止めたほうがよいと思います。

■地震への準備対応
3月20日に「福岡西方沖地震」が発生しました。震度6弱、M7、震源の深さ約9キロでしたが、九州北部でM7の地震が起きたのは、1700年以来300年ぶりです。
このところ連続している大地震、95年の阪神・淡路大地震、2000年の鳥取県西部地震、2004年の新潟中越地震、スマトラ沖地震、そして今回の福岡西方沖地震など、共通しているのは、大地震の発生が想定外で、無警戒であった空白域でおき始めているのです。このような想定外の地震が大規模で発生しているのは、日本列島が新たな地殻変動の活動期に突入した証拠である、と主張するのは(株)アクトンの鈴木三郎社長です。
鈴木氏によると、地球は新たな地殻変動期に入っている。過去100年の地球は稀に安定していた期間だったのであり、加えて、昨年2月から3月にかけて地球の公転軌道がずれて、磁場に狂いが生じたことが異変の原因であるとも解説しています。
いずれにしても、地震は地域一帯に公平に襲ってくるものですが、それへの救援対応は不公平になることを覚悟しておくべきです。道路寸断、架橋崩壊、道路歩道橋の倒壊等が重なって、地域への救援は不公平にならざるを得ません。
地震が発生してから、政府に文句をいってもダメなのです。救援に来るのが遅れるという覚悟の基に自己責任で準備対応しておくことが必要なのです。
言い古されている地震対策の数々、それを真面目に思い出して準備しておくこと、それが政府の地震調査委員会から予告された、地震に対する一人一人の対応と思います。

■家のリフォーム
社宅に住んでいる息子に「マンションでも買ったらどうか」と問いかけましたら、「地震が来るので買わない」という答えが戻ってきましたが、問いかけたこちらは現在リフォームの真っ最中です。
一昨年に屋根葺きと外壁塗装を専門家にお願いし、昨年は襖の張替えを自分で行い、今年に入ってからは内部の壁を張替えしています。全部完了するのはまだまだ先です。
もう建ててから26年も過ぎまして、向こう三軒両隣はすべて建替え新築していますが、こちらはお金をかけずに自分でリフォームする方針で、時間をかけてジックリ進めています。ついでに家具類の置き場も検討し、地震対策ツールを設置したりしています。
家のリフォームを行って分かったことがあります。分かってみれば当たり前のことなのですが、やはり実際に体験してみないと実感として納得できないことがありました。
それは「リフォーム作業のためには事前準備が重要」なことです。日曜大工DIY店からリフォーム用品を購入してきても、すぐに作業できるわけではないのです。実際に作業するまでには、当然のことながら、事前に襖等の構造を勉強しないと進みません。襖を張り替えるには、襖を一度解体する必要があり、その解体には襖の組み立て構造を知らないと、無駄な力を入れたり、時には壊してしまうこともあるのです。襖の構造を始めて知って、改めて「なるほどこれが先人の知恵か」と思うところが多々あります。
リフォームするには、リフォームする対象の構造、それをまず把握すること、それが全てに優先するのです。

■トラバンドとバレーボール
先般のドイツで、ホテルロビーにあった雑誌をめくったら、懐かしい写真をみました。共産圏時代に東ドイツで走っていたトラバンドという自動車、それを修理工場で直しているいるおじさんの姿です。共産圏時代にこのトラバンドに乗れる人は模範市民でした。しかし、共産主義の時代が終わって、まだこのトラバンドに乗っている人は落伍者の部類に入ると思います。雑誌のトラバンド写真の後ろには、メルセデスとかBMWが並んでいるのです。ということは、昔の模範市民が乗るべき車も、時代が変われば底辺のところにいる人しか乗らない車になったということです。時代は昔の常識を変えていくのです。
しかし、昔の常識を変えてはいけないこともあります。
2008年の北京オリンピックを目指す、女子バレーボールの日本代表トレーニング担当アドバイザーに、順天堂大学スポーツ健康科学部長の沢木啓祐氏が就任しました。かって「東洋の魔女」と恐れられた女子バレー、昨年のアテネオリンピックで五位にようやく入賞したものの、長く低迷を続けています。
沢木啓祐氏が就任してみて分かったこと、それは「代表チームがデータを継続的に取っていない」という情けない事実でした。30年前にあった素晴らしいトレーニング方法を継続化していなかったのです。継続していたのは、技術と戦術偏重の作戦ばかりでした。
東京オリンピック金メダルの、女子バレーボールチームの大松監督が「為せば成る」と、必死に考えつくりあげた世界で勝つためのトレーニングとデータ、その基本が忘れ去られていたという事実が沢木啓祐氏によって明らかになったのです。バレーボールがなぜ弱いのか、ようやく分かった気がしました。変えてはいけない常識があるのです。

■仕事とは思考回路の構築のこと
3月の日経マガジンで、NYヤンキースの松井選手が次のように語っていました。
「僕から見て『ああ、自分より野球のセンスあるな』という選手はたくさんいます。でも、逆に『もったいないな』とも思うんですよ。大事なのは思考回路です。どういう風に打とうかなとか、イメージを膨らまして、自分で『深く考える』ことです」と。
「足りない素質」を補うのは深い「思考」であるという松井選手に、改めて驚き、頷きます。開幕戦でレッドソックスと対戦し、立派な仕事をした背景には深く考えた「思考回路」構築があって、それがしっかり仕事をやり遂げる基盤となっているのです。
ところが、仕事と作業の区別もつかない人もいます。作業とは「あらかじめ正しい答えがある」場合であり、仕事は「自分で問題解決に乗り出さねばならない」場合の行動であると思います。
「笑う温泉・泣く温泉」が紀伊国屋のBOOKWEVで、温泉専門書分野で売れ筋トップとなりましたが、この中で提案した「温泉地成功6通りの戦略」を日本の観光業は参考にしてもらいたいと思い、銀行会館で開催した3月の「丸の内時流塾」では、南仏アベンヌ温泉を取り上げました。結果は、温泉関係者に好評でしたので、4月も同じくアベンヌ温泉を再び取り上げますが、今回も温泉関係者から申し込みが結構あります。
(丸の内時流塾の内容は、経営ゼミナール http://www.keiei-semi.jp/ に掲載)
アベンヌ温泉の成功は、山奥の寒村に「行ってみたい」と思わせたこと、逆にいえば「誰も訪ねないという問題を解決したこと」であり、そのための「思考回路」を深く構築した結果なのです。松井選手もアベンヌも成功の理由は同じなのです。

■地震対策は体験のもとに思考すること
大地震がくるという政府からの予告、これに対する我々の最大弱点は、経験したことなく突発発生する一瞬のM7大地震に「思考力」で対応しようとしている現実です。これが最大の弱点です。思考に体験を加えなければならなく、その為には実際のM7恐怖体験をすることが最も必要なことです。至急に本所消防署内にある「防災館」(03−3621−0119)に行って、大地震の恐怖体験をすることが思考回路の前提条件です。 以上。

投稿者 Master : 10:06 | コメント (0)

2005年04月01日

2005年パリ農業祭視察報告 その2

(2)現地のマスコミの取り上げ方
●シラク大統領来る
2月26日(土)はシラク大統領が来場したこともあったのだろう、ホテルに戻った夜TVを見たら農業祭の様子が放映されていた。期間中70万人が訪れる予定とのこと。
会場にはTVスタジオも設けられ、関係者の対談を収録していた。
雑誌の関係ではTribune verte、農業専門雑誌 L‘INFOMATION
AGRICOLE,同じくLE LIENが特集を組んで紹介している。
小生が宿泊したホテルのスタッフに聞いた際、農業祭については詳しいことは知らないようだった。またパリに長く住んでいる主婦に聞いたところ、「一度行ったことはある。売っているものが安かった記憶がある」とのことだった。
農業祭最後の日は農業大臣が出席する。

(3)外国人にとっての見所
第一は家畜、特に牛の大きさだろう。巨大の一言に尽きる。このような大きさの牛は私が知っている限り日本にはいない。なぜこのように大きいのだろうか。とにかく迫力がある。また牛の種類の豊富さにも驚いた。
第二は環境問題への取り組みだ。天敵を使って野菜の害虫を駆除する方法。バラを囮に使って葡萄の害虫を集めるやり方。このようなやり方がどの程度普及しているのだろうか。そして菜の花など植物性油を使った自動車の排気ガス対策。日本でも始まっているが、フランスでの普及状況はどうだろうか。
第三はワインの試飲。各地のワインを試飲できる。イタリア、ハンガリーからも出品されている。ワイン好きにはたまらないコーナーだろう。このワイン・ホールは特に賑わっている。ワインを楽しむ人々の表情が特に印象的だ。小生も何軒かワインを梯子した。
第四は展示物の見せ方が中途半端ではない、ということだ。とても分かりやすく工夫されている。例えば牡蠣の漁で使う船が持ち込まれている。サイズ的には決して小さくはないのだがよく運び込んだものだと思う。パネルとか絵、そして実際の養殖設備を展示しているので、フランスではどのように牡蠣を養殖、収穫しているのか一目瞭然ということになる。これは特に外国人にとってはありがたい。
第五はフランス各地の物産が見られることだ。実際見ていて飽きない。フランスは日本以上に各県が細かく分かれている。各県自慢の産物が並べられている。

(4)農業祭視察を通じての感想
今回視察の目的は、フランスは農業大国と言われているが、それを実際に確かめてみたいということであった。3点について感想を述べたい。

①子供達への農業実物教育・・・農業は国民全体の関心事
農業祭の活況振りからもそれは窺えた。参加者の中に家族連れを多く見かけた。パリ市内及び市外に住んでいる子供達にとっては家畜、穀物、野菜・果物、魚類・海産物を直に見る良い機会なのかもしれない。動物達にごく自然に手を出して、触れ合いを喜んでいる子供達を見て「実物教育」という言葉が頭に浮かんだ。これからのフランスの農業を背負って立ち、農業大国としてのフランスを守り続けるために、この農業祭は大いに役に立っていると感じた。
また子供達を飽きせない工夫もされている。オブジェ風の針金に、触れないで手に持った棒を最後まで通過させる「触ったら駄目」ゲーム。野菜・果物コーナーでは子供の顔にペインティングをしていた。2人の若い女性が子供達に話しかけながら、絵を仕上げていた。また穀物とか乾燥野菜を使った塗り(貼り)絵などもあった。
見た限りでは泣いたり、むずかったりしている子供はいなかったようだ。子供達にとっても楽しい農業祭なのだろう。
最近フランスでも農家の後継者問題があると聞く。農家の娘さんと兵隊達の日本的に言えば合コンをやって婿取りをしているケースもあるという。

②農業は一国の基幹産業・・・農業はもう一つの国防産業
ヨーロッパ国内は今回のEU結成迄に第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして東西ヨーロッパへの分裂とたえず戦争と諸国間の拮抗状態が続いてきた。やや乱暴な言い方になるが、国を守るためには戦うための食糧が十分なければならない。風評によるとフランスには3年分の食糧が備蓄されているとのことだ。またその食糧も外国に頼っていたらいつ何時断たれるかもしれない。フランスは食糧の自給率が139%と言われる。因みに日本は41%で低下傾向にあり早晩40%を割り込むと見られている。EUが拡大していく中、かつてのような戦争はもう起こらないかもしれないが、このフランスの自給率139%という数字にはフランスの国家戦略が見え隠れする。1970年の100%から増え続け、現在は130%台を維持している。万が一戦争が起こっても糧秣が不足する恐れがないという安心感があれば、国民は自国を守ることにいささかの躊躇も覚えないだろう。従い農業は国防という側面も色濃く持っているのではないかと思う。
18世紀に民主革命を行い、その後王制、共和制、帝政、その後第三共和国に達したフランスは煮ても焼いても食えないしたたかな近代社会を構成したとある哲学者は述べているが、小生はそれとは別の視点からしたたかさを感じる。それをパリの建造物から感じた。まずパリの地下鉄だ。これは市街戦になった時、この曲がりくねった地下通路を使って戦うことができるだろう。石造りのポン・ヌフの橋。すでに建造後400年経過しているという。訪れた時一部仮囲いを建て、工事中だったが、現在も使われている。度々修理しているようだが、それができるのも基礎がしっかりしているからだ。
また1889年に建てられたエッフェル塔。コンピュータの無い当時、どのようにして構造計算をしたのだろうか。想像もつかない。近くで脚部の莫大な数のリベットを見回しながら、リベット打ち作業がどのように足場を組んで行われたのか考えたが、これも小生の想像をはるかに超えていた。
そして今日もエッフェル塔は悠然と聳えている。
最後にノートル・ダム。その巨大さだけではなく細部にも圧倒された。
このような建造物をつくりあげる精神の組織力と技術の組織力をパリで初めて実感することができた。こうした先を見据えたものの考え方、緻密な思考、どのような事態にも対処していける柔軟さと堅固な意思は、恐らく人間にとって一番大事なこと、つまり食べること、食糧、そして農業に一番はっきりと、最も根本的に発揮されるのではないだろうか。(そしてここでは触れないが文化にも)
政府が良い意味でしたたかであるということは国民にとって歓迎すべきことだ。勿論それに拮抗できるしたたかさが国民にも求められることは言うまでもないが。
自分の国は自分で守る、守り抜く。この気概を農業祭からも感じたと言ったら少し言い過ぎになるだろうか。

③農業は環境産業・・・自然生態系の活用
今回の農業祭で小生の目を引いたのは環境問題への取り組みだった。天敵を使った害虫の駆除、バラの花を使った害虫の誘導、そして菜の花の菜種油を燃料の50%とする環境自動車の展示。これから農業分野でもこのような取り組みはゆっくりと広がっていくのではないかと思うし、またそうあってほしい。
農村の美しい自然風景を求めて観光客が訪れる。日本では農薬を多量に使うことが後継者難の一つの大きな理由になっている。なぜなら子供達は親の健康障害を見ているからだ。
フランスの国土に展開する広大な農地と森。名実共に美しい自然風景を見たいというのは観光客も含め多くの人々の願いだろう。

投稿者 Master : 21:00 | コメント (0)

経営ゼミナール7月例会は愛知万博視察・・・その三

■開幕一週間入場者は426,089人
3月25日開幕となった愛知万博は、3月31日までの一週間入場者は426,089人となった。これは一日平均68,554人になる。これをどう評価するか。

■目標は1500万人で一日平均8.1万人
愛知万博の入場者目標は1500万人、開催日数は185日であるから、単純に割り算すると一日平均8.1万人となる。
この8.1万人に対し、実際の入場者数は6.9万人であるから、目標比85%となっている。
一般的には、開幕のタイミングに人は集中する傾向があると思われるので、この一週間の実績は「今後の集客に不安を残す」結果と判断できる。

■ドイツのハノーバー万博は赤字1100億円
2000年に開かれたドイツのハノーバー万博の入場者は、前回のYAMAMOTOレターでご案内したように、当初の計画人数4000万人に対し、40%の1600万人だった。したがって赤字は約1100億円となって、これはドイツ政府が負担した。
愛知万博は「環境博」という同じテーマであることから、ハノーバー万博の実績を参考にすると共に、海上(かいしょ)の森の開発中止で会場を縮小したこと、この二つの要因から当初計画の2500万人を1000万人下げた計画にしたという背景がある。

■結果はどうなるだろうか
次回は愛知万博が縮小された経緯もお伝えしますが、開幕一週間の実態から目標が達成できるかどうか。その視点から検討してみます。

投稿者 Master : 15:23 | コメント (0)