« 2008年11月 | メイン | 2009年01月 »

2008年12月25日

2009年1月例会のご案内

1月の例会は、1月19日(月)に開催します。

発表者は、経営ゼミナール代表の山本紀久雄です。
photo_yamamoto.jpg

世界の金融危機を契機に、世界中に激震が走って、アメリカのみならず、EUも新興国・産油国も、そして日本も経済大幅減速、というより産業によっては崩壊と表してもよい有様です。
しかし、この混迷・激震もいつかは収束し、収まった後には大変化した世界状況が広がっているはずです。

では、その大変化はどのような展開で示されるでしょうか。
それには、二つの条件を前提に考えることが必要です
一つは、混迷の時代を切り開く新しい価値観を持つリーダーが登場し、そのリーダーシップによって新しい構図の世界が広がっているという大変化。
もう一つは、そうではなく、人間が持っているであろう普遍性ある特質、それが自然発生した結果で生ずる世界が広がっているという大変化。

次に、このいずれの条件下でも大事なことは、日本がどのように対応し、行動していくか、つまり、日本経済の方向性が2009年以降どのように変化していくか。そのところを検討しなくてはならないと思います。
新年の経営ゼミナールは、これらについて皆さんと率直な議論をいたしたく、経営ゼミナール代表の山本紀久雄から問題提起をいたします。

1月19日(月)の経営ゼミナールにおける活発なディスカッションをお待ちいたしております。


1.日時 2009年1月19日(月)
     午後6:00集合(食事を用意しています)
       6:15より開始 
       8:30終了予定です。


2.場所 東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
     千代田区丸の内1-3-1 Tel:03-5252-3791
     東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)
     アクセス:
     http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm

3.テーマと発表者
    テーマ 「2009年の経営への視座」
    発表者  経営ゼミナール代表 山本 紀久雄

* 会費 オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。
* 問い合わせ 
 出欠:編集工房 代表 田中達也 
 電 話:03−6806−6510
 FAX:03−5811−7357(別紙の出欠連絡書をご利用ください)

  →参加お申し込みはこちらから

投稿者 lefthand : 00:31 | コメント (0)

2009年2月例会の予告

2月例会は2月16日(月)です。
講師に、ギリシャご出身のカライスコス・アントニオス氏をお迎えします。
テーマは「EUと日本との関係 -ギリシャが日本に期待するものとは-」です。

ギリシャはヨーロッパである、というイメージが一般的ですが、実際の立地条件はバルカン半島の突端で、回りは近東地域(Near East)のバルカン諸国、トルコ、シリア、エジプトなど旧オスマン帝国に囲まれています。
しかし、ギリシャはEUに2001年1月に参加し、ユーロ貨幣を流通させているようにヨーロッパです。
また、ギリシャはアテネ五輪の効果により観光客が増大、中国経済の活況による海運業界の好況、高い個人消費を背景として高い経済成長率を維持してきましたが、今回の金融危機によってEUは大打撃を受け、それはギリシャにも深刻な影響を及ぼしています。
その意味で、ギリシャを知ることはEU全体を把握することに通じます。
2月16日(月)のカライスコス・アントニオス氏にご期待ください。

(講師プロフィール)
1980年生まれ。
2005年アテネ大学法学研究科修士課程修了。
2004年10月、アテネ弁護士会に弁護士として登録
2006年11月より駐日ギリシャ大使館公式通訳・翻訳者
2007年4月より早稲田大学法学部助手
母国語と同等の日本語能力試験1級のほか、英語は教師資格を持ち、ドイツ語とフランス語もこなす有能な人物です。

photo_antonios.jpg

投稿者 lefthand : 00:22 | コメント (0)

2008年12月20日

2008年12月20日 気持を不景気にしない

YAMAMOTO・レター
環境×文化×経済 山本紀久雄

2008年12月20日 気持を不景気にしない

好景気と不景気の区別

知り合いの税理士さんから連絡がきました。
「私は、単純に株や不動産が上がっているときは好景気。下がっているときは不景気だと思っています。汗をかいて稼いだお金は使わないが、株などで臨時の収入があれば、儲けた人は思いきった消費をするからです。アメリカは、株が悪い時は不動産がよいという具合に、過去には必ず株か不動産のどちらかが上がるように政策をしてきました。ところが、今度だけはうまくいかないのです」 簡単明確でよくわかります。

マクロにだまされるな

再び、同じ税理士さんから連絡がありました。
「どんな好景気の時でも精々6~7割の企業だけが好業績で、全てが好景気になるわけでない。一方、不景気でも3~4割の企業は好景気を維持している。その差は3~4割にしか過ぎない。不況業種といわれているところでも、長年の経験でいいますと、実はいい会社が結構あります。自動車・家電メーカーのように、世界的にシェアが高い会社は、好不況の波に左右されますが、中小企業はどうでしょうか?
一般的に好不況の影響があるほどシェアが高くないので、世間の景気と個々の企業業績は、あまり相関関係がないのが事実です」

データで確認してみると

日経新聞の「核心」(2008年12月8日)で、論説委員の平田育夫氏が、今回の金融危機から、アメリカが保護主義政策をとれば世界中が迷惑すると述べ「最も困るのは外需依存度が高い日本」と断定しています。
保護主義に対する見解には同調しますが、ここで問題なのは「外需依存度が高い日本」という判断です。そこで、外需依存度が本当に日本は高いのか、それをデータで確認してみたいと思います。
まず「外需」とは何でしょう。それは海外の需要のことですから、輸出額のことになりますので、外需依存度とはGDPに占める輸出額の比率ということになります。
そこで、日本の「輸出対GDP比率」を調べてみますと、2006年が15%です。2007年で16%です。
次に、2006年の同データによる主要国を見てみますと、アメリカが8%と低い他は、イギリス19%、ドイツは39%、中国と韓国は37%となっています。
日本の外需依存度はアメリカに次ぐ低さなのです。ということは日本を世界の主要国と比較すると外需依存度が高くないのですから、逆に内需依存型国家ということになってしまいます。このところが、昔から内需を増やせと言われ続けている背景なのです。
日経新聞論説委員の断定はおかしいということになります。

非正規社員解雇問題

次に、今問題となっている非正規社員解雇問題です。
これも日経新聞の報道(2008年12月11日・きしむ雇用)をみますと、事例として建設機械大手のコマツをあげています。
今回コマツは、金融危機後の未曽有の世界需要減少に対応するため、1,500人規模の非正規社員を解雇するとのことです。コマツが海外展開を加速し始めた2003年当時、非正規の期間社員はわずか数十人でした。しかし、新興国のインフラ投資需要の波に乗って、08年までの5年間で約2,000人に膨らんだのですが、それを一気に500人程度までに減らすのです。
また、このように世界各地の需要減に対応して、スピード生産調整を始めたのは、トヨタ、ホンダなどの自動車メーカーからで、部品メーカーを含めれば数万人程度の非正規社員が職を失う見通しだと解説しています。
つまり、今大問題となっている非正規社員解雇問題は、輸出産業に属する企業、それは外需依存の高い企業に集中しているのです。
世界的金融危機は外需依存企業を直撃したことが分かります。

いざなみ景気を思い出すと

いざなみ景気とは、2002年2月から2007年10月までの69ヶ月間に見られた好景気(正式名称、詳細な景気拡大時期は未定)のことです。
名称の由来は、古事記に記された「いざなぎ・いざなみ」による国生みの伝説からで、過去の「いざなぎ景気」よりも上回る記録的な好景気によることから、名称化されたのですが、この「いざなみ景気」は一部企業に好景気の恩恵が集中したことと、2%前後の低い経済成長であったため、史上空前の長い好景気期間の割に「豊かさを感じなかった」というのが特徴といわれています。
そのとおりで、景気のよかったのは一部企業で、その企業とは「海外需要で稼いだ」ところなのです。先ほどのコマツの事例でも、非正規社員は海外展開が進むことで、人員を急速に増やしてきており、その増やしたタイミングは「いざなみ景気」に該当しています。
ということは、外需に関係しない国内一般の企業は、内需だけですからもともと好景気とは関係なかったことになります。
つまり、外需で潤った企業は、前述したようにGDPの16%程度であり、これに当てはまらないGDPの84%の需要をあてに経営していた企業は、ずっと「いざなみ景気」の中でも低成長下にいたということになります。
結局、日本経済は外需依存企業と内需依存企業に分かれていて、金融危機が発生するまでは、外需依存企業の好決算によって、日本の経済成長率が支えられていたのですから、百年に一度というべき未曽有の事態になれば、当然に日本全体の経済成長率は「いざなみ景気」以前に戻ります。
いざなみ景気は2002年2月から始まったその前の年、2001年のGDP実質経済成長率はマイナス0.8%でしたから、当然にマイナス成長になると思います。
何ら不思議でも何でもない現象になるだけです。

再び税理士さんから

景気が悪いといわれていますが、夜の忘年会は盛んなようですし、先日、秋葉原のヨドバシカメラに行き、レジの女性に忙しいですか、と聞いてみますと「先ほどまで大変でした。ブラジルから団体客がきて、その人たちが日本の化粧品を大量に買ったので」と教えてくれました。電気関係の店だと思っていましたら、化粧品もお酒も扱っているのです。
そこで、また税理士さんからご連絡が来ましたのでご案内します。
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶという有名な言葉がありますが、普通は歴史にも経験にも学ばないのが人間です。懲りない人々というのでしょうか。また、置かれている状況も過去とは違いますものね。
前のバブル崩壊を経験した大先輩に『当時、どうでしたか?』と聞いたことがあります。その答えは『あの時は飲まず食わずだったからな・・・。今は贅沢だもんね』という答えでした。
ですから、昔に比べれば経済のベースが格段に違います。前向きにいえば、その経済ベース下の不況であるという事実も考えてください」

気持を不景気にさせないこと

勿論、世界経済の後退が長引けば、外需産業から内需産業へと影響が出てきます。当然です。しかし、内需産業企業はもともと長期に低迷していたのですから、苦しさが増えるかもしれませんが、今までの状態がまだまだ続くのだと考えれば、基調は今まで通りです。
そのところを整理し理解しないと、マスコミ報道が伝える外需産業による不景気ブームに左右され、強い危機感を抱き「気持を不景気」させてしまいます。それが大問題なのです。年末から正月は気持ちを「プラス発想」にし、新年度への期待を考える事です。以上。

【1月のプログラム】
1月09日(金)16:00 渋谷山本時流塾/東邦地形社ビル会議室
1月14日(水)18:30 山岡鉄舟研究会/上野・東京文化会館
1月16日(金)14:00 温泉フォーラム研究会/上野・東京文化会館
1月19日(月)18:00 経営ゼミナール例会/皇居和田蔵門前銀行会館

投稿者 lefthand : 20:24 | コメント (0)

2008年12月16日

12月例会の感想

経営ゼミナール第346回定例会が行われましたので、その様子をご報告いたします。
今回は、セキュアプランナー・京師美佳様をお招きし、お話を伺いました。

reikai_081215_01.JPG

今回のテーマは『セキュリティ(防犯)』。
皆さまのオフィスやご自宅では、防犯対策をなされておられますでしょうか。
一年の内で最も盗難件数が多いのは師走、つまりこの時期なのだそうです。景気の停滞その他の事情で、生活に困窮する人が増え、今まで窃盗犯ではなかった人たちが窃盗に走ってしまうため、なのだそうです。
参加者の方々から「いや実は…」と過去の窃盗被害の実例も飛び出した今回のゼミナール、様々な驚愕の事実が京師氏によって語られました。

**********

reikai_081215_02.JPG reikai_081215_03.JPG
今回の講師、京師美佳氏(左)と、時流講話を発表する山本紀久雄代表(右)。

京師氏はお父上を警察署長に持つ警察一家に生まれ、普通のOLをご経験の後、「鍵師」に憧れ現在のお仕事を勉強されたそうです。
今では教えることを禁じられている「ピッキング(鍵開け)」の講習を受け、鍵開けの技術をマスターしておられます。講演中もその様子をビデオで見ることができました。
その間何と18秒。
驚くべき早業でした。
あっという間にカギを開け、あっという間に金品を奪って逃げる。
その間5〜10分程度。
こんなに効率よく大金を稼ぐ方法は他にないのではないでしょうか。
が、翻って考えると、それ以上時間のかかる盗難は、諦めてしまう泥棒が大半なのだそうです。
ここに、防犯の極意があると感じました。
すなわち、「10分間で侵入し金品を発見し持ち出すことを困難にしておく」ということが、防犯上の重要な点であるということなのです。

reikai_081215_04.JPG reikai_081215_05.JPG
プロジェクターを用いてビジュアルに分かりやすく盗難の手口などを解説していただきました。

「犯罪機会論」なる言葉があるそうです。
泥棒などに侵入される機会を減らすというのが、犯罪機会論です。
これは、事務所や住宅の部材を防犯性の高いものにかえるということもありますが、一方、泥棒に「狙われにくい」環境づくりを心がける、ということも大変重要なのです。
例えば、玄関に綺麗な花壇を並べ、道行く人に立ち止まって見てもらうようにしたり、家の前にベンチを置いてひと休みしてもらったり、家の前に常に人の目があるようにするというのも有効な手段なのだそうです。
また、家の前のゴミ置き場が荒れ放題になっていたり、窓ガラスが割れたまま放置していたりすると、管理意識の低い家だという印象を与え、泥棒に狙われやすくなるのだそうです。防犯設備を整えることばかりがよいのではなく、まずは防犯に対する意識を変えること。このことが最も重要で、かつ今からでも始められることだということを教えていただきました。

reikai_081215_06.JPG reikai_081215_07.JPG
reikai_081215_08.JPG reikai_081215_09.JPG

今回は私たちの身近な話題ということもあって、非常に活発な意見交換が交わされました。
実際に被害にあった参加者からも寄せられましたが、泥棒は事前に下見を行っていることが多いのだそうです。
例えば、犯行の前に一度家に侵入し、家族のスケジュール一覧などを見て留守の日を確認する、じっと家の前を張り込んで、何時ごろ出かけるのかを確認しておく、ピンポンを鳴らして在宅か留守かを確認する、などです。非常に周到な調査をしているそうです。

「計画を遂行するには、事前の周到な計画と下準備が必要である」

これが、泥棒に学ぶ経営の極意だ。
山本代表の言葉で締めさせていただいた、今回の例会でした。

**********

2008年の経営ゼミナールはこれにて終了です。
本年も多くのご参加に感謝申し上げます。
2009年も様々なことを皆さんと勉強していきたいと考えております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

(田中達也・記)

投稿者 lefthand : 07:19 | コメント (0)

2008年12月07日

【号外】12月例会のご案内

12月の例会は、12月15日(月)に開催します。

講師には大阪から「セキュア・プランナー」で、「錠前師資格・防犯設備士」の京師美佳(きょうし みか)氏をお招きいたしますが、京師さんから皆さんに特別メッセージが届きました。
photo_kyosi081215.jpg

**********

「ご存じのとおり、元厚生次官らの連続殺傷事件、犯人とされる小泉毅容疑者の動機については不可解なものがあります。34年前の愛犬処分の恨みということですが、それが今になってどうして残虐な事件に結びつくのか、その真相解明につながる見解を皆さんにお伝えしたいと思います」

以下は京師さんの2008年12月6日のブログです。

昨日は一日嫌な雨でしたね^‐^;
今日はかなり冷えるそうです。。。
大阪でも、雪が降る所もあるとかって!

そりゃ寒いわ><!

いっきに真冬になりましたね!
アトム(注 愛犬)なら、こんな時は絶対にお散歩行けなかったな(笑
寒いのも暑いのも苦手な子だったので^^;

今日は、兵庫県加古川市に、講演に行ってきます^0^
加古川市と言えば、小学生の女の子が玄関前で殺されるという悲しい事件がありましたよね。。。
まだ犯人も捕まってないので、街の皆さんは、心配されていると思います。
多少、準備不足がありますが、一生懸命お話させていただいてきま〜す♪^‐^

【問題】
1.ガラス破りで一番被害の多い手口は?
  A 打ち破り
  B こじ破り
  C 焼き破り
2.泥棒に一番狙われる時間帯は?
  A 8時〜16時
  B 17時〜0時
  C 1時〜7時
3.泥棒被害が一番多いのは?
  A マンション
  B 戸建
  C 事務所
4.侵入手口で一番多いのは?
  A 鍵破り
  B ガラス破り
  C ドア破り
5.犯罪が一番多いといわれる月は?
  A 12月
  B 1月
  C 2月

皆さ〜ん、いかがでしたか〜^0^♪
今回もひねりはありませんよ♪
頑張ってくださいね〜♪
答え合わせは例会で^@^♪♪
お楽しみに〜♪
マジで!(‐。‐)

**********

経営ゼミナールが楽しくなりそうです。


【日時】 2008年12月15日(月)

18:00 集合(食事を用意しています)
18:15 山本紀久雄代表の時流講話 
20:30 終了予定

【場所】 東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
     千代田区丸の内1‐3‐1 Tel:03‐5252‐3791
     東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)
     アクセス:
     http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm
【テーマと講師】
  「ここが危ない・・・経営者のいまどきセキュリティ対策・・・」
   セキュア・プランナー・錠前師資格・防犯設備士
   京師美佳(きょうし みか)氏

   →http://www.kyoshimika.com/

(京師美佳氏の略歴)
高卒後、百貨店のエレベーターガール、商社の営業職に就き、2001年3月錠前師資格取得。町の鍵屋さんではなく、トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。法人営業部の責任者を務める中、2002年10月防犯設備士取得。その後は、防犯ガラスメーカーに勤め、セキュリティ事業部長、そして、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。
2005年5月独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、テレビ・新聞・雑誌など、多方面で現在も防犯の啓蒙活動及び、建物の防犯診断、各種企業の防犯プロデュースを行っている。


【会費】 オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。

【問い合わせ】
出 欠:編集工房 代表 田中達也 
電 話:03-6806-6510
FAX:03-5811-7357

→参加お申し込みはこちらから
 http://www.keiei-semi.jp/zemi_reikai.htm


12月例会に、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。

投稿者 lefthand : 17:39 | コメント (0)

2008年12月05日

2008年12月5日 ブレない生き方

YAMAMOTO・レター
環境×文化×経済 山本紀久雄
2008年12月5日 ブレない生き方

麻生首相対小沢代表

11月28日(金)15時、NHKテレビの前に座りました。麻生首相と民主・小沢代表との党首討論です。攻めたのは小沢氏で「二次補正を今の国会に出さないのは国民への背信行為だ」「出さないなら直ちに解散・総選挙で審判を仰げばよい」。対する首相は「政党間協議をお願いしたい」と防戦一方でした。

結果は内閣支持率の急落。日経新聞世論調査によりますと、とうとう31%しか支持がなく、不支持は62%となり、首相にふさわしい人でも、麻生首相は前回調査の36%から17%に急落し、発足二カ月で早くも失速状態に陥ったのです。
その始まりは10月30日に、麻生首相が27兆円規模の追加経済対策を公表した際に「政策を実現して国民の生活不安にこたえることが優先順位の一番だ」と強調し、衆院解散の先送りを表明しましたが、この時は世界金融危機であり、日本経済も深刻な後退局面に入っているので、首相の判断はやむを得ないと受け入れられましたが、その後がいけません。定額給付金あたりから発言がブレ出し、迷走状態となってきて、与党内に「二次補正を今国会に出したら、民主党の攻勢に立ち往生する」という警戒心が生じ、今回の党首討論防戦発言につながったのです。しかし、解散権が封じられた国会運営は難しい、このことは福田政権で証明済みで、麻生首相はブレによって黄色信号となりました。

里見香奈

将棋の女流タイトル「倉敷藤花」を、島根県出雲市に住む高校二年生16歳の里見香奈さんが獲得しました。史上三番目の若さです。
「倉敷藤花」とは倉敷市出身の大山康晴十五世名人の功績をたたえ、平成5年に創設された女流プロ棋士全員参加の、日本将棋連盟女流公式タイトル戦で、「藤花」という名称は、倉敷市の市の花が藤の花であることにちなんで名付けられました。
里見香奈さんの将棋は、鋭い終盤力に定評があり「出雲のイナズマ」との異名を持っていますが、このニューヒロインの誕生について、女流棋士の高橋和さんが里見さんとの出会いを含めて、以下のように論評しています。
「初めて出会ったのは、私が出雲で行われたイベントに参加した時のことだった。大人たちに交じり、可愛らしいおかっぱ頭の女の子がお兄ちゃんに手を引かれ指導対局にやってきた。確か六枚落ちのハンディで対戦したように記憶している。
指導対局の後に行われた立食パーティーの席で『どうやったら強くなれますか?』と聞いてきたので『一日一題でいいから毎日詰め将棋を解いてごらん。そしたらきっと強くなるよ。できるかな?』こう言うと彼女はコクリとうなずいた。
それから数カ月たったある日、将棋連盟宛に一通の手紙が届いた。鉛筆で書かれた差出人の名は里見香奈、彼女だった。『ちゃんとやくそくまもって毎日詰め将棋をといています。大会でゆうしょうもしました』早速彼女に返事を出した。『優勝おめでとう。約束を守ってくれてとってもうれしかったよ』と。その後、彼女は12歳という若さでプロの道へと進んだ。勝負への執念と日々の努力、これは彼女の才能であり、誰でもできるわけでないが、彼女は今でも毎日詰め将棋を解いているという」。誠にブレない実例です。

ユニクロ

このところユニクロだけが業績よく、不景気の11月なのに国内既存店売上高が前年同月比32.2%増には驚きです。衣料品業界は「昨年の冬は大寒波の厳寒で、冬物衣料全般の売上が好調だったが、今年の冬は暖冬で、そのため冬物衣料の売上が不振だ」というのが一般的な業界見解で、百貨店、スーパー、専門店を問わず衣料品の販売不振は深刻になっている中、ひとりユニクロだけが快調なのです。
ユニクロは海外でも好調ですが、ニューヨークで体験したことを報告いたします。
昨年の6月、新規出店したソーホーのユニクロの入り口に立って驚きました。店舗があまりに素晴らしいことと、店内に客が殆どいないことに・・・。
同じ時間帯で比較してみようと、ユニクロから三店離れた50メートル先のH&Mに入ってみますと、客が結構います。H&Mは日本で先般東京・銀座に一号店を出し、長い行列が連日続いて話題となりましたが、世界中の国々に出店して成功しています。
ユニクロはNY初出店に賭け、膨大なお金を投入し宣伝をしました。それも日系媒体関係にはPRせず、アメリカ人向けの媒体に力を入れていたのに、現地人の客が少ない実態を目の前にし、これはユニクロの海外展開は難しいのではと思ったのが昨年でした。
再び、今年の10月末、今回はどうだろうとユニクロの入口に立って大変驚きました。客がいっぱいなのです。若い人もいますが中高年が目立ちますし、男性がコートを選んでいまして価格を見ると99ドル、同品の日本での価格は3990円ですから倍以上に設定しています。また、試着室前にも、レジ前にも列ができています。昨年とは雲泥の差です。
NY在住者に聞きますと、ユニクロ大好きという人が結構多いとのことで、受け入れられたらしいことが分かりました。この時も50メートル先のH&Mにも行ってみましたが、ここは昨年と同じ程度の客数で、黒人が多いことが目立ちました。
ユニクロのビジョンは「世界中にビジネス展開するグローバル企業になって、2010年に1兆円の売上と、1500億円の経常利益をあげ、最終的に世界一のアパレル小売企業になる」というもので、柳井正会長兼社長によって世間に明言されています。
日本企業が世界に通用していない代表業界はアパレルです。しかし、参入障壁の高いNYでの成功実態をつぶさに見て、これはひょっとしたらユニクロが初めて世界的アパレル企業となり、世界一というビジョンを達成するのではないかと思い、一時の低迷状態からユニクロが脱皮できたのは、柳井正会長のブレがないビジョン明言力と思いました。

日本航空

ニューヨークのシンクタンク、外交問題評議会(CFR)が開催した日米関係をテーマにしたセミナーが大盛況で、竹中平蔵・元金融担当相などが出席し「近年、日本がらみの講演会でこんなに集まった例はない」(日本総領事館)とのことですが、日本の「失われた10年」は思わぬところで人気となりました。
人気といえば日本航空(JAL)の西松遙社長兼CEOも米国で評判です。CNNが11月に「米国の高級CEOと日本の質素なCEO」という視点でJALを取り上げ、その内容は、米議会で財政支援を求めている企業のCEOが「年収2億ドル(約2億円)」なのに、西松社長は年収が960万円で、パイロットの平均年収1954万円の半分であることと、都バスで出勤し、社員食道の列に並んで会計し昼食をとり、社長室、役員室を無くし「大部屋」で仕事していることなどですが、これがユーチューブ(米ネットベンチャーYouTube社が運営する動画コンテンツ共有サイト)にも転載され、12月3日現在約7万回再生され、コメントも120以上寄せられているのです。
この西松社長、2006年に社内クーデターで新町敏行前社長が退陣する抗争劇の中、消去法で選ばれた非主流派財務畑の人ですが、就任後はトラブルが急減少しています。
このことは長いことJALを利用し、今年も既に21回搭乗していますからよく分かります。また、機内で客室乗務員に尋ねますと「西松社長になってから仕事がやりやすくなった」と何人も発言します。西松社長の方針は「シェアを取りに行く経営でなく、いいサービスを必死で作り、それを評価してくれるお客様を大事にするビジネスを展開する」というもので、この方針で経営を進めているブレない事例と思います。

ブレない人物の代表は鉄舟

11月29日に明治神宮で開催された山岡鉄舟全国フォーラムでお話ししましたが、ブレない生き方の代表例は鉄舟です。
鉄舟は15歳で「修身20則」を定めた以降、その後の剣・禅・書三位一体の修行過程で気づいたことをいくつも書きとめ、それを自己の生き方指針としました。
その代表的なひとつに23歳の時に書いた「心胆練磨之事」があり、その中で「私は小さい時から心胆練磨の事をいろいろ工夫してきたが、今になっても真理をつかむことができない。自分の熱意が足りないからであるから、今まで書きとめた指針を何回も読みなおし、自分を励まし、さらに勤勉に心胆練磨の源に到達したい」と述べ、そのとおり厳しく人間真理探究修行を続けた結果、45歳の明治13年(1880)3月30日払暁大悟し、境地に達し、明治時代を代表する何事にもブレない偉大な人物となり得たのです。
時代に適合した妥当なブレない指針を持つこと、これが生き方の要諦と思います。以上。

(12月のプログラム)
12月12日(金)16:00「渋谷山本時流塾」於:東邦地形社ビル会議室
12月15日(月)18:00「経営ゼミナール例会」於:皇居和田蔵門前銀行会館
12月17日(水)18:30「山岡鉄舟月例研究会」於:上野・東京文化会館
12月19日(金)14:00「健康と温泉フォーラム」於:上野・東京文化会館

投稿者 lefthand : 08:10 | コメント (0)

2008年12月01日

12月の例会ご案内

12月の例会は、12月15日(月)に開催します。

講師には「セキュア・プランナー」であり、「錠前師資格・防犯設備士」でもある京師美佳(きょうし みか)氏を大阪からお招きいたします。

「セキュア・プランナー」とは聞きなれない言葉ですが、“安全の建築家”、“安全の設計者”という意味で、防犯の啓蒙活動及び、建物の防犯診断、各種企業の防犯プロデュースなどについてテレビ・新聞・雑誌などを通じて、安全に対して新しい取り組み提案をされていますが、京師氏がご登場された背景には以下の時代変化があります。

1.「犯罪者には最高に犯行を行いやすい環境が形成されたこと」
  今の人々は他人のことに無関心過ぎる。
  互助の気持ちの欠乏か、もしくはまったく存在しない。
  特に、共同住宅では、誰が隣に住んでいるかも知らない状態。
2.「犯罪者像の変化」
  全犯罪の過半数以上は、低年齢化による少年犯罪と外国人犯罪。
  不特定多数犯罪社会になりつつある。
3.「IT技術によるハイテク化、高速化と海外からの操作」
  いつの間にか自分の周りにどこからともなく犯罪者が侵入してくる。
  知らない間に身の回りに得体の知れない、予測できない犯罪が発生する。
  国民貯蓄がもっとも豊かだと世界中から認識されている。

京師美佳氏には、これら身近な犯罪、IT犯罪、近未来発生すると予測される新たな犯罪について、その内容解説と実践的な防衛方法について発表していただく予定です。

12月の年末の時期に、セキュリティーについて学び、新年度に備えることは大変よいタイミングではないでしょうか。

参考になる情報が一杯でございます。12月15日(月)の経営ゼミナールをご期待いただきたいと思います。


日時 2008年12月15日(月)
   午後6時集合(食事を用意しています)
   6時15分より山本紀久雄代表の時流講話 
   8時30分終了予定です。

場所 東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
   千代田区丸の内1-3-1 Tel:03-5252-3791
   東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)
   アクセス:
   http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm

テーマと講師
   「ここが危ない・・・経営者のいまどきセキュリティ対策・・・」
    セキュア・プランナー・錠前師資格・防犯設備士
    京師美佳(きょうし みか)氏

(京師美佳氏の略歴)
高卒後、百貨店のエレベーターガール、商社の営業職に就き、2001年3月   錠前師資格取得。町の鍵屋さんではなく、トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。法人営業部の責任者を務める中、2002年10月防犯  設備士取得。その後は、防犯ガラスメーカーに勤め、セキュリティ事業部長、そして、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。
2005年5月独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、テレビ・新聞・雑誌など、多方面で現在も防犯の啓蒙活動及び、建物の防犯診断、各種企業の防犯プロデュースを行っている。

* 会費 オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。
* 問い合わせ 
  出 欠:編集工房 代表 田中達也 
  電 話:03−6806−6510
  FAX:03−5811−7357

  →参加お申し込みはこちらから

投稿者 lefthand : 21:51 | コメント (0)

2009年度正会員へご継続・ご入会のお願い

2009年度正会員へご継続・ご入会のお願い

今回の金融危機は世界全体に改革・変化を促しています。

1.まずはアメリカですが、アメリカは今までのレバレッジ的ビジネスモデルを変えざるをえないと思います。インベストメントバンクがレバレッジで大傷を負い、個人消費もサブプライムローンというレバレッジ的投資で低迷化、国も世界中からお金を還流させていたレバレッジシステムが壊れたのです。結局、過去の成功体験が金融危機を発生させたのですから、全体のビジネスモデル再構築が課題でしょう。

2.次は世界全体ですが、11月の金融サミットに20カ国が参加したということは、アメリカの経済的地位の劣化であり、これからは多数国によって世界経済が運営され、主導権を争う多様な駆け引きが展開されていくという意味であり、それを予測していたように映画「レッドクリフ」(三国志)がヒットしていることに唸らされます。

3.最後は日本ですが、円高は国内金融資産の価値を相対的に上昇させます。このタイミングに世界中から日本にお金を還流させ、日本が勝ち組になる仕組みが構築できるか。その一点に日本経済の行方がかかっています。

ということで2009年は、一瞬たりとて世界の状況変化から眼が離せません。眼を離すと一瞬にして変化に対応できなくなり、負け組になる可能性が高いと思います。
今年の経営ゼミナールはこの視点から、国内外から様々な立場の論客を招き、国内の勝ち組企業の現場視察などを、例年に増して推進してまいります。

皆様が経営ゼミナールの正会員になられますことをお待ちしております。

→正会員へのお申し込みはこちら

投稿者 lefthand : 21:50 | コメント (0)

1月例会の予定

新年最初の例会は1月19日(月)に開催いたします。

ここ数年、著名な経済エコノミストも、経営ゼミナールの山本紀久雄も、予測を大きく外しています。
例えば、2007年の始まりでは、誰が7月のサブプライムローンの大問題を的確・妥当に問題視していたのでしょうか。

勿論、サブプライムローンの存在そのものを危ぶむ声はありましたが、その中身がこれほどメンチカツ化されているという指摘はなく、発生してみて全員びっくりというのが実態でした。
さらに、2008年の始まりでは、サブプライムローン問題はあるものの、年後半には中国を始めとする新興国経済の好調が続く「デカップリング」論が幅を利かしていました。だが、今では「デカップリング」論は消えうせました。

このように経済予測は当たらないのですが、しかし、当たらないからと言って「経済予測」をしなかったらどのような問題がおきるのでしょうか。
それは羅針盤なき経営ということになるでしょう。問題は常に予想外に発生するものです。また、問題の多くの発生源は海外にありますから、適切・妥当な予測は難しいのですが、それでも何らかの手段を講じてあえて予測することが必要で、例え、その予測が外れたとしても、その予測があったからこそ、外れたということが分かるのです。

という前提で、今年も経営ゼミナール代表の山本紀久雄が、大胆に2009年を予測いたします。

テーマは「2009年の経営への視座」です。

様々な視点から予測を展開いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。

投稿者 lefthand : 21:48 | コメント (0)