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2007年02月25日

本と出会うに登場します

山本代表が「本と出会う」に登場します 
 
東京放送TBS系列「本と出会う」30分番組に、前半は「フランスを救った日本の牡蠣」の著者として、後半は城野宏先生の「脳力開発のすすめ」の解説で山本代表が出演いたします。   

放映は以下の日時です。       

3月3日(土) CS「TBSバラード」11時30分
3月4日(日) BS「BS-i」7時30分、
         CS「TBSバラード」11時30分

投稿者 Master : 09:30 | コメント (0)

2007年02月24日

2007年4月例会の予定

4月の経営ゼミナールは、4月16日(月)に銀行倶楽部に戻りまして、通常例会を開催いたします。

 海外に渡航する日本人は年間約1780万人(2000年統計)に達しました。その後、当時多発テロ、イラク戦争、SARSや鳥インフルエンザなどで一時的に減少しましたが、2005年には1740万人もの人が海外に出かけています。
 個人旅行や家族旅行で海外へ出かける人が多くなる一方で、海外で日本人が巻き込まれる事件や事故も増えています。日本大使館や総領事館に助けを求める人の数は毎年1万7000人強を数え2003年2月の外務省の調査では、海外旅行者の6人に1人が海外で何らかのトラブルを経験していると回答しています。

 言葉も違い、助けてくれる知り合いもいない海外では、自分自身でトラブルに対処しなければなりません。旅行先でのトラブルを防ぐために、十分な安全対策が必要です。

 4月の例会では、日本企業の海外リスク管理担当者として、活躍した浅沼賢氏をおよびして、「世界で、そして日本であなたを守る900のノウハウ」と題しまして、発表していただきます。

 ぜひ、4月16日(月)もご予定をいただきますようお願いいたします。

投稿者 Master : 12:00 | コメント (0)

3月の例会のご案内

3月の経営ゼミナールは、3月19日(月)に開催いたします。
今年の経営ゼミナールの方向性は、3つございました。
1.経営現場実態をつかむ
2.世界から日本を見る
3.時代の動向分析

3月は、温泉旅館と裁判所という現場こそ違いますが、日本の社会が変化する方向性を現場でつかむということで、東京地方裁判所を会場として、裁判員制度について研究をいたします。

平成21年(2009)より、日本国民の義務としての司法参加がスタートします。
「あなたも裁判員!」平成21年、国民みんなの裁判がスタートします!
     http://www.moj.go.jp/SAIBANIN/
とHPやポスター、テレビなどを通じて積極的にPRを図っていますが、関心を示さない傾向があります。
しかしすべての人が義務付けられ、裁判員に選任されますと、如何なる理由を述べても拒否は出来ず、経営者であっても社業を理由に拒否できず、裁判が終わるまで裁判所に通うことになります。
そこで、事前に刑事裁判とはどのように行われているか、実際に東京地方裁判所で刑事裁判を傍聴し、その後に裁判員制度についてレクチャーを受けます。

 ぜひ、将来に備えて、3月19日(月)の例会にご参加されますようご案内申し上げます。


1.日時 平成19年3月19日(月)
14:30        東京地方裁判所 正面玄関ロビー集合
        
15:00~16:00  刑事裁判傍聴
16:00~17:00  裁判員制度についてレクチャー
17:00        終了
  
*尚、終了後は、ゼミナールの負担で銀座方面で懇親会を開催いたします。

2.場所
  「東京地方裁判所」
   〒100-8920 千代田区霞ヶ関1-1-4
    電話:03-3581-2295(担当:近藤様)
    代表電話:03-3581-5411
 *最寄り駅
  東京メトロ丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」 A1出口から徒歩1分、
  東京メトロ有楽町線「桜田門駅」 5番出口から徒歩約3分

*集合場所  
正面玄関を入り、荷物検査を受け、そのまま前方に進みますと ピンクのソファがありますので、こちらにご集合願います。 

3.テーマと講師
「裁判員制度を知る」
   
注意事項
*裁判の傍聴につきましては、優先者は事件の関係者であり、又入室人数に限りがあります。そのため同じ裁判を全員が一緒に聞くことができません。いくつかに分かれて、刑事裁判を傍聴していただくことになります。
*裁判所敷地内では、写真撮影、録音などはできません。
*法廷内及び法廷前の廊下では、私語を慎み、静かに願います。
*法廷に入る前には、携帯電話の電源を必ずお切りください。
*様々な事件の関係者が、裁判所の敷地内にいると思われますので、
敷地内では十分に周囲に気をつけてください。

3月19日(月)開催の例会に、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。


本サイトの参加申込フォームよりお申し込みください。
http://www.keiei-semi.jp/zemi_reikai.htm

投稿者 Master : 10:53 | コメント (0)

2007年2月20日 主因は内因にあり

環境×文化×経済 山本紀久雄
2007年2月20日 主因は内因にあり

伊古奈で感じた内的世界
二月の経営ゼミナールは、静岡県南伊豆町の下賀茂温泉「伊古奈」で開催しました。ちょうど桜と菜の花祭りのタイミングで、大勢の観光客が訪れていました。
伊古奈といういかにも古式ゆかしいネーミング、その通りで日本の神話が背景にあるのです。この世をおつくりになった天の常立の神、その七代目のイザナギ・イザナミからお生まれになった天照大神、月夜見命、スサノオノミコト。このスサノオノミコトの五代目が大国主命となって日本を治め出雲に地に、そこへ天照大神によって国譲りが命じられ、それに従ったのが大国主命の長男である事代主命。国を譲った事代主命は、伊豆で再生し三島明神となり、その御后が白浜神社の祭神、伊古奈なのです。

古代の人々は、すべて神話とともに生き、その神話を信じて生き、自分の住む世界と、神話の世界が調和し、神話の世界から発した世界観で、自らの内部と、外部の自然現象を調整することが、何の疑問もなく行われていました。
ところが、今の現代人は、これが逆転しています。外的なことに対しては、様々な術と技で上手に対応していますが、内的な落ち着きを失っている毎日です。
しかし、伊古奈の1.5万坪敷地から発する源泉露天風呂、銀河の湯に入り、思いきり四肢を伸ばすと、何ともいえない気持ちよさになり、自らの内的世界に浸り、埋没でき、古代人に戻ったような気になります。

武士の一分
「ゲド戦記」「海猿」等がヒットし、邦画のシェアが洋画を昨年追い越しました。21年ぶりのことです。そこで、元気な邦画を見ようと「武士の一分」、木村拓哉主演を見に行きました。
山田洋次監督、さすがに泣かせます。藤沢周平の小説を舞台に、主人公の毒見役三村新之丞が毒に当たり、盲目となって、それを回復させようと妻の加世、これは宝塚出身の檀れいですが、裸足で神社にお百度参りします。神の加護に頼る姿が、痛々しくも嫋やかで凛凛しい美しさです。最後は加世を手篭めにした大番頭、坂東三津五郎と武士の一分の果し合い、盲目剣谺(こだま)返しで倒します。一瞬の殺陣です。
三村新之丞の食事、麦飯とお椀と一品、芋の煮物が好物だと語ります。里芋の茎ずいきですが、自分の好みと同じだと妙に納得しました。
それ以上に納得したのは、日本の神社仏閣が多い理由です。日本人は古代から、病気、怪我、不幸があると、それは祟り、怨霊、悪霊、物の怪が降り懸かってきたのだと思い、その解決には神仏の加護に頼ったのです。特に、疫病が多かった古代、日本書紀にも「国内に疫病多く、民の死亡するもの半ば以上に及ぶ」という一文もあるように、医学が発達していなかった当時では、神仏に頼るのは当然といえ、結果的にいたるところに神社仏閣が発生し、そこへのお参りという行動は、必然的に「自己の内部への洞察力」を深めていくことになり、結果的に内的面の訓練がなされていきます。

ベトナムの「カワイイ」
「クールジャパン」の流れは、今や「カワイイ」を国際語にしようとしています。
前回、お伝えしたベトナム女性の可愛い美しさ、世界でも一級と思いますが、しかし、この「カワイイ」女性たちの大好物が犬肉であると聞き、一瞬自宅のビーグル犬を思い出しました。朝夕の散歩時に、尻尾を縦横左右に振って、とても「カワイイ」ビーグル犬です。名前はココロと言います。
 そのココロと同類の「カワイイ」犬が、ハノイの市場で、毛を剥がされ、尻尾が小さくついたままで、戸板の上に盛られています。ベトナム語で犬肉はThit ChÓティト チオーといい、プロティンが多く、腹持ちがし、味は牛より豚に似ているらしく、筍とのスープ、蒸す、春巻きに入れる、焼いて食べる、煮物、鍋、串焼き等なんでも美味しいらしいのです。
いずれ世界の動物愛護団体から禁止勧告受けるだろう。と犬肉売り場に同行してくれた「カワイイ」ベトナム女性に毒突きましたが、彼女は「美味いものは美味い。大好物だ」と譲りません。
 この「カワイイ」ベトナム女性と一緒に、ハノイで一番という幼稚園を訪問いたしました。幼稚園の各教室では、子ども達が皆穏やかに先生の話を聞いています。服装を見ると整っているし、躾もよさそうですし、学習と遊びの設備も整っています。
ある教室では、イギリスから買った英語教育スライドで、3歳児がABCを声合わせて歌っています。3歳から英語を勉強しているのです。それらを見ていると、世界のどこに出しても一流と思える幼稚園だと思い、また、3歳児達がとても「カワイイ」ので、それを伝えようとすると、「カワイイ」とは言ってはいけない、禁句なのだと言うのです。
エッ、「カワイイ」と言ってはいけないのか、とまじまじと同行の女性を見詰めてしまいます。ベトナムのマナータブーで、子どもを誉めてはいけなく、誉めるとよくないことが起きると言われているのです。田舎に行くと名前も綺麗なものはつけないそうです。つまり、「カワイイ」と言う表現はあまりしないのです。
その理由は、昔は医学が進歩していなかったので、子どもが亡くなることが多く、昔の人々は神様がそうさせるのだと思い込み、神様に怒られるようなことはしないようにする風習が発したことから、子どもを誉めないことになったと解説してくれます。しかし、今は医学が進歩し病気は少ないのだから、良いこと行った子どもは誉め、かわいい子どもはかわいいというのが自然であるので、今後はこのような迷信は徐々に消えていくだろうとも解説してくれます。
「クールジャパン」の「カワイイ」が、ベトナムで国際語となるのは他国より時間がかかるでしょうが、ここでも昔から病気、怪我、不幸があると、それは祟り、怨霊、悪霊、物の怪が降り懸かってきたのだと思い、その解決を神様に頼ったことが分かります。外的要因を内的に捉えていたのです。

メジャーリーガー
アメリカ・メジャーリーグ、アナハイム・エンゼルス球団職員のタック川本さんにお会いし、2002年にワールドチャンピオンになった、その記念のリングを指にはめさせてもらいました。チャンピオンリングに触れると、幸運が訪れると言われています。
それも正しい運ということです。何が正しいかは、その言葉を受け取るこちらの判断で変わりますが・・・。
タック川本さんからいろいろお伺いしましたが、とても強く感動したことに「メジャーリーガーとして成功する為には、毎日、四食食べること」という言葉でした。
人はたいてい三食です。時には一食や二食の人もいますが、通常は三食です。しかし、メジャーリーガーは四食という意味、そのうちの一食とは何か。
それは「一日終わって寝る前に、必ず、野球以外の知識を食べろ」ということなのです。アメリカではメジャーリーガーは社会の規範的人物です。子供たちの夢の実現者であり、多くのファンの憧れの対象です。そういう立場であるからこそ、自らの行動は社会規範に違反しないこと、社会人として正しい行動がとれる人物になること、それが要求されるのです。その要求に応えるには、自らの内部、内的面の訓練が必要なのです。
バットと、ボールの扱いに優れている。これだけでは一流のメジャーリーガーと認定されないのです。もう一つ、人間として正しい姿が必要であり、この人間力無き選手は大成しないというのです。なるほどと思うとともに、人間にとって、いかに内的面の訓練が重要であるか、それをメジャーリーガーの事例は語っていると思います。

主因は内因にあり
自らの内的面を鍛えるには、その為の前提思想が必要と思います。それは、自分に発生するすべての現象に対して「主因は内因にあり」と考えることではないかと思います。

本と出会うに登場します
 東京放送TBS系列「本と出会う」30分番組に、「フランスを救った日本の牡蠣」の著者で出演いたします。3月3日(土)CS「TBSバラード」11時30分、4日(日)BS「BS-i」7時30分、CS「TBSバラード」11時30分です。以上。
(3月5日号は海外出張のため休刊です)

投稿者 Master : 10:31 | コメント (0)

2007年02月22日

下賀茂温泉 伊古奈女将 吉田房子氏

経営ゼミナール ワイポイントレッスン 2007年2月18日 
下賀茂温泉 伊古奈女将 吉田房子氏

早めに伊古奈に着き、銀河の湯露天風呂に入る。源泉が湧き出し、流れ込んでくる近くで思いきり四肢を伸ばし、目前の苔むした岩から樹木を眺めていると、頭が自然に上空に向く。1.5万坪の敷地から発する伊古奈の神話が、湯煙とともに天空に向い、それが星空の輝きを、ひときわ増している。そのように感じてならない神秘的な銀河の湯。

ここには伊古奈の物語が詰まっている。古代の人々は、すべて神話とともに生き、その神話を信じて生きてきた。自分の住む世界と、神話の世界が調和し、神話の世界から発した世界観で、自らの内部と、外部の自然現象を調整することが何の疑問なく行われていた。

ところが、今の現代人は、この反対側に立っている。外的なことに対する様々な術を知り、変化に対応する技を持ち、同時性スピードで流れている情報をつかもうとパソコンに向い、外的な面では上手に対応しているが、内的な落ち着きを失っている。
だから、時に、予想もつかぬ大事件、大問題が発生すると、その外的要因に対する内面の調整がうまくいかず、結果として自己心理破綻を起す場合が多々発生している。

どうしたらよいのか。それには伊古奈物語を参考にすることである。伊古奈には神話が詰まっている。伊古奈を語るためには、日本の成り立ちから理解しなければならない。世界をお造りになった天の常立の神、その七代目のイザナギ・イザナミからお生まれになった天照大神、月夜見命、スサノオノミコト。このスサノオノミコトの五代目が大国主命となって日本を治め出雲の地に、そこへ天照大神によって国譲りが命じられ、それに従ったのが大国主命の長男である事代主命。国を譲った事代主命は、伊豆で再生し三島明神となり、その御后が伊古奈で白浜神社に祭られている。

伊古奈に一歩入り、伊古奈という名を口にすることは、DNAとしての日本神話を語ることにつながって、それは外的から内的世界への転換になる。日頃は外的世界対応のみで生きている自分が、知らない間に内的世界に入っているのである。だから、伊古奈に入ると落ち着くのである。

伊古奈から学ぶことは、神話の心理学である。古代の人々は、すべて神話とともに生き、その神話を信じて生きてきた。今は、一人一人異なった外的対応に追われている。しかし、だからこそ、各個人が自分の生活に関わりのある神話、それを探り、求め、自らの背景に持つべきでないか。という今の時代の生き方を教えて頂いたと思う。 以上。

投稿者 staff : 15:25 | コメント (0)

2007年02月05日

2007年2月5日 日本のソフトウェアパワーの原点

環境×文化×経済 山本紀久雄
2007年2月5日 日本のソフトウェアパワーの原点

伊勢神宮

今年の初詣は伊勢神宮でした。前日に内宮近くの神宮会館に宿泊し、早朝、大浴場にて斎戒沐浴し、6時半から神宮会館職員のご案内で参拝いたしました。
伊勢神宮には安倍総理と閣僚も参拝し、多くの日本人が一度は訪れる日本の原点神社です。今までに何度かお参りいたしましたが、この度も鬱蒼とした木々と、清らかな五十鈴川の水、簡素で神々しい美しさの内宮に、早朝の寒気も気にならない感動を与えられ、日本人でよかったと、本当に思いました。

内宮とは正式名称を豊受大神宮と称し、天照大御神をお祭りしてあります。ご存知の通り20年ごとに行われる式年遷宮により、既に62度の御遷宮を行っていますから、1240年という長き伝統が続いています。式年遷宮は内宮だけでなく、外宮やいくつもある別宮、さらに装束や神宝にいたるまで、すべて20年ごとに造り替えられます。
その意味を解釈すれば、頑丈な建物を造って長もちさせるという、いわばハードウェア重視ではなく、20年ごとの式年遷宮という取り壊しと建て替えによって、古来から伝わる技能や伝統を後の世代につなげていくということ、つまり、日本のソフトウェアを保つという意味が、伊勢神宮の中に保たれていると考えます。

ベトナム・ハノイの交通状況

1月はベトナム・ハノイに参りました。夜遅くノイバイ空港に着き、翌朝、ホテル
12階の部屋から見下ろした道路は、センターライン無視のオートバイ大集団と、その間に挟まれた車とが、蟻のように黒い集団となって、蛇のようにうねり重なって交差点を曲がっていく姿、これに大変驚きました。世界で最も酷いと思い、ふと、以前、皇居を参観したときを思い出しました。皇居前広場に日本人も外国人も整然と四列に並び、皇宮警察官に引率され、桔梗門から皇居内に入って、四列が少しでも乱れると、すぐに注意されるという整列歩行が行われています。しかし、ここハノイは皇居参観と正反対で、交通ルール無視の運転と騒音が道路に溢れています。
ベトナム人は何か大きな不満足があると思います。1975年4月30日のサイゴン没落によって、ベトナム戦争に勝利し終結させ、その後の経済発展によって、食べるものも、着るものも豊かになり、都市家庭にはテレビも、水洗トイレも常備されましたが、まだ大きな何かが足りず、その鬱積をハノイの道路に爆発させているような気がしてなりません。
ハノイの人も、東京の道路のように、信号を守る整然さの方がよいと知っているはずです。だが、路上は、市民全員参加による交通ルール無視であり、その無視に率先して同調しなければ、ハノイの道路は走ることができない、という現実を見ると、そこには社会全体を覆い被せる自然感覚ソフトウェア、それが欠けているのではないかと思わざるを得ません。

ハノイのレストランサービス

 ハノイの街の樹木は、何百年も経った巨大なものが多く、それが続く並木歩道は美しく、また、市内各所に湖が多く散在し、それが景観に落ち着きを加えています。
 だが、眼を車道に転じますと、そこは騒音と排気ガスと埃の塊が人間を襲ってきて、多くの人は顔を覆ったマスクで、仮面ライダーのような服装をしています。更に、気がつくのは、女性のスカート姿が皆無ということです。一週間滞在しましたが、全てと言っても過言でないほどスラックス姿、それもジーンズが圧倒的でした。市内の交通手段はオートバイであるし、バスは50人乗りに100人は乗るといわれる厳しい交通事情、スカートでは難しいと思います。
 スカート姿は絶無ですが、マスクを取ったハノイの女性は美しくやさしく親切です。
ベトナム料理は中華料理の影響を受けていますが、さほど脂っこさはなく、激辛味の少ないマイルドな味で、生野菜やハーブを使ったものが多いので、身体によさそうな感じがして食欲が進みます。ホテルのコンシェルジェが紹介してくれるレストラン、どこでも共通しているのが、若い女性の笑顔によるサービスで快適です。
しかし、そのサービスマナーに驚きます。例えば、薬膳料理の鍋料理で、鍋が沸騰すると走ってきて、鍋の蓋をとり、鍋の中に魚や肉を入れてくれますが、問題は、そのとった鍋の蓋をどこに置くかです。テーブル上は魚や肉や野菜の大皿が並んで、蓋を置くスペースがない場合、どういう行動をとるかです。
 隣のテーブルは、フランス人とガイドらしきベトナム女性の四人、先ほどから米のご飯の上に肉や野菜を載せたものを食べていますが、まだテーブル上にはスペースがあります。そのスペースを横目で確認したかわいい笑顔の若いサービス係りは、鍋からとった蓋を隣のテーブル上に、黙って突然に置くのです。
 ギョッとして隣の4人を見ると、さすがに驚いたらしく蓋とこちらの顔を、交互に見つめ合いますが、かわいい笑顔の若いサービス係りは平然と何事もなかったように、鍋の中に入れた具をかき混ぜると、隣のテーブルから再び蓋をとり、こちらの鍋に載せます。隣のテーブル上には、蓋が今まであったことを証明するかのように、鍋蓋の湿気が残した濡れた状態が残っているのに、それを拭こうとはしません。レストランの接客応対サービスに常日頃の食事マナーが顕れました。世界に通ずる普遍性ソフトウェアと違っています。

ハノイの子どもが行きたい国

 ハノイの中心街に住む1971年生まれの女性を訪問しました。家族は夫と12歳の女の子と4歳の男の子がいます。
ハノイの中心部にある住居の多くは、表通りから入った路地に混在しています。この女性の家も、幅1.5メートルくらいの細い路地を、奥に右左に曲がり入り、最後は一軒の家の入り口で路地が終わる手前の左側、向かいの家のドアには、子猫が首を紐で縛られて羨ましげに歩く人間を眺めていて、その子猫が繋がれているドア前の家が、訪問した家です。家の入り口は、鉄製の開き格子で鍵がかかって閉じられています。その閉まっている鉄格子の片隅にあるベルを押すと、鉄格子ともう一つの木製ドアが開いて、中に招じ入れてくれました。
1階がキッチンと居間。敷地は狭いので5階建です。2階は長男の部屋、3階は両親ベッドルーム、4階は12歳の長女の部屋、5階は仏壇部屋だと説明受けました。細長い階段には窓がないので日当たりはなく、両隣の家も壁同士が接する建て方で、同様の5階建てです。招じ入れられた1階の居間とキッチンには、天井からテレビが吊り下がっていて、その前に食事するテーブルがあり、すぐ横には、ホンダのオートバイと自転車が置かれています。つまり、1階は車庫も兼ねているのです。
日常の家族生活は、夫婦共稼ぎですので、子供を連れて朝7時半に家を出て、男の子は保育園に預け、夕方5時に迎えにいき、夫も6時には仕事から戻ってくるので、毎日4人揃って夕食し、テレビを見て、家族団欒する生活、日本人は家族揃って食事しないそうですね、と指摘されました。
眼鏡をかけた12歳の女の子に聞きました。「一番行きたい国はどこ」「日本です」「どうして」「ドラエモンのマンガがあるから」。
アジア地区では圧倒的に「ドラエモン」が人気です。また、テレビも日本のアニメーションが圧倒的シェアですので、マンガ・アニメ等のソフトウェアパワーによって、日本のイメージが作られている実態をハノイの家庭で確認できました。

特殊性が普遍性になった

ニューヨークの子供に聞くと、好きな食べ物のベストスリーは「スシ、ピザ、スパゲッティ」と答えます。今や寿司は世界の普遍的な食べ物です。しかし、30年前、始めてヨーロッパに行ったとき「日本人は魚を生で食べるらしいね」と、フランス人から軽蔑的な言い方をされたことが思い出としてあります。
そこから、いつの間にか大変化し、世界の普遍性となりました。日本独自の伝統的であった特殊性が、世界中で受け入れられたのです。これをどのように理解したらよいのか。それは、日本人の生活スタイルが持つ背景のソフトウェアが、今の現代の文化パワーとして世界に受け入れられたのであり、そのソフトウェアの原点は、1240年を超える伊勢神宮の式年遷宮にあることを、寒気厳しい早朝の伊勢神宮で感じました。以上。

投稿者 Master : 13:39 | コメント (0)