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2006年11月30日

12月の例会ご案内

12月の例会は、12月18日(日)に開催いたします。
12月は恒例の女性の発表の月でございます。今年は、株式会社桜ゴルフの代表取締役であります、佐川八重子氏をお招きして、発表いただきます。

桜ゴルフオフィスは、銀座四丁目角すぐに所在します。その応接室で佐川社長の テレビ出演ビデオを拝見し感動しました。
明治36年の神戸ゴルフ倶楽部を発祥とするゴルフ場業界で、お若くして創業され、以来、幾多の困難があったと思います。特に60年代から70年代のブーム後の  バブル崩壊では経営破綻が続出しました。
ようやく最近になってゴルフ場入場が前年を少しずつ上回るようになったとは いえ、その間の経営環境は困難を極めたと思います。
しかし、その環境を見事に乗り越えられた経営手腕、それらについて「さらりと  さり気なく」述べられているビデオに感動しました。
12月は佐川社長の経営方針から人生観について幅広くご発表いただける、次の メッセージをいただいております。

『16才の夏、初めて叔父に連れられて行った千葉の名門ゴルフ場でハイソサエティな人が集う別世界を垣間見ました。
その衝撃が脳裏に焼きついて離れず、結局21才の春小さなゴルフ会員権会社の  門を叩きました。
あれから40年あまり、ゴルフ会員権の道ひとすじに“ゴルフに学び、ゴルファーに教えられ”今日に到達いたしました。
苦しいことが多かったけれど、幸せな人生でした。
また、趣味にも助けられました。
私が歩んできた道、ゴルフ界、日頃お目にかかれない人たちとの出会い、そして  趣味についてもお話をさせて頂きたいと思います。』

 12月18日(月)開催の例会に、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。

 
日時:平成18年12月18日(月)
   6時集合(食事を用意しています)
   6時15分より山本紀久雄代表の時流講話
   経営ゼミナ-ルは6時半開始8時半終了予定
   
場所:東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
   千代田区丸の内1-3-1 Tel:03-5252-3791
   東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)

テーマと講師
「ゴルフ会員権の道ひとすじに―三ゴの趣味(ゴルフ・囲碁・小唄)に憩う―」
   株式会社桜ゴルフ 
代表取締役 佐川八重子氏


講師略歴
昭和19年生まれ
昭和37年03月 千葉経済大学付属高等学校商業科卒
昭和38年03月 文化服装学院本科修了
昭和40年10月 株式会社東洋ゴルフ 入社
昭和42年10月 株式会社日之出ゴルフ 入社
昭和45年10月 桜ゴルフ 設立
昭和46年02月 株式会社に改組 代表取締役に就任 
         現在に至る
                                  

受 賞 歴 
1985年 「経済界」誌 第10回経済界大賞 フラワー賞
1988年 日刊工業新聞社 第5回中堅・中小企業優秀経営者顕彰 婦人経営者賞
2001年 米国スターグループ 世界優秀女性起業家賞

* 会費  オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。
* 問い合わせ 
出欠:本サイトの参加申込フォームよりお申し込みください。
   http://www.keiei-semi.jp/zemi_reikai.htm

投稿者 lefthand : 20:05 | コメント (0)

2007年1月の例会予定

1月は経営ゼミナール代表の山本紀久雄が、年の初めのご挨拶と発表をいたします。
演題は「今年の時流」と題しまして、07年を予測いたします。
07年度の経営のお役に立つ内容でございますので、 ぜひ、1月も皆様のご出席をお待ち申し上げます。

投稿者 lefthand : 18:54 | コメント (0)

2006年11月28日

「ゼロ金利解除」について考える 経済アナリスト 北川宏廸氏

ワイポイントレッスン 2006年11月27日
「ゼロ金利解除」について考える 経済アナリスト 北川宏廸氏

北川宏廸氏には今年二回ご登場願いました。2月に「小泉改革が目指したこの国のかたち」と、今回のテーマです。
実は、北川氏は月刊誌「ベルタ」で毎月経済分析結果を連載しておられます。この月刊誌「ベルタ」は政治家・諸官庁の役人・新聞記者・経営者が主な読者になっていて、毎月の北川レポートは各分野の専門家が参考にし、時には重要な政治舞台での基礎資料として使われることもあるようです。その最新掲載内容に基づき、今回もご発表いただいたわけです。

北川氏の主張は常に次の三つの視点から構成されています。
一つは確定要素から分析すること。二つ目は立場を明確にすること。三つ目は最新の経済学理論を駆使されている、ということです。
今回のご発表の内容は記録で確認いただきたいと思いますが、大きく分けますと次の三項目で、これについて詳細にご説明いただきました。
1. ゼロ金利と量的緩和策は全く異なる金融政策である。
2. いまこそ「インフレ目標」の導入が必要だ。
3. 景気の「実感」と「数字」が異なる理由。

しかし、北川氏のすごさは、皆さんとのディスカッションの過程で、さり気なく解説される最新の経済学の理論です。今回もいくつかの新しい理論を説明していただきました。その一つをご紹介しますと、ノーベル賞を受賞した米国の計量経済学者グレンジャーが開発した手法で「因果性検定」です。この手法で分析した結果「物価が変化するとその後で賃金が変化する」という関係がわかったのです。従来、賃金と物価の相関関係について、賃金が上昇したから物価が上昇したのか、それとも物価が上昇したので賃金が上昇したのか、のどちらが先であったのか、つまり、「にわとり」が先か、「卵」が先かで議論されてきました。これがこのグレンジャーの「因果性検定」で結論付けされたというご説明に、ただウーンと唸るばかりです。

これは一例に過ぎません。常に最新の理論と実際のデータに基づいた経済分析によって、今の世界と日本の経済情勢を分かりやすくご発表いただくこと、正に最先端の経済動向を知ることが出来るのです。
来年も是非ご登場いただきたいと思っておりますので、皆様ご期待してお待ち願いたいと思います。                    以上

投稿者 Master : 17:43 | コメント (0)

2006年11月21日

2006年11月20日 格差社会

環境×文化×経済 山本紀久雄
2006年11月20日 格差社会

米中間選挙結果

11月9日のアメリカ中間選挙について、世界中の人が高い関心を持ち見つめ、民主党の勝利とブッシュ大統領・共和党敗北を全世界で確認し合いました。
一国の選挙結果について、どうしてこのように世界中が関心を持つのでしょうか。日本の総選挙についても、このように世界中で高い関心を呼ぶでしょうか。ある程度の関心事項として取り上げられると思いますが、アメリカの選挙結果とは格段の差があります。これは日本が特殊でなく、アメリカ以外の国に共通している状況と思います。アメリカだけが特別なのです。世界中でアメリカへの関心が、異常に高いのです。

アメリカは旧ソ連との冷戦状態を勝ち抜いて、今や一国だけの超大国として世界に君臨しています。政治、軍事、経済、文化、すべての分野において抜きん出た力を世界に及ぼしています。このアメリカのブッシュ大統領が、2001年9月11日に発生した同時多発ニューヨークテロを機に「テロとの戦い」を標榜し、アフガニスタン攻撃、イラク戦争へと突き進んだ結果、アフガニスタンもイラクも治安は一向に安定せず、返ってテロ危険は世界各地に広がっています。出口の見えないアメリカの戦い方に、世界の人々の不安がつのっているのが現実の姿です。
日本やイギリス、オーストラリアのような、アメリカとの同盟国は、ブッシュ大統領の「テロとの戦い」に共同歩調を採って、イラク駐留へと行動しました。これに対し、日本では「ブッシュ大統領の言いなりだ」「アメリカべったり」だという批判的見解や、一国のみとの同盟関係を楯に戦争への全面協力はいかがなものか、という意見が多々ありますが、このような意見対立は日本独自のものではなく、世界中の国々で一様に議論され、結果的にアメリカを敵視する国もあれば、運命をともにしようとする国になっているのが現実です。それにしてもテロは9.11で、選挙は11.9というのも面白いものです。

アメリカに対する気持

そのアメリカを、2001年9月11日以後各国がどのように見ているか、その実態を毎日新聞が特集として04年4月から06年3月まで、同紙第一面に掲載した内容を、この度「脱米潮流」として出版しました。
世界の様々な国では、アメリカを好きな人もいれば、嫌いな人もいます。当然です。しかし、この「脱米潮流」を読んでみますと、アメリカへの好き嫌い感情が、その国の政府が採っている政治情勢、つまり、アメリカ敵視政策国であっても、同盟国であっても、一般国民の多くの感情は全く同様である、という現実を伝えていることに驚きます。つまり、自由なアメリカにあこがれ、アメリカに行きたいという気持で一致しているのです。
例えば、イラン。アメリカは核開発、人権、テロ支援の各問題でイランへの圧力を強めています。それに対しイラン政府は強く反発し、アメリカからの圧力が強ければ強いほど、イラン国内では反米保守派が活気づいて「アメリカは敵だ」という声が高まる一方のように感じていますし、日頃の報道からそのように理解しています。
ところが、毎日新聞記者とテヘランの若い男性との会話は次のとおりなのです。
「アメリカはイランを攻撃するのか?」とイラン人男性、「大丈夫。アメリカにイランを攻撃する余裕はない」と記者の回答、「なら、イランは当分、このままということか」と肩を落とした。今、イランの若者にはこの男性のように、状況が変わるならアメリカによる攻撃さえ「期待」するような感情さえ芽生えているという。この男性はイスラム革命(1979)の年に生まれました。イランでは革命後の世代が人口の三分の二を超え、王政を打倒した革命の熱気は過去のものとなっていて、革命後に誕生したイスラム支配は自由を制限しいたことで、国民の支持獲得に失敗し、若者や女性を中心に「変化」を求める傾向が強い、とも書かれています。また、04年の総選挙で大量の改革派議員の立候補が認められず、国民は政治の自由さえ奪われ、若者たちの絶望感は、多くが留学先にアメリカを希望するなど、「自由」を標榜する国への過度のあこがれを生み、その国からの「攻撃」を「期待」するといったゆがんだ感情につながっている、と分析しています。

隣の中国の実態についても、意外な事実が書かれています。中国では90年代から指導部が愛国教育を強化してきた結果、新しい形の民族主義が台頭するようになって、国内の政治体制や指導者への批判が禁じられた状況の中で、アメリカや日本などの外の「敵」に矛先を集中する傾向があり、「新民族主義」などと呼ばれています。この動きは「実際には政府幹部の腐敗や貧富の格差」に不満を抱く国民が「愛国」という看板を掲げて暴走するケースを生み出し、中国そのものにとって危険な存在になってきているようです。
それを証明するのが99年の北大西洋条約機構(NATO)の軍機がユーゴスラビア中国大使館誤爆事件に対し、愛国教育を受けた学生が反米感情を燃え上がらせ、各地で大規模なデモを起こし、これは官製デモとの見方がありましたが、最後は指導部が収束にてこずるほど激しいものになり、「新民族主義」の台頭として注目を集めました。
しかし、このデモで中心的な役割を果たした学生の多くはその後、アメリカに留学しているのです。最近の学生は「アメリカ覇権主義反対」を叫びながら、アメリカ留学を目指して必死で英語を勉強している。これは笑い話でなく現実の姿なのだと伝えています。
また、北京五輪(08年)や上海万博(10年)に向け、タクシー運転手から役人まで英語の勉強を半ば義務づけられていて、学習人口はアメリカの人口3億人を遥かに超す
4.5億人に達していると言い、この結果の先には「国民意識に革命的な変化」が起きるかもしれない可能性さえも指摘しています。つまり、英語を勉強するということは、アメリカ社会をより知っていくことにつながり、それは自国の「一党支配体制」という矛盾に気づくということになっていくだろうと予測されるからです。
アメリカを敵視している代表的なイランと、一定の距離を置いている中国がこのような実態ですから、他の国は当然の如く、一般の人々がアメリカに持つ感情は好意的な事実を「脱米潮流」が伝えています。そのことを意外と思いつつも、成る程と納得します。

超格差社会

もう一冊ご紹介します。「アメリカの真実・小林由美著 日経BP社」です。今のアメリカは四つの階層に明確に分かれていると分析しています。
まずトップに「特権階級」として、400世帯前後いるとされている純資産10億ドル(1200億円)以上の超金持ちと、5000世帯強と推測される純資産1億ドル
(120億円)以上の金持ちがいます。
次に「プロフッショナル層」として純資産1千万ドル(12億円)以上の富裕層と、純資産200万ドル(24,000万円)以上で、且つ年間所得20万ドル(2400万円)以上のアッパーミドル層で、この層は高級を稼ぎ出すための、高度な専門的スキルやノウハウ、メンタリティを持っている人たちです。以上の二階層500万世帯前後は、全米
11,000万世帯の5%ですが、ここに全米の富の60%が集中していて、経済的に安心して暮らしていけるのは、この5%の金持ちだけだと断定しています。
三階層目は「貧困層」ですが、ここで疑問をもつのは、かつての中産階級はどこに行ったかですが、アメリカの中産階級は70年代以降、国力が相対的に低下する過程で、徐々に二分されてきて、一部は高度な専門的スキルやノウハウを磨いて「プロフッショナル層」へステップアップしたが、しかし、大半は「貧困層」に移ってしまい、その理由は製造業の衰退で、レイオフされたがステップアップできなかったためであり、これはマイケル・ムーア監督映画「ロジャー&ミー」にあるとおりと述べています。
最下級層は「落ちこぼれ層」で、四人家族で年間世帯所得23,100ドル(280万円)以下と、スラムや南部諸州に集中している黒人やヒスパニック、インディアンと、海外からの難民と密入国した違法移民で、この層が全人口の25%から30%占めています。

ニート・フリーターへの見解

アメリカの公立小学校では、まず、話すための英語から学びだします。移民が多いので話し言葉から入るのです。日本は入学時に既に日本語を話せるから文字から入ります。ですから、アメリカの公立学校のレベルは低く、ここで学ぶ「落ちこぼれ層」は決してエリート大学には行けず、最下級層から脱皮できないというのが現実で、格差社会は解決できないのです。しかし、今日本で問題となっているニートやフリーター格差問題は、アメリカとは全く違い、自らがキャリア開発しないからその立場にいるのであって、その背景にキャリアを会社から与えられるものと考える甘さがあり、その感覚を許している日本人の他人任せ解決姿勢を、厳しく問題視しているこの本の指摘を、成る程と思います。以上。

投稿者 Master : 12:29 | コメント (0)

2006年11月06日

2006年11月5日 基本を押さえる

環境×文化×経済 山本紀久雄
2006年11月5日 基本を押さえる

今の新聞

先日、長期信用銀行出身の経営者の方とお話をする機会がありました。話題は長銀がバブル崩壊後巨額の不良債権を抱え、経営が迷走状態となり、最終的に政府によって一時国有化された後、アメリカの企業再生ファンド、リップルウッドや外国銀行らからなる投資組合New LTCB Partners CVに売却され、これが新生銀行となった経緯になった辺りから、憤懣やるかたない表情となり、当時の政府と大蔵省を罵倒します。この気持は十分に分かります。今から6年8ヶ月前の出来事でした。

気持が少し落ち着いた頃に「長銀の出身者で有名人はどなたですか」とお聞きしますと「竹内宏さんと日下公人さん」を挙げられました。竹内宏さんは経済をやさしく絵解きすることで人気がありましたし、日下公人さんは今でも著書・講演で活躍されています。この日下公人さんが今の新聞について次のように述べています。
1. 取材力不足のまま報道する。2. 報道に迫力がないので解説に逃げる。
3. 解説も勉強不足だから道徳論に逃げる。4. 道徳論も結論を言うには勇気がいるから、単に一般的な願望を言う。
猪瀬直樹さんからも同じようなことを直接聞いたことがあります。道路公団民営化の問題で新聞記者と接し痛切に感じたと言っていました。毎日読んでいる新聞の記事内容がこのようであるとしたら、自分の足で確認することの必要性を改めて感じます。

日本の景気

東京駅、大丸デパートのコート売り場に人影がありません。気温が高くコートやセーターなどの防寒着が売れません。衣料品専門店は軒並みに売上前年割れです。
しかし、大企業の中間決算発表は好調です。日本の全体景気もいざなぎを超え、10月19日日銀支店長会議では、日本の全地域が回復・拡大基調に転じたと報告されました。データ上では景気回復が長期化しているのです。
だが、一般の人々、先日もあるセミナーで「この不況下で苦しんでいる」と発言した29歳のサラリーマンがいたように、景気回復感がない人々も大勢いるのも事実です。
これに対し、経済エコノミストの今井澂さんは次のように明解に述べています。
「要するに大企業の製造業で、世界市場にリンクしているところは、絶好調と言っていいし、この大企業と取引がある中小企業は元気だ。日本国内にしか市場がない製造業や非製造業、特にサービス業は、この好況の恵みにまったく浴していない」
これになるほどと思います。そういえば今年の5月にアメリカ・シアトルに行った際、ここにはボーイング社の本社があって、ANAが次期主力機「787」を50機まとめて注文したので、シアトルの町で大評判になっていました。この2008年に就航する「787」は、既に5年分以上の生産数に相当する650機(今年の6月末)を受注しており、この機体向けに炭素繊維を供給している東レの中間決算は過去最高の営業利益となっているのです。勿論、東レと同じくボーイング社と取引がある日本企業はすべてこの恩恵を受けて、好調な決算となっています。この内容を山本塾でお話しましたら、出席の外国航空会社の客室乗務員の方が「うちも何機か注文している」という発言もあり、今井澂さんの指摘は事実と確認できます。ですから、このような大企業と、その下請関係企業が所在している市町村は景気がよく、そうでないところはシャッター通りになっていく。グローバル化が市町村の景気を左右させているのです。

NYぬりえ展

10月21日にニューヨークのぬりえ展が終了し、開催した大西ギャラリーのオーナーは、次のコメントを述べました。
「ニューヨークの人たちは日本文化・アートに大変興味があるが、それを鑑賞できるのは美術館が多く、気軽に訪れられるギャラリーでの鑑賞は難しい。その意味で今回のぬりえ展が、現代美術の中心であるチェルシー地区の当ギャラリーで開催されたことによって、アメリカの幅広い層に、日本のポップ・カルチャーの原点としてのぬりえを紹介できたことは有意義だった。また、日本のぬりえを見るのはアメリカで初めてであったが、ぬりえは子供の遊びとして世界共通のものだから、アメリカのぬりえと比較し、その差にとても興味を持ったようだ」。
また、ジャパンタイムズには「来場者はきいちのぬりえの”かわいさ”を認め、同時にきいちの芸術性とそのディテールに感銘を受けていた」と掲載されました。
これらの評価から、ニューヨークで「きいちのぬりえ展」を行うことは、時期尚早という一抹の不安もありましたが、それは杞憂であったと感じているところです。

大人のぬりえブーム

ある方からメールをいただきました。「大人のぬりえがブームとなっているが、ブームが去った後はどうなるのか」という内容に「やはりそうなのか」と思います。ぬりえはブームだから人気が出ていると理解しているのです。
確かに河出書房新社と産経新聞社が主催した11月3日の「大人の塗り絵コンテスト」には、3千点以上の応募があり、入選作を決めるのに困るほど力作ぞろいだったと審査員が述べています。確かに大人が塗るのですから、しっかりした作品が多く、これだけの応募があるのですから、河出書房新社刊の「大人の塗り絵」シリーズが140万部を超えるベストセラーになっていることも頷けます。
ブームとなっている理由としては「脳を活性化する」「癒される」等を挙げています。しかし、脳の活性化や癒されるものは他にもたくさん存在する中で、どうして「ぬりえ」がブーム化しているのか。そのところの理由が明確でないままに、新聞やテレビがブームとなっていると報道し、それを見聞きした多くの人がブームと理解していく。そのような気がしてなりません。
つまり、ブームになっているということは、人間の中に存在している何かを捉えているということですが、その何かを明確にしていく作業を誰もしないで、ただブームという報道と、その報道によって多くの人たちがぬりえを塗っているのではないか。
そのところを指摘したのが冒頭のメールであり、この方は「ぬりえという存在の基本を押さえろ」と伝えてくれたのではないかと思っているところです。

コンテンツビジネス

明治維新を期に「和魂洋才」を基本に走ってきたのが日本の実態です。今でも諸外国から技術を買い、それに応用技術を付け加え、それを付加価値として効率よくつくろうとしている企業が多くあり、この上手さで「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と謳われたときもありました。しかし、今は世界の工場はアジア諸国に移って、人件費高の日本が世界と競っていくには、応用技術だけでは限界が来ていると、御手洗経団連会長が指摘しています。応用技術の前提となっている基本特許を押さえないと、国際競争に負けるという主張でその通りと思います。
一方、アメリカのハリウッド映画やデイズニーは、コンテンツを磨いた結果、アメリカの重要な輸出産業になっています。日本でも宮崎駿監督によるスタジオジブリの一連の作品は、日本国家のブランド価値を上げる結果となり、ゲームと並んで輸出産業となっています。つまり、コンテンツビジネスが成立しているのです。
コンテンツとは情報の中身のそのもののことで、映画や音楽、ゲームなどの娯楽から、教育、ビジネス、百科事典、書籍まで幅広いのですが、今までこれらは業界ごとにバラバラで対応していたものを、一つの産業として育成し「知的財産立国」になろうとするのが、2002年11月に制定されている「知的財産基本法」です。

基本を押さえる

「大人のぬりえ」が日本でブームとなっている。だが、世界のどこの国でも「大人のぬりえ」は存在していないし、ブームになっていない。だから、日本のブームを世界のブームに広げること、それはマンガやアニメーション、ゲームの事例から不可能ではなく、「大人のぬりえ」がコンテンツビジネスとして成り立つ可能性がある。
そのためには何が必要か。新聞記事レベルを脱したぬりえの世界実態把握と、ぬりえが持つコンテンツと脳の相関関係と脳細胞反応データ集積等、これらの「基本を押さえる」ことが知的財産への道ではないか。そのような想いを持っているところです。以上。

投稿者 Master : 09:08 | コメント (0)

2006年11月05日

11月例会のご案内

11月の例会は、11月27日(月)第四月曜日に開催いたします。

10月に続きまして変則でございますので、ご注意願います。
11月の講師は、株式会社イムラ封筒監査役であり、興銀出身の経済アナリストとして著名な北川宏廸氏でございます。

 今回、ニューヨークの「ぬりえ展」開催を訪問した折にお会いしたアメリカ人の有識者から、「世界大不況の発火点ともなると危惧された日本経済が、いつの間にか立ち直っているが、その状況説明が日本から情報発信されていないので、よく分からない」という声を多く聞きました。
 この実態については、日本人もよく分かっていないところもありますので、今回 経済アナリストとして活躍されている北川宏廸氏から以下の意図と内容で解説して頂くことにいたしました。
 日本経済立直りの真相と、今後の動向分析に欠かせない内容です。


日銀は今年7月、それまで短期市場金利をほぼゼロ%に押さえ込んできた、いわゆる「ゼロ金利政策」を解除した。その4ヶ月前の3月に、もう一つの非常金融手段であった「量的緩和政策」の解除に踏み切っている。
 これにより、短期金融市場に「金利」が復活することになったが、これは2001年3月に、折からのデフレ不況の泥沼の中で、この「ゼロ金利」と「量的緩和」が合わせ技で導入されて以来、実に5年6ヶ月ぶりのことであった。
 世界に類例をみないこの異例の金融政策は、金融の面から、①98年以降、8年間続いたわが国経済のデフレからの脱却と、②02年以降、5年間にわたる小泉内閣の財政構造改革を、しっかりと支えることになった。
 講演では、この「ゼロ金利」と「量的緩和」の“狙い”と“違い”を明らかにしながら、その政策効果をつぶさに検証し、この2つの金融政策の成果と実績を踏まえて、「ゼロ金利解除後」の景気上昇の過程でとられるべき、これからの「金融政策のターゲット」をいったいどこに置いたらよいのか、という喫緊の問題について解説する。

 11月27日(月)開催の例会に、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。

 
1.日時 平成18年11月27(月)
*第四月曜日の開催となります。ご注意願います。
6時集合(食事を用意しています)
6時15分より山本紀久雄代表の時流講話
経営ゼミナ-ルは6時半開始8時半終了予定
   
2.場所 東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
  千代田区丸の内1-3-1 Tel:03-5252-3791
  東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)

3.テーマと講師
「ゼロ金利解除について考える 
-「ゼロ金利」と「量的緩和」はまったく別物-」
株式会社イムラ封筒監査役・経済アナリスト
北川宏廸氏

 略歴
北 川 宏 廸 ( キタガワ ヒロミチ )
 ( 1940年(昭和15)10月25日 生まれ )
1963年(昭和38)3月  慶應義塾大学経済学部卒業
1963年(昭和38)4月  株式会社日本興業銀行入行
1985年(昭和60)1月  ジャパンライン株式会社(現商船三井)社長室長
               (出向)
1989年(昭和64)1月  株式会社日本興業銀行日本橋支店副支店長
1989年(平成元年)4月    同   行   池袋支店長
1992年(平成4) 6月  興銀リース株式会社 常務取締役
1996年(平成8) 6月  八重洲リース株式会社 代表取締役
               (興銀リース関係会社)
1998年(平成10)6月  永和地所株式会社 取締役社長
               (興銀関係会社)
2001年(平成13)4月  株式会社イムラ封筒 監査役 (現在)
2001年(平成13)6月  スターテング工業株式会社  (現在)

* 会費  オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。
* 出欠のご連絡
  例会参加申し込みページよりご連絡ください。
  http://www.keiei-semi.jp/zemi_reikai.htm

投稿者 lefthand : 10:01 | コメント (0)

2006年11月04日

12月の予告

12月の例会は、12月18日(月)に開催いたします。

12月は恒例の女性の発表の月でございます。講師には、株式会社桜ゴルフの  代表取締役、佐川八重子氏をお招きいたします。
佐川八重子氏には、ゴルフ会員権の道ひとすじに歩いてこられた佐川八重子氏の ゴルフ会員権ビジネスを始め人生を含めて、発表をしていただきます。
佐川八重子氏でなければ成し遂げられなかった、内容濃い発表になることと思い ます。
ぜひ、12月もご予定をお願いいたします。

投稿者 lefthand : 20:58 | コメント (0)