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2008年01月27日
2008年2月の例会のご案内
2月の例会は、2月18日(月)に開催いたします。
政府は、2010年外国人客1000万人の観光立国を目指しています。海外からの観光客は、海外での日本ブームを受けて、日本を訪れていますが、その目的は、ショッピング(34.8%)が初めて挙げられ、次に伝統文化や歴史的施設(32.4%)、温泉・リラックス(32.1%)、自然・景勝地(28.5%)と続く結果となりました。依然として日本の歴史的施設ならびに景勝地は人気です。《国際観光振興機構(JNTO)調査》
日本の観光資源の中で、日本に昔から存在しながら、未開拓の観光資源があります。海の活用です。日本は周囲を海に囲まれて、広い海岸線がありながら、漁港としてしか活用されていません。
しかし、ヨーロッパなどでは、海岸は漁港とヨットマリーナの両者で活用しあって、海からの産物としての魚介類産業と、スポーツとバカンスを兼ねたマリン産業が共に発達しています。
日本の海岸線を活用し、日本に現在ある3000ヶ所もの港を、ヨットやボートで移動し、停泊し、気に入ったところで上陸し、その地の名所を訪ねまわるというヨーロッパ形の観光スタイルが定着することになると、日本が目指す外国人客1000万人というレベルではなくなり、自国の人口を超える観光客で賑わうことになり、その結果、日本は新しい観光立国、付加価値国家として生まれ変わることができるのです。
今回経営ゼミナールでは、この「欧米型港活用ヨットハーバー」の実現のために研究ゼミナールを開催いたします。
その夢の実現モデルケースは、千葉県鋸南町の保田漁港です。保田漁港にはゲストも使用できるゲストバースがあるため、多くのヨットやボートがクルージングで訪れ賑わい、漁協が運営するレストランも賑わう成功モデルであります。
講師は、「海洋観光立国のすすめ」(共著)を昨年出版し、この新しい日本の魅力を実現しようと奮闘している若き女性の明戸眞弓美さんです。
新しい日本の魅力・価値をつくりあげようとする、明戸さんの夢提案を保田の海で聞き、その実現に皆様の知恵をお借りしたいのです。
加えて、保田漁業協同組合からも、保田漁港の未来構築について熱い想いを発表していただきます。
2008年の経営ゼミナールは、現地、現場、現認をモットーとしております。今回の保田研究ゼミナールは、バスツアーにより、現地に行き、現場確認をいたします。
2月18日(月)の開催の新しい日本の夢づくり研究ゼミナールに、ご参加をおまちしています。
1.日時 平成20年2月18日(月)8:30~17:00
往路:東京駅(鍛冶橋駐車場)8:30分集合 ※地図
*鍛冶橋駐車場まで東京駅から10分ほどかかりますので、ご注意願います。
9:00出発 ~ アクアライン・館山道~保田港10:55着
11:00~11:30 保田漁協発表
11:30~13:00 明戸眞弓美氏発表と質疑応答
13:00~14:30 昼食・休憩
復路:館山道・アクアライン ~ 海ほたるにて休憩 ~東京駅着
2. 会 場 鋸南町の保田漁業協同組合会議室
千葉県安房郡鋸南町吉浜99-5 電話:0470-55-0528
昼 食:保田漁協直営のレストラン「ばんや」
新鮮な地魚を使った漁師料理です。
「ばんや」電話:0470-55-4844
URL:http://www.awa.or.jp/home/hota-gk/menu.htm
2.テーマと講師
「海から広がる日本の未来~最後に残された開発:日本の海」
NPO法人地域交流センター
明戸眞弓美氏
講師略歴
1970年生まれ。大阪市、青森県十和田市育ち。
岩手大学人文社会科学部人文社会科学科卒業、東京大学大学院綜合文化研究科修士課程言語情報科学専攻終了。
國學院大學大学院経済学研究科博士課程後期経済学専攻2007年3月満期終了。
NPO法人地域交流センターにて「日本ぐるっと一周・海交流」など事務局担当。
2月18日(月)開催の例会に、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。
*会費:オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。
2008年3月例会の予定
3月の例会は、3月8日(土)に千葉商科大学にて開催いたします。
今、江東区豊洲のららぽーと豊洲 内にあるこどもが主役のこどもの街「キッザニア東京」が子どもたちに大変人気を博していることをご存知でしょうか。
「キッザニア東京」は、実物そっくりの仕事の体験ができ、働けばお金が手に入り、お買い物もできます。遊びながら社会を体験することができるというものです。
しかし残念ながら、「キッザニア東京」には、大人が入ることができません。
そこで、「キッザニア東京」と同様のコンセプトをもち、子どもたちに体験を通して学ぶ「キッズビジネスタウンいちかわ」を千葉商科大学が開催しております。
「キッズビジネスタウンいちかわ」を通して、人気の背景と、「キッズビジネスタウンいちかわ」のもたらすものを視察していただき、時代の変化、底流を知っていただきたいと思います。
千葉商科大学にて、10:30~14:00の時間で、見学、昼食を予定しております。
3月のゼミナールをご予定いただきますよう、よろしくお願いいたします。
2008年01月20日
2008年1月20日 変化の質を変える
環境×文化×経済 山本紀久雄
2008年1月20日 変化の質を変える
京王駅弁大会
1月10日から22日まで、京王デパート新宿店で「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」、略して「京王駅弁大会」が開催されています。今年で43回目、昨年の売り上げは13日間の開催で、36.6万個販売、売り上げは6億6千万円というすごさです。
開催2日目の夕方行ってみました。エレベーターで7階へ、その間満員の客は、誰も途中階で降りず、揃って会場に到着すると、そこは押し合いへし合いの駅弁売り場です。
すでに完売した駅弁、整理券を発行している駅弁、長蛇の列をつくっている駅弁、47都道府県から厳選された200アイテム、誠に壮観です。
買い求めたのは、義母の故郷、自分の故郷、旅行したとき食べたもの。列に並んで買うのも雰囲気があって楽しく、持ち帰って美味いと家族から喜ばれ、これだけ多彩な駅弁文化ともいえる存在は世界にないだろうと思いました。
その通りで、世界の列車に詳しい櫻井寛氏(フォトジャーナリスト)が、台湾、韓国、タイにあるものの、質、量、歴史からみて日本の駅弁は世界一と言明しています。
本質洞察力
司馬遼太郎氏が、勝海舟と坂本竜馬について語っています。(日本歴史を点検する)
「『アメリカを興したのは誰ですか』と、坂本は訊く。『ワシントンだよ』と勝。ワシントンといえば創業の人で、日本に翻訳すれば徳川家康だと思ったから、『ところでワシントンの子孫は今どうなっていますか』ときいた。坂本は将軍とか大名とかになっているのだと思ったのでしょう。ところが訊かれた勝は、ワシントンの子孫が、靴屋をしているのか、コックになっているのか、そんなことは知らない。実際は子孫は絶えているのですが、むろん勝は知らない。『しかし、子孫なんざ、問題じゃないんだ』と言って、アメリカの制度を説明した。坂本にとってこれほど大きな驚きはなかったでしょう。家康に相当するワシントンの子孫がどうなっているかもわからないということが。―――この場合、当時の日本人の驚きが代表しております。同時に、坂本はいっぺんに頓悟した。『ああそうか、日本もそうしなきゃいかん』と。」
司馬遼太郎氏がここで言いたかったことは、日本は海に囲まれた孤島であり、国際環境は地理的に分かり難い。だが、日本人が得意とする、いっぺんに分かる「本質洞察」法で、日本は変化しなければいけないと理解し、納得し、その変化の方向性は欧米化基準であり、そこから明治維新につなげていった、ということであると思います。
変化に対する抵抗感と日本人気の絶頂
今の日本の現状を、橘・フクシマ・咲江氏が「日本がどのような経済的、政治的な立ち位置にいたいのか自画像が見えない。疲れ果て、内向きになり、もう経済競争で遅れてもいいよ、という雰囲気もある。その一因は、変化に対する抵抗感だろう」と指摘しています。ところが、この反面、世界で日本人気は絶好調である、という事実が存在します。
12月5日レターで、元サッカー日本代表の中田英寿氏の「日本人って非常にいろんな国で受け入れられている」という発言、さらに、ドイツのカールスルーエでは、日本好きの高校生から高齢者まで幅広いドイツ人が、毎月日本食レストランで、食事しながら熱心に定例会まで開催している事実、加えて、世界のどの国でもマンガ、アニメ、すしなどで日本の存在は高まるばかりなのです。また、この人気の不思議なことは、バブル崩壊の日本経済の低迷を機として、日本のソフトパワーが世界中で認識され始めたということです。
別のプラットホーム
今の世界経済は、日米欧がアジアや中東、アフリカ諸国を付き従えて引っ張っていく、という図式は過去の幻想です。名目国内総生産GDPの年間増加額は、2007年度の
IMF推計で、BRICsが1兆2900億ドル、この中で中国は単独で6000億ドル占め、減速した米国の増加額を追い抜き、世界の経済成長の三分の二以上を、新興国と途上国が稼ぎ出している。これが現実の世界の姿です。
つまり、今までの日米欧という経済プラットホームに加えて、新しい経済規模のプラットホームができたのです。最近のキーワードで言い換えればデカップリング(非連動性)で、世界経済が米国経済の影響を受けにくく、相関関係が薄くなる現象を意味します。
中でも中国は、いろいろ所得格差の問題を指摘されていますが、中産階級は人口の2割もいて、この人数は日本の総人口を遥かに上回っている上に、2020年には4割に増えるという見込み(中国社会科学院)というのですから、日本人の常識感覚を超えます。
別に中国進出を推奨しているわけではありませんが、ちょっとデータを拾えば、このような現実が分かります。
日本企業は、人口1億ちょっと超える中で、激しい販売競争をしていますが、世界に眼を転じれば、そこには膨大な人口を持つ、新たな別のプラットホームが存在しています。
弁当は世界に通じる
櫻井寛氏が、駅弁は台湾、韓国、タイにしかないと指摘していますが、昨年6月、NYのグランド・セントラル・ターミナルから、メトロノース・レイルロード線で北へ向った列車、その際一緒だった地元の女性、まだ昼食していないからといって、駅構内ですし弁当を買ってきて食べ始めました。世界の大都市のスーパーでは、サンドイッチとすしが並んでいて、勤め人が昼食に買って食べるのは普通の風景です。
また、サンパウロ国内線専用コンゴーニャス空港では、メインロビーが「現代」という漢字表示のすしバーだけ、そこで多くの人が箸で食べています。すしは世界の普通食になっているのです。30年前は「日本人は魚を生で食べる人種だ」と蔑視されたことを憶えていますが、いつの間にか世界の定番食になっているのです。
加えて驚いた経験は、昨年11月、ドイツのカールスルーエからパリにいくため、フランス高速鉄道TGVに乗車したところ、ボーイが赤いオシャレな包装の、三段重ねの弁当を持ってきました。中はパン、チーズ、ハム、サラダに白ワインと水。今までヨーロッパで多くの列車に乗りましたが、弁当のサービスは始めてでした。これはサービスが変わったなという印象とともに、ヨーロッパの鉄道で駅弁商売が可能ではないかとも思いました。
日本流で勝負
再び、橘・フクシマ・咲江氏の指摘に戻ります。「以前は米欧の標準に合わせて日本人が変わらなければ、と考えていた。しかし今は日本固有の付加価値をどう世界に売り、差別化していくかが重要だと思っている。定時に到着する電車や宅配便。旅館のおもてなしなどのきめ細かなサービス。世界をリードする環境技術。ビジネスや経済だけでなく、政治、外交でも日本ならではの価値を探し出すことが大事だ」。なるほどと思います。
変化の質が変わっている
どうも変化に対する質を、検討しなければいけない時に来ているように感じます。司馬遼太郎氏が、勝海舟と坂本竜馬について語っている幕末時は、欧米基準に対して追いつく必要から、欧米のシステムを取り入れなければならない、という変化でした。
だが、今の実態は、日本固有の文化価値が、欧米に受け入れられ、歓迎されているという事実実態なのです。ということは、今までは欧米基準に合わせて、日本人が変わらなければならない、という考えでしたが、今は日本が持っている文化を世界に普及させる、売り込む、という変化が必要とされてきているように思います。
12月の経営ゼミナールを開催した山形県の銀山温泉・藤屋旅館、ここは年間客数の4分の一が外国人でした。それも欧米・アジア・アフリカ、世界中から来ているのです。これは伊豆の下賀茂温泉伊古奈も同じで、日本の旅館のきめ細かなサービスを、外国人が認めた結果なのです。加えて、環境問題が世界の最大課題となっているのですから、日本の持つ環境技術など、その他日本固有のもの、いくらでも売り込む価値があると思います。
そのひとつの提案事例として、京王駅弁大会の会場でみる多彩な駅弁、日本国内でそれぞれ努力し、厳しい競争を展開していますが、この努力を別のプラットホームに向けたら、長期的に大きな成果を得ることができるように思います。
つまり、世界に日本固有の付加価値を伝えるために、何をするかということへの変化。これが今求められていると思います。日本から日本を見るのでなく、世界から日本を見て、日本に存在する素晴らしい文化を伝えること、それが日本の成長条件と思います。以上。
2008年01月11日
2008年1月5日 現在地(You are Here)の確認
環境×文化×経済 山本紀久雄
2008年1月5日 現在地(You are Here)の確認
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
ロンドンで道に迷う
昨年の2月末、ロンドンのジャーミンストリートのレストラン・グリーンス、ここのマネージャーと打ち合わせし、夕食を終え、食後の散歩を兼ねてハロッズデパートに向って歩き出しました。地図上で確認すると、ピカデリー通りを行けば、それほど遠くないと判断したのです。
ロンドンの2月は寒くて暗いのですが、ハロッズは何回も行っていますので、道に迷うことはないだろうと、速足で歩いているうちに、いつの間にか暗い道から、さらに暗い人気がなくなって、これは道に迷ったな、と慌てて地図を広げましたが、周りに標識がなく、今の自分はどこにいるのか、その現在地が確認できない状態になりました。
ロンドンの治安
ご承知の通り、ロンドンの景気は絶好調です。一人当たり2006年の名目国内生産(GDP)では、日本が世界18位、英国は11位です。
英国病に罹り、長らく低迷していましたが、サッチャー革命でロンドンシティ金融力が盛り返し、お金と共に世界各地から人々も集まって、結果はヒースロー空港での入国審査がしつこい、ということになりました。
ニューヨークの入国審査が9.11で厳しくなったといいますが、ヒースロー空港の方がより厳しい上に、係員は最初から何かを疑ってくるので、全員目付きがよくありません。ようこそロンドンへ、というウェルカム態度は皆無です。
という意味は、ロンドン市内は危険だということを表しています。外国人が大勢入ってくると治安は悪化します。ですから、ロンドン市内の暗い道を一人で歩くのは危険です。そのロンドンの暗闇で道に迷い、現在地を見失い、一瞬不安に陥りました。
正月不安のスタート
この正月は不安が歩いています。昨年の正月とは大違いです。サブプライムローン問題は根深く、アメリカ経済も減速気味、株式市場も日米欧ともに下落、原油は1バレル100ドルを一時超え、いよいよインフレ気配が強くなり、日本の財政悪化の改善も期待薄で、福田内閣の支持率は低迷したままです。
ロンドンでの道迷い不安は、コート姿の英国紳士を、暗闇の中でようやく見つけ尋ね、地図で現在地を確認でき、ピカデリー通りに戻り、向こうにハロッズの明かりを見出すことで解消できました。地図という道標があったからです。
しかし、日本の不安は簡単に解消できないでしょう。時間がかかると思います。その最大の理由はグローバルな世界になって、日本が世界の中でどの現在地にいるのか、それを判断する道標を、的確につかむことが難しいからです。今までのように、日本人だから日本のことだけ考えていればよい、という視点では解決が難しいのです。
例えば、日本の株式市場への投資は60%が外国人ですから、株式投資に当たっては、世界が日本をどう見るか、つまり、日本の位置づけを世界的視野で判断しないと、的確な株式投資のリターンは難しいということになります。日本の眼前に展開される実態を、いくら日本の立場で分析し、整理したとしても、それは万全とはいえないということです。世界の動きと、日本の動きがつながっている時代なのです。
変化に対応していない
堺屋太一氏が以下のように指摘しています。(1月4日.日経新聞経済教室)
「日本は急速に衰えている。知価革命のうねりの中、中国やロシアですら改革を進めたが日本はできない。このままでは日本は『最後に滅ぶ社会主義国』になりかねない。『内弁慶』主義を脱し、荒廃した官僚の倫理を高め、夢と楽しみに満ちた社会を築く未来志向の改革が必要だ」と述べ、そうなった要因は、世界の変化・人類の変質に対応していないと主張します。
つまり、物財の豊富なことが幸せだ、という信念に基づき規格大量生産化したことによって、過去日本は成功した。だが、80年代から文明が変わりだし、人間の本当の幸せは、物財の豊かさでなく、満足の大きさになった。
ところが、この変化に日本の社会運営システムが合致していないというのです。
世界から日本を見る
そうだろうと思います。政府も企業も改革という掛け声は元気よく発します。しかし、実際に改革が進んだかどうか分からないのです。事実、一人当たり2006年の名目GDPが、ピークの95年より7700ドル・18%も減っているのですから、この間は改革が進まなかったのでしょう。改革を先送りし続け、それが世界における日本の存在価値を減少させているのです。
では、どうして改革が進まないのか。それは日本の経済規模がそこそこあるので、国内市場にしがみついていれば、中途半端なサイズの事業でも生きていけるという「共同幻想」が日本人にあり、そこから脱皮できない癖がついているので、結局、改革を先送りさせるのです。
このような人の中から、時折、外国は嫌いだと発言する人にお会いすることありますが、嫌いということと、世界と日本はリンクしているという事実認識を区分けしないといけないと思います。
ペリーが来航した以前の、江戸時代ではないのですから、眼を世界に向け、世界から日本を見るという視点が不可欠と思います。
来年こそ改めたいこと
日経新聞「何でもランキング」(12月29日)の「来年こそ改めたいこと」は、頑張って直そうと思っているのに、なかなか直せない、そんな「ぜひ改めたい性格や行動」を、20代から60代の男女103人ずつ、合計1030人からの回答です。
1位は「整理整頓や片づけができない」、2位が「飽きっぽくて長続きしない」、3位が「やるべきことを先送りする」がベストスリーで、これを見てなるほどと思いました。「整理整頓や片づけ」は、物事の分析問題に通じます。情報を分析し未来を予測するためには、実態データの整理整頓が最低必要条件で、これが出来ない人は、問題点の抽出と分析が出来難いと思います。
「飽きっぽい」は、目的に到達しない根本原因です。途中挫折の癖がついていては、目的達成は出来ないでしよう。
しかし、3位の「先送りする」、これが日本全体の問題点と思います。掛け声ばかりで改革が進まないのはこれです。「特に仕事面で、面倒なことほど先延ばしにしてしまい、余計に状況を悪化させてしまう」(34歳男性)と補足説明があるように、改革という簡単ではないことを先延ばしする癖が、日本人に多いことを証明しています。
先送り体質が、世界の中で日本の存在感を低下させている、最大要因と思います。
道標で現在地(You are Here)の確認
この正月の、日本を覆う不安の解消には、改革を断行するしかありません。また、その改革の方向性は、世界の「80年代からの文明変化」に対応することしかありません。さらに、その改革を先送りする日本人の体質を、改革することしかありません。
そのためには何が必要か。その方策にはいろいろあるでしょうが、まず不可欠な前提は、今、どこの時点に位置しているのか。どういう環境・条件下にいるのか。という現在地(You are Here)の確認が必要です。加えて、それはⅠ am Hereではなく、他者から見た客観性ある現在地でなければなりません。
暗いロンドンで、自分がいる位置を、地図という道標上にペンで「お前はここにいる」と示されたとき、不安が消えることを学びました。
不安を解消するには道標が必要であり、道標を持つから現在地を知ることができ、現在地を知るから改革の必要性を強く感じ、しっかりした強い改革認識を持つことで、先送りせずに改革を遂げる。これが不安解消の工程プロセスです。しかし、道標を決め、現在地を確認する作業は、かなり困難です。だが、それが今年の課題と思います。以上。