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2010年06月25日

2010年7月例会ご案内

7月の例会は7月12日(月)に日本女子大学非常勤講師の
佃為成(つくだ ためしげ)氏をお迎えし、銀行倶楽部で開催いたします。

テーマは
「予知」であります。

佃為成氏は元東京大学地震研究所准教授であられ、研究分野は「地震学」「地震予知論」の専門家です。

佃氏は「予知」という言葉が誤解されていると主張します。

例えば、地震の分野において予知するというと、ナマズが暴れたとか犬が吠えたとか、何かカンとか超常現象的なことなどと混同して扱われているが、予知とはそういうものではなく、ある事象において、何らかの「サイン」が発せられているのをキャッチし、そこに「考える」ことを加えて成り立つのが「予知」なのです。

ですから、地震でいえば、地下から発する地震の前兆現象、すなわち地下からのサインをキャッチし、それを過去のデータや経験と照合し、これから起こることを前もって知ること、これが予知なのです。

今の時代は「不安」がキーワードになって、これが日本や世界全体を覆っています。

この「不安」に対する対策の第一は、物事で「不意打ち」をくわない事です。予測していない事件・問題が、不意に、突然に襲いかかるという事が、人に対して最も怖がらせ気持ちを不安にさせます。
ですから、日頃から事前の「予知」行動という事に目配り配慮が大事です。

つまり、この「予知」とは、人生の生き方にも適用できるものであると思います。

このように主張される佃為成氏のご発表にご期待賜りたいと思います。

(佃為成氏プロフィール)
熊本家出身 東京大学理学部卒 同大学院博士課程中退 京都大学防災研究所助手 東京大学地震研究所准教授後 現在 日本女子大学非常勤講師
著書「大地震の前兆と予知」(朝日新聞社)「地震予知の最新科学」(ソフトバンククリエイティブ社)他多数

開催日時  2010年7月12日(月)18:00~20:30
      18:00 集合(食事を用意しています)
      18:15 山本から時流解説
      18:30 佃為成氏の発表と質疑応答
      20:30 終了

テーマ   「予知」

発表者   日本女子大学非常勤講師の佃為成氏

場所    東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
      千代田区丸の内1‐3‐1 Tel:03‐5252‐3791
      東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)
アクセス:http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm

会費 オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意ください。

お問い合わせ 
 出欠ご連絡先:(有)山本 
 メール:info@keiei-semi.jp
電 話:048‐824‐4859
 FAX:048‐824-4833

Ⅲ.2010年9月開催のご案内

8月は夏休みです。

9月は4月にアイスランド火山噴火の影響で来日できなかった、フランスのジャーナリスト「リオネル・クローゾン」氏をお迎えし、9月13日(月)に銀行会館にて開催いたします。
テーマは「日本の観光大国化への道筋」を予定しております。

リオネル・クローゾン氏は来日経験数多く、日本の文化と歴史に詳しく、フランスにおける日本文化・観光研究第一人者であり、同氏と直接語り合うことができる機会は、滅多にない貴重なチャンスと思います。
 日本を観光大国にしたい、観光地に多くの客を誘引したい、欧米人の日本の観光地に対する期待と見解を知りたい等の方々に、リオネル氏から多くのサゼェスチョンが得られると思います。

【リオネル・クローゾン氏 Lionel Croosonプロフィール】
アジア、特に日本を専門とするフリージャーナリスト。
現在、フランスのミシュラン社「グリーンガイド」、アシェット社「ブルーガイド」の編集に携わっている。
これまでに「旅の手帖」に四国の村、またフランスの雑誌に日本の食文化を紹介するなど、バラエティーに富んだ内容で日本を世界に紹介している。
また、フランスの雑誌「生命と科学ノート」に「日本の海底に埋もれて」と題し、沖縄・与那国島の海底遺跡を紹介している。
さらに、日本の歴史にも詳しく、「歴史の随想 16世紀〜サン・トロペの侍たち」、これは仙台藩の支倉常長らの使節団がローマに渡航中、フランスのサン・トロペに漂着したときのエピソード。その他、著作多数。

Ⅳ.本ご案内の送付物リスト
  1.7月例会のご案内(この用紙)
  2.例会出欠連絡書

Ⅴ.YAMAMOTOレターの御案内
1. 2010年6月5日 ギリシャ問題
http://www.keiei-semi.jp/blog/archives/2010/06/post_291.html#more

2. 2010年6月20日 ユーロ安の円高をどう考えるか
http://www.keiei-semi.jp/blog/archives/2010/06/post_292.html#more

以上

投稿者 Master : 04:15 | コメント (0)

2010年6月例会の実施結果

6月例会は21日(月)に、株式会社CBC総合研究所・代表取締役の
山川裕正氏をお迎えし、テーマは

「    今こそ『ビジョンと戦略発想』の経営を志向しよう!
 ―リーマンショック後、大転換時代の経営・営業・人生のあり方―
        『変わること、変わらないこと』        」

で開催いたしました。

山川裕正氏は、まず、今の時代の認識としてリーマンショック後は「縮小市場」になっているからこそ、ここで勝ち残るには

① ビジョンと方向を示し、トライ&エラーで
② お客様中心
③ 異質な強みを持つ人を巻き込み
④ 自ら、新しい市場を創造する

事と整理され、続いて
「ロマンとビジョンを抱き、戦略発想でメリハリよく動ける営業マンこそ、人間的魅力を持って大きな商売をものにしています。将来に不安が広がり、価格競争がより厳しくなっているビジネス環境の今だからこそ、ロマンとビジョンが大事になり、より大きな付加価値を生むことになると、経営や営業の現場から私は実感しています」
と強調されました。

熱き問いかけを賜った山川裕正氏に感謝申し上げ、熱心にご討議されたご参加の方々にお礼申し上げます。

投稿者 Master : 04:10 | コメント (0)

2010年06月21日

2010年6月20日 ユーロ安の円高をどう考えるか

YAMAMOTO・レター
環境×文化×経済 山本紀久雄
2010年6月20日 ユーロ安の円高をどう考えるか

イタリアからのメール

今回のギリシャ危機に当って、ギリシャに住む主婦からいただいたメール内容は前号でご紹介しました。同タイミングでイタリアからもいただきましたので、ご紹介します。
「ギリシャは大変そうですが、イタリアの財政は今のところ問題なし、ということで、特に変化はありません。ユーロが大幅に下がったこの機会を利用して、輸出を増やし、経済回復に拍車をかけるべきだ、と先日、プローディ前首相があるテレビ番組で力説されていました」・・・ボローニャの主婦。ギリシャとは大違いです。

スペインからのメール

同じタイミングで、スペインからもメールをいただきました。
「スペインは昨年から失業率が急上昇し、財政赤字も増加。7年目に入ったサパテロ社会労働党政権も、遅まきながら経済政策に大きなメスを入れて★ 公務員の賃金カット(12~15%)★ 社会年金・恩給の一部凍結★ 定年退職年齢の引き上げ(65歳から67歳)★ 幼児・子供への政府援助金の一旦中止など、右傾化した経済政策に方向転換し、来月国会でそれが承認されたらすぐ公務員がストライキを実施すると発表。

そしてスペインの2大労組(労働総同盟=UGT; 社会党系と労働者委員会=CC.OO.共産党系)がゼネストも辞さないと発表しているが、『このような時期にゼネストなどやっている場合じゃない』という声も多いし、国民やマスコミも余り支持していなくて、ギリシャのようなゼネスト、社会問題にはならないと思う。
 デパートやスーパーでの一般市民の購買力も落ちていないし、夏のバカンスも財布を引き締めながらも、8割以上の国民がバカンスに出かけるとアンケート調査で答えています。

大多数のスペイン人は根っからの楽天的な性格で、何でもポシティブに考えるんです。マドリードの中心部を歩いていると、『経済危機なんてどこ吹く風?』という感じです」・・・マドリード在住のビジネスマン。これもギリシャとは大違いです。

ギリシャ人から聞いたこと

在日ギリシャ大使館公式通訳の方に、昨年3月の経営ゼミナールでギリシャ状況をお聞きしました。その際に述べられたことが記憶に残っています。
「2001年にユーロを導入したが、これを機にギリシャは急激な物価高に見舞われた。例えば、ユーロ導入前のギリシャの通貨はドラクマで、その頃はギリシャの朝市などでは『たったの100ドラクマ』という謳い文句があったのだが、しかし、ユーロ導入とともにそれが『たったの1ユーロ(=340ドラクマ)』になって、通貨切り替えの際の便乗値上げが横行し、その後も物価は上昇し、現在では日本とあまり変わらない物価水準となっている。

一方、賃金は物価上昇に合わせて賃上げされず、ギリシャの2005年の最低賃金は668ユーロ(約87,000万円・当時レート130円)で、EU加盟国の中で7番目の水準となっている」と。

このようにユーロ圏に加盟したが、インフレとなり収入は増えず、国民生活は一段と苦しくなった状況、また、ギリシャの経営者は「私たちはギリシャをバルカンの中心地にしたいという気持ちが強い」と述べましたが、これは結局、ギリシャ人自ら独仏などとの競争を諦めて、バルカン半島内での経済国になりたいということを表していると理解しました。つまり、EUユーロ圏に入ったが、意識はバルカン半島国家であり、国境を接しているアルバニア、マケドニア、ブルガリア、トルコという近東(Near East)諸国と関係を深めていると認識できます。

現代のギリシャ人とは

現代のギリシャは、古代ギリシャ人の直系子孫として1830年、オスマン帝国から独立を果たしましたが、独立早々ドイツの学者によって「いまのギリシャ人には古代ギリシャ人の血が一滴も流れていないと書かれてしまったときには、国じゅうに衝撃が走った」ということがありました。(内山明子著 国立民族学博物館『季刊民族学』123号2008年新春号の『ギリシャ・ヨーロッパとバルカンの架け橋』)
ギリシャの歴史は占領され続けた苦しみの連続です。その中で最も外国の支配が長かったのはトルコからで、アテネが1458年にオスマンによって支配され、1503年にはギリシャ全土が完全にオスマン帝国の州となり、キプロス島も1577年にオスマン帝国下に入りました。

したがって、トルコ人のギリシャ支配は、コンスタンティノーブル没落から1821年の反乱まで、約400年近く及んでいます。この期間は「トルコのくびき」と現代まで語り継がれるように、ギリシャは暗黒時代を過ごし、支配されてから1700年までにギリシャ人の人口が四分の一も減少した事実、それは征服下で厳しい圧政が行われたことを証明し、ギリシャ人のトルコ嫌いの原点になっています。
しかし、この約400年の間に、ギリシャ人とトルコ人との血のつながりは相当に進んだと想像できます。ご承知の通りトルコ人は黒髪です。本来、金髪であるギリシャ人とトルコ人との血のつながりの結果はどうなるか。それは黒髪となって現代に蘇っています。

2008年のアテネ訪問時、多くの家庭で子ども達と接しましたが、兄弟姉妹でありながら髪の毛の色が違っているケースが多く、同じ両親から生まれたのに、一人は金髪、もう一人は黒髪であり、顔は似ているが、髪の毛の色が異なると、一見別人の如く感じます。
これらから判断しますと、現代のギリシャ人は古代ギリシャ人の血にトルコ人が混じっていますし、その他の国の支配も受けているのですから、2500年という時間経過で、ドイツの学者の見解に頷かされる可能性が高いのです。

ギリシャの独立経緯

さらに、ギリシャ独立の経緯を内山明子氏の論文から整理しますと、
① 古代ギリシャへの関心が高まっていた十八世紀のヨーロッパでは、古代遺跡を巡るためオスマン帝国を訪れる旅行者が増えたが、彼らはそこに暮らすギリシャ語を話す人びとを古代ギリシャ人の末裔とみなし、その民族名称であるエリネス(ギリシャ人)の名で呼んだ。

② 一方、オスマン帝国内でギリシャ語を話す人々は、自分たちをギリシャ人ではなくローマ人(ロメイ)とみなしていたが、ヨーロッパ人の古代ギリシャ熱に接したことで、自分たちを古代ギリシャ人の末裔として自覚しはじめ、ギリシャ人としての民族意識を高め独立意識を強くし、1830年ギリシャはオスマン帝国から独立した。

③ ヨーロッパの協力を得て独立したギリシャは、外国から国王としてバイエルン王ルードヴィッヒ一世の息子、ヴッテルバッハのフリードリッヒ・オットーを迎え、そのオットーがギリシャを追われた1863年には、デンマークの王家出身のゲオルギオス一世をギリシャ王として迎え入れ、その後も王政が続き、1963年の国民投票で王政の廃止が決まって、ようやく現代のギリシャ共和国が誕生したという歴史経緯がある。

以上を整理すると、現代のギリシャ人は、ローマ人と認識していた人々が、ギリシャ語を話すことから、ヨーロッパ人の影響で古代ギリシャ人の末裔と認識し、現代のギリシャを創ったということになり、ギリシャ語というつながりだけが、古代ギリシャとの関係であって、そこには長い時間を費やしている民族としての血筋・歴史が明らかになっていない、ということになります。
 
ギリシャ危機によって円高となった

 ここで長らくギリシャ問題を取り上げたのは、特別にギリシャに関心が深いのではなく、これが日本経済に大きく影響しているからです。ギリシャ問題から一段とユーロ安となり、その結果、円が高騰しているからです。

6月19日現在1ユーロ112円、一時は108円まで高くなり、2009年12月は132円でしたから20円以上の円高です。この円高は韓国ウォン、オーストラリアドルに始まり、殆どの国に対して高くなって、勿論、アメリカドルに対しても同様です。

日本人全員が承知しているように、日本は長らく景気が良くないのに、どうして円高になるのか。外国から見ると日本経済は別の認識になるのでしょうか。

この素直な疑問に対し新聞等で明確に解説されていません。どうして経済専門家達は整理しないのでしょうか。専門家が分析しないのであれば、我々一人ひとりが、この素朴な疑問について、実態的に整理しておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。以上。

投稿者 Master : 06:52 | コメント (0)

2010年06月06日

2010年6月5日 ギリシャ問題

YAMAMOTO・レター
環境×文化×経済 山本紀久雄
2010年6月5日 ギリシャ問題

企(つまだ)つ者は立たず、跨(また)ぐ者は行かず
 これは老子の言葉で、意味は「つまさきで立つ者は立ち尽くすことができず、大股で歩く者は長く歩くことができない。功を急いだり、人目に立つように自分を見せびらかすような人は、長続きしないし、成功はおぼつかない」。
 要するに、自分の実力以上に無理すると、息切れするという意味で、正に、これはギリシャに該当すると思っていますので、その理由を以下に述べたいと思います。

ギリシャの問題は予測できた
現在、月刊ベルダ誌で「世界よりみち紀行」(ペンネーム・南石堂)を連載しておりますが、ギリシャについて昨年2月号で以下のように書きました。
「欧州単一通貨であるユーロは、1999年1月に11カ国からスタートし、その2年後にギリシャが、続いてスロベニア、キプロス、マルタが導入し、今年元旦にスロバキアが加わりユーロ圏は16カ国になった。だが、ユーロ導入以後7年経つギリシャが、このように社会的安定を欠く実態とすれば、米ドルに代わってユーロが世界の基軸通貨になることは難しいだろう」と。
正に、このような危惧が当たりそうな状況です。今はユーロ売りが少し落ち着きましたが、今年前半の新聞記事をつぶさに追っていくと、EU金融当局、それはEU政府とECB(欧州中央銀行)や、独仏のEU強国政府を指しますが、これらが対策をとった直後に投機筋から売り込まれている状況が分かります。結果として、ユーロを今後の基軸通貨として認識判断し、保有した各国の中央銀行などは大損害を被っています。

何故予測できたか
 ギリシャには2008年3月に訪問しました。その時の印象が強烈で、これはEUユーロ圏の一員として問題だと感じたわけでして、それをいくつか紹介します。
① 空港からアテネのホテルまでタクシーで向かい、アテネオリンピック開催にあわせて整備した高速道路を快適に走った。だが、高速を降りた途端に酷い渋滞。運転手が大げさに手を上げ何か叫ぶその窓向こうに、窓拭きや物売りの若い男が大勢いる。これを見ておやっと思う。ヨーロッパ圏では珍しい。南アフリカ・ヨハネスブルグやインド・ムンバイでは普通の光景だが、ヨーロッパの国々で見かけない物売りだ。
② 次に気がついたのは、タクシーの運転手や信号で物売りしている若者たち、通りを歩いている人たち、その顔や体つきを見ていると、ギリシャに来たとは到底思えない感じだ。
この感覚は1989年11月に、初めてアテネに来た時も感じた。その時もひとりで訪れ、街中を歩いているうちに、今、ここアテネに住んでいる人たちは本当にギリシャ人なのか、という疑問を持った記憶が強く残っている。
古代ギリシャ人の彫刻は国立考古学博物館に行くとたくさん展示されているし、ギリシャ文明を義務教育で学んでいるので、古代ギリシャ人のイメージはしっかり脳に残っている。すばらしい理知的な瞳と顔立ちをしているブロンズ像でギリシャ人のイメージが固まっている。
だから、街中を歩いている人たちは、皆古代ギリシャ人のブロンズ像のようであることを期待し、その確認のためにアテネに来たようなものであるが、実際のアテネを歩いている人たちは、随分異なる。違った国に来た感じだ。
③ 空港から利用したタクシー、メーターがあるので安心し激しい渋滞の車中から、ゼウス神殿とパルテオン神殿に見とれていると、急に狭い路地に入って行き、路地から再び大通りに出るところの角にくると、「あれがホテルだ」と指差す。
大きな建物のホテル名を確認し、間違いないと思い、支払いをしようと思ってメーターをみると、数字は全く消えている。路地から大通りに出る角までのメーター金額は確か13.50ユーロだった。運転手にいくらだ、と聞くと28ユーロだという。一瞬、ホテルのボーイを呼んで、タクシー運転手に文句言ってもらおうと思ったが、これもアテネでの貴重な実体験と思い支払う。すると、25ユーロの領収書と、高速の2.70の領収書をこちらに渡してくる。もう領収書が手書きで用意されていたのだ。
④ ホテルに入り、改めてギリシャを地図上で見てみると、ヨーロッパの東南部、地中海のイオニア海とエーゲ海に挟まれたバルカン半島の南端に位置している。イオニア海の向こう側のイタリアとは海があり陸続きでない。だが、アルバニア、マケドニア、ブルガリアとは北方国境を接し、驚いたことにトルコと陸続きなのである。
   ギリシャはヨーロッパである、というイメージを持って訪れると妙な感覚になる。立地しているのはバルカン半島の突端、回りは東欧諸国とイスラムのトルコ、当然に近東諸国の影響を受けている。
   近東(Near East)とは、バルカン諸国、トルコ、シリア、エジプトなど旧オスマン帝国に対するヨーロッパでの呼称であって、これらの国々に囲まれているのであるから、ヨーロッパ的雰囲気というよりは、実際に見かける光景や食べ物は、バルカン・近東なのだ。
⑤ 夕食はバルカン・近東の雰囲気を持つ、観光客で一杯のプラカ地区で食事をし、ホテルに戻るべく、アクロポリスの丘を遠くに眺め、迷路のような細い路地裏を歩いて、大通りに戻り、交差点に立ち、そこにいる多勢のアテネの人たちを見ていると、再び、今のギリシャ人は本当に古代ギリシャ人の末裔なのであろうか、という疑問を強く持つ。
この疑問について、後日調べて解明しましたが、これを述べ出すと長いので次回として、次にアテネの主婦から送って来た最新の状況をお伝えします。

ギリシャからの便り
アテネに住む主婦から最新の状況連絡を受けました。
「ギリシャ経済は今大変で、最初は、たいしたことはないだろう。又ストライキでもすれば・・・などと高をくっていたギリシャ人も、ここへ来て、あせっています。
 とにかく、公務員だらけのギリシャですから・・・。共働きで学校の先生をしている人たちや、共働きで公務員をやっている人達、国営病院に勤めている人たちが賃金カットに一番怒っています。今まで、楽をしてお給料を貰っていたくせに・・・(笑)。
公務員以外の人たちにはそれほど影響はありませんが、やはり少しは賃金がカットされるようです。電気、水道、電話料金などは自分が使用した料金の2倍以上の税金が加算されていてびっくりします。たとえば自分が使った料金は50ユーロなのに100ユーロ以上もの税金、その他が勝手に付いてきて150ユーロ以上払わなければなりません。一体どうなっているんだと、怒鳴り込む人もいるそうですが、いくら怒鳴り込んでも国のすることには逆らえません。政府は町の統一もするそうです。小さな町は大きな町に合併されるようです。そうやって公務員の数を減らすつもりではないかと思います。
 ギリシャ人は今までストライキをすれば(特に公務員)、国が要求を呑みいれていたので、今回もストライキをすればいいと思っていたようですが、今回は国もそういうわけには行かず強制的にするしかないようです。
ここに来て、ギリシャ人は初めて国が要求を飲まないことが分かったようですが、まだまだ現実のものとは受け止めていないようです。今まで政府は選挙の票取りのためにでたらめな政治を行ってきた付けが一般市民(公務員以外)にも及んで来てこれからはギリシャは大変な生活を強いられると思います。ギリシャ人の悪いところはどうにかなる…と思っていることです。ストライキを続けているのがその証拠で、そうすれば賃金カットはできないと、まだまだ思っているようです。
今まで気楽に、好き勝手なことをして暮らしてきたギリシャ人にとって、今回の政策は大変なことで、これから先、ギリシャは一体どうなるのか、国民は不安になり始めました」

ギリシャのEU加盟は失敗だった
 EU内の経済的強者ドイツ・フランスに対し、明らかにギリシャは弱者です。これら国が一緒になると、ユーロ為替相場は参加国平均となるので、経済強国は割安で有利、弱国は割高で不利となり、結果としてギリシャは背伸び国家運営を行わざるを得ず、国内経済で歪みが生じます。自分の実力以上に無理すると息切れするよい事例です。以上。

投稿者 Master : 06:20 | コメント (0)

2010年06月01日

2010年7月開催のご案内

7月の例会は7月12日(月)に日本女子大学非常勤講師の
佃為成(つくだ ためしげ)氏をお迎えし、銀行倶楽部で開催いたします。

テーマは
「予知」であります。

佃為成氏は東京大学地震研究所准教授であられ、研究分野は「地震学」「地震予知論」の専門家です。
佃氏は「予知」という言葉が誤解されていると主張します。

例えば、地震の分野において予知するというと、ナマズが暴れたとか犬が吠えたとか、何かカンとか超常現象的なことなどと混同して扱われているが、予知とはそういうものではなく、ある事象において、何らかの「サイン」が発せられているのをキャッチし、そこに「考える」ことを加えて成り立つのが「予知」なのです。

ですから、地震でいえば、地下から発する地震の前兆現象、すなわち地下からのサインをキャッチし、それを過去のデータや経験と照合し、これから起こることを前もって知ること、これが予知なのです。
また、この「予知」はさらに人生の生き方にも適用できるものであるとも主張される佃為成氏のご発表にご期待賜りたいと思います。

(佃為成氏プロフィール)
熊本家出身 東京大学理学部卒 同大学院博士課程中退 京都大学防災研究所助手 東京大学地震研究所准教授後 現在 日本女子大学非常勤講師

投稿者 Master : 08:42 | コメント (0)

2010年5月例会の実施結果

2010年5月例会の実施結果

5月例会は2010年5月17日(月)に、経済評論家の森野榮一氏をお迎えし開催いたしました。
まず、森野氏はPIIGS問題、特に今回のギリシャ救済策について、対応政策を発表する度にユーロは下落し、世界の株式が下がるという実態を指摘されました。

また、これは国家・中央銀行でも投機筋に狙われると対抗できない現実を示しているもので、その投機筋の巨大な力は、世界中を巡るマネーは俗に一日3兆ドルともいわれているものが背景にある。
さらに、この「金余り」は2000年のITバブル崩壊を始めとして、リーマンショク等の対策で、先進各国の中央銀行が金融緩和、つまり金利引き下げを行なったことにありますから、自らの金融政策が今日の事態を招いている。

元々、ユーロ圏は統一的な財政・税務・法律等々を整備せず、単一通貨ユーロを先行させたこと、それがユーロ圏諸国の経済不均衡と、ギリシャの粉飾紛い財政発覚を機として金融危機が発生した。
結論として、多くのエコノミストは二番底があるとは考えていない。その根拠としては、GDPの3四半期連続底堅い成長であり、金利も低く、売り上げに対する在庫の比率も低く、住宅や耐久消費財の在庫が驚異的に積み上がっているわけでもないということから。

しかし目先の動きではなく、今の高失業率が解消されないうちに、次の景気後退があるのかどうかという視点から考えれば、二番底懸念は将来への確信に依存するものだ。
もし大衆心理が大衆の血気を萎えさせるようなら、景気後退のリスクが高まるであろう。

このような森野榮一氏の指摘について、ジックリ対応すべきと思います。

ご参加の皆さまの熱心な討論に感謝いたします。

投稿者 Master : 08:37 | コメント (0)

2010年6月定例会(363回)ご案内

経営ゼミナール2010年6月定例会(363回)ご案内

6月は次の内容で開催いたします。詳しくはご案内をお願いいたします。

開催日時  2010年6月21日(月)18:30~20:30
      18:00 集合(食事を用意しています)
      18:15 山本から時流解説
      18:30 山川裕正氏の発表と質疑応答
      20:30 終了
テーマ   今こそ『ビジョンと戦略発想』の経営を志向しよう!
発表者   株式会社CBC総合研究所代表取締役 山川裕正氏


場所    東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
      千代田区丸の内1‐3‐1 Tel:03‐5252‐3791
      東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)


2010年6月例会ご案内

6月は21日(月)に株式会社CBC総合研究所代表取締役の山川裕正氏をお迎えし、銀行倶楽部で開催いたします。

テーマは
「    今こそ『ビジョンと戦略発想』の経営を志向しよう!
 ―リーマンショック後、大転換時代の経営・営業・人生のあり方―
        『変わること、変わらないこと』        」
 でございます。

さらに、山川裕正氏から以下のメッセージも承っております。

「今の日本に一番足りないのは、ロマンであり、戦略発想ではないでしょうか。そのことは、決して抽象的な理想論ではなく、経営、営業の実践論そのものと思っています。
 なぜなら、ロマンがない会社にお客様からみたら魅力のあるわけがなく、高い付加価値を獲得できるわけがないからです。また、精いっぱいの知恵を出しきって活動しなければ、この変化多様化する市場で勝ち残っていけるわけがないからです。

 実は営業も一緒と思います。ロマンとビジョンを抱き、 戦略発想でメリハリよく動ける営業マンこそ、人間的魅力を持って大きな商売をものにしています。将来に不安が広がり、価格競争がより厳しくなっているビジネス環境の今だからこそ、ロマンとビジョンが大事になり、より大きな付加価値を生むことになると、経営や営業の現場から私は実感しています」

このように熱き問いかけと、現在、経営ゼミナールご参加の企業で研修をご担当され、当該企業の社員力アップに貢献されている山川裕正氏のご発表にご期待賜りたいと思います。

(山川裕正氏プロフィール)
1951年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、㈱三越入社。その後、大手コンサルティング会社を経て88年に独立。中小企業の経営診断や新規事業推進などを中心に、ゼネラルコンサルタントとして活躍中。著書に「絶対に勝つマトリックス営業-戦略営業の決め手4つの領域」(プレジデント社)など。

開催日時  2010年6月21日(月)18:30~20:30
      18:00 集合(食事を用意しています)
      18:15 山本から時流解説
      18:30 山川裕正氏の発表と質疑応答
      20:30 終了

テーマ   今こそ『ビジョンと戦略発想』の経営を志向しよう!

発表者   株式会社CBC総合研究所代表取締役 山川裕正氏


場所    東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
      千代田区丸の内1‐3‐1 Tel:03‐5252‐3791
      東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)
アクセス:http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm

会費 オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意ください。
お問い合わせ 
 出欠ご連絡先:経営ゼミナール 
 メール:info@keiei-semi.jp
電 話:048‐824‐4859
 FAX:048‐824-4833

投稿者 Master : 08:28 | コメント (0)