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2009年05月28日

2009年6月例会のご案内

経営ゼミナール2009年6月定例会(352回)ご案内

6月は15日(月)に開催いたします。

テーマは経済分析です。
金融危機後の世界と日本の経済は、次のように悪化・反転の見解が日々変化激しく展開されており、実体をとらえることが難しい状況にあります。

1)IMFは2009年の世界経済がマイナス1.3%になり、米国はマイナス2.8%、日本はマイナス6.2%に落ち込む見込みと発表(2009年4月23日)
2)バーナンキFRB議長は「米景気は経済活動が底入れし、今年の遅くに景気が反転すると予想している」と発言(2009年5月6日)
3)OMB(米行政管理予算局)のオルザク局長は「米景気は急激な下降には歯止めがかかったようだ。景気悪化のペースは鈍化した」と発表(2009年5月18日)
4)日本経済は1-3月期GDP年率15.2%減で、与謝野財務・金融・経済財政相は「景気が急速に悪化し、厳しい状況にある。一方で輸出、生産など一部の経済指標には、下げ止まりや若干の改善を示すかに見えるものがある」と発表(2009年5月20日)
5)FRBは「米経済が安定的な成長軌道にもどるには5~6年かかるとの見方がFRB内で優勢になっている」と発表(2009年5月21日)

このように各立場から判断も揺れ動く難しい2009年、既に半年経過した6月15日は、経営ゼミナールでお馴染みの経済アナリスト・北川宏廸氏にご登場いただき、世界と日本経済について解説していただきます。
北川氏には2008年9月にもご発表いただいており、その際の経済分析とその後の経緯も含め、混迷と先行き不安の経済実体について北川氏の鋭く的確な分析から学びたいと思います。

経済感覚を磨く良い機会と思います。皆様のご参加をお待ちしております。

【日時】2009年6月15日(月)
    午後 6:00 集合(食事を用意しています)
       6:15 山本代表の時流報告 
       6:30 北川宏通氏発表
       8:30 終了

【場所】東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
    千代田区丸の内1-3-1 Tel:03-5252-3791
    東京駅丸の内北口より徒歩5分(皇居和田倉門前)
    アクセス:http://www.kaikan.co.jp/bankersclub/access/access.htm

【テーマと発表者】
テーマ 世界と日本の経済状況と今後の予測
発表者 株式会社イムラ封筒監査役・経済アナリスト
    北川 宏廸氏

略歴
北川宏廸氏(きたがわひろみち)1940年生
1963年(昭和38)3月  慶應義塾大学経済学部卒業
1963年(昭和38)4月  日本興業銀行入行
1985年(昭和60)1月  ジャパンライン株式会社(現商船三井)
               社長室長
1989年(平成元年)4月  日本興業銀行池袋支店長
1992年(平成4) 6月  興銀リース株式会社 常務取締役
1996年(平成8) 6月  八重洲リース株式会社 代表取締役
1998年(平成10)6月  永和地所株式会社 取締役社長
2001年(平成13)4月  株式会社イムラ封筒 監査役(現在)


* 会費 オブザーバー参加の方は、当日会費として1万円をご用意下さい。
* 問い合わせ 
  出欠:編集工房 代表 田中達也 
  電 話:03−6806−6510
  FAX:03−5811−7357

お申し込みはこちら

投稿者 lefthand : 02:22 | コメント (0)

2009年7月例会の予定

7月は27日(月)に開催いたします。
(20日の月曜日は祭日につき、27日開催)
テーマはベトナム実態分析です。

ベトナム経済は、2008年に一人当たりGDPが一千ドルを突破し国内購買力が上昇、GDPに占める個人消費割合は約60%と、中国の33%(2007年)など他の新興国に比べて高いのが特徴です。
日本のコンビニ・ファミリーマートも、この消費実態を狙って9月を目途に現地企業と合弁で運営会社を設立、年内に店舗を展開する計画を発表しました。
このようにベトナム経済へ日本企業の関心は高まっておりますが、実際のベトナム実態はどのような状況下にあるのでしょうか。
皆さんもよくご存じのとおり、ベトナムに行って驚くのは、インフラ整備の基盤である都市交通の渋滞です。今まで世界で実際に経験した渋滞の酷さでは、エジプトのカイロが一番で、その次にベトナム・ハノイ、第三位がロシア・モスクワではないかと思っています。
7月の例会では、このハノイ市の交通対策等に取り組んでいる齋藤威氏にご登場いただきます。

テーマは「ベトナムの道路交通事情と課題」です。
齋藤威氏は、2006年4月から今日までJBIC(国際協力銀行)、JICA(国際協力機構)の専門家として、年間の約半分をハノイに滞在し、ベトナムの道路交通安全計画策定プロジェクト、ハノイ市の交通安全人材育成プロジェクト等に参画し、ベトナムの交通安全マスタープランの策定や、ハノイ市の交通安全対策担当機関(ハノイ市交通局、ハノイ市交通警察部、人民委員会広報部等)の人材育成に関わっておられます。
これらの体験を通して得たハノイの道路交通事情と共に、ベトナムの現地の生活を通して経験されたベトナム社会の実態についても言及していただきます。
どの外国の情報でも同じですが、マスコミで報道されるものは表面上の一般的な報道であって、なかなか実態に切り込んだ情報はありませんし、また同時に、文字では表現できないような実態があるのかも知れません。
斎藤氏のように、現地に長期間滞在し生活経験ある方から直接お伺いするのが、最も妥当な実態把握になると思います。
7月の経営ゼミナールにご期待願います。

略歴
齋藤威氏(さいとう たけし)1945年生
元警察庁科学警察研究所交通部長
現TRS研究所首席研究員

投稿者 lefthand : 02:17 | コメント (0)

2009年05月26日

2009年5月例会報告

経営ゼミナール例会
2009年5月18日
『丸の内再開発から見る大都市街づくりの方向性』
 三菱地所 都市計画事業室 副室長 遊佐謙太郎氏
 大國道夫・都市・建築総合研究所 代表取締役 大國道夫氏

5月18日(月)、第351回例会が執り行われましたので、報告いたします。
今回は、東京駅を中心とする大手町・丸の内・有楽町地区の再開発の事例を聞き、大都市のまちづくりを学びました。

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ご発表くださったのは、三菱地所株式会社 都市計画事業室副室長の遊佐謙太郎氏と、大國道夫・都市・建築総合研究所 代表取締役の大國道夫氏。
遊佐氏は、大手町・丸の内・有楽町地区、略して大丸有地区(以下、大丸有地区と表記します)の再開発を官民一体となってデザインすることに奔走されておられ、大國氏は大丸有地区の再開発のグランドデザインを描いたご経験を生かして、世界各国の都市開発の事例を調査しておられます。
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遊佐謙太郎氏(右)と大國道夫氏(左)

今回は、大丸有地区の再開発の現状と、世界の都市開発の事例をご紹介いただきながら、東京駅周辺の再開発の方向性を考える会となりました。

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遊佐謙太郎氏

大丸有地区のまちづくりシステム
大丸有地区は、明治時代から今まで大きく分けて3回の開発が行われてきました。
・第1次開発…明治〜昭和戦前(赤煉瓦、旧丸ビル)
・第2次開発…昭和30〜40年代(31mビル)
・第3次開発…1995〜現在(高層ビル)
その中で、今回行われております第3次開発は、前の2回の開発と大きく異なるところがあります。それは、前の2回が民間中心の開発であったのに対し、今回は地権者からなる協議会、行政、民間企業などが協調して地区全体の方向性を話し合い、足並みを揃えて開発を行っているということです。

大丸有エリアの概要
大丸有エリアの概要を列挙します。
・面積…約120ha(南北に約1.7km、東西に約400〜800m)
・約100棟の建物、床面積690ha
・就業人口…約24万人、約4,000社
・総売上高…約120兆円(日本のGDPの約24%を占める)
・鉄道利用者…約93万人/日(20路線・13駅)

まちづくりガイドライン
大丸有地区の再開発は、公民協調組織「大丸有地区再開発推進協議会」が主体となって運営されています。
大丸有地区再開発推進協議会は、1988年に設立され、現在は96の地権者などからなる会員によって組織されています。
協議会によって1994年、「まちづくり基本協定」が策定されました。
1)新たな都心景観の形成
2)国際業務センターの形成
3)快適な都心空間の形成
4)総合的・一体的まちづくり
5)社会的貢献
6)公民協調のまちづくり
7)まちづくり推進システムの構築

協議会の基本協定に基づき、地区の再開発をする際のガイドラインがつくられました。
再開発推進協議会に、千代田区、東京都、JR東日本も加わり、「まちづくり懇談会」が設けられ、再開発を行う際のルールが決められたのです。それが、「まちづくりガイドライン」です。
ガイドラインは主に次の項目から成っています。
1)ガイドラインの位置づけ
2)大丸有地区の将来像
3)まちづくりのルール
4)まちづくりの手法
5)推進方策
民間の再開発や公的な空間整備は、このガイドラインに沿ったものである必要があり、これに沿っていないと建て替えはできない、というくらいのものです。

では、このガイドラインの内容についていくつかの具体例を見てみましょう。

全体の街並形成
ガイドラインでは、大丸有地区を「ゾーン」「軸」「拠点」に分け、それぞれの景観整備を行っておられます。
・4つのゾーン…大手町、丸の内、有楽町、八重洲
・7つの軸…東西南北に走る通り
・4つの拠点…鉄道駅を中心として

スカイライン(高さ景観)の形成
1)東西方向
皇居からすり鉢状のラインを描くようにビルの高さを形成する。
皇居の低いラインから、だんだん高くなっていく緩やかなカーブを描くようなビルの配置。
2)南北方向
拠点とその他でひな壇状にビルの高さを形成する。
拠点は200m程度、その他は150m程度に高さを揃える。

遊佐氏資料より(クリックで拡大します)

街並〜人の動線形成
1)丸の内、有楽町地区
低層部の上に高層棟を乗せ、低層の街並が連続するように形成する。
2)大手町地区
高層棟と敷地内の外部空地が連続するように形成する。

遊佐氏資料より(クリックで拡大します)

サイン
地下通路などの標識を、一般来街者にもわかりやすいように統一性をもたせる。

ライティング
ビル上部のライティングの色調に地区全体としての共通性や一体性を持たせる。
色、明るさなど細かく規定されている。景観としての統一感や品格が保たれるよう工夫されている。また、拠点となるビルと周りのビルとの色識別など、アクセントをつける配慮も行われている。

ビルの復元
大丸有地区の再開発には、歴史あるビルの復元事業も含まれています。
1)旧三菱一号館
有楽町地区。三菱一号美術館として復元。オリジナルはジョサイア・コンドル設計。1894年竣工。

遊佐氏資料より(クリックで拡大します)

2)東京駅丸の内側
丸の内地区。2012年春竣工予定。
今回のお話をお聞きして、最も心躍ったのがこの東京駅丸の内側の再開発でした。
赤煉瓦の駅舎が復活し、現在道路になっている駅前はすべて広場になるそうです。そこから行幸通りにかけ、緑豊かな直線の歩道が広がり、皇居へと続いていきます。その姿はとても美しく、まさに「日本の顔」と呼ぶに相応しい景観になるのではないかと期待しています。

遊佐氏資料より(クリックで拡大します)

その他の取り組み
1)地域冷暖房…個別熱源方式に比べ約20%のCO2削減。
2)風の道…東京湾からの海風と、皇居からの滲み出し冷風の通り道を形成。
晴海通り、行幸通り、日本橋川沿いの3カ所で、2度程度低い風が通る。
3)ヒートアイランド対策…行幸通りでの緑化、散水、噴霧など。
4)緑のネットワーク…緑化。
5)イベントの運営。
6)丸の内シャトルの運営。
7)野球大会の運営。
8)丸の内ウォークガイド…大丸有地区のOB/OGによる、歴史文化などをテーマとした一般向けガイドツアー。
9)東京ミレナリオの運営…東京駅再開発竣工後、復活の予定。
10)東京駅周辺防災管理。

まとめ
大丸有地区の再開発は、地権者全体の参加+公民協調+NPOなどによる運営という、バラバラに行われていたものを一体としたまちづくりを行っておられるところに、最大の特長があるといえます。
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これらは従来とても難しいものであったように思います。利害が異なるさまざまな立場の方々を、主導的に引っぱっておられる遊佐氏のご努力に感服すると同時に、遊佐氏をはじめとする協議会の熱意あるリーダーシップのおかげで東京駅が美しく生まれ変わることを、とても嬉しく感じることができました。

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大國道夫氏

続いて、大國氏のご発表です。
大國氏は、大丸有地区の再開発事業にあたり、世界各国の都市開発の現状を調査し、それらのさまざまな事例をもとに、当地区の再開発の方向性を決める役割を担ってこられました。
大國氏は、大丸有地区再開発の特長は、建築上の諸問題(容積率、高さ規制など)を、それぞれの異なる立場の人間が力を合わせて協議し、まちづくりを行っていることだと語っておられます。そして、これは現在も、そしてこれからも続くダイナミックなものであると述べておられます。

大國氏が目指す都市開発の姿は、「持続可能な都市への改造」という言葉に象徴されているように思います。
先進諸国、特にヨーロッパでは、都市間の開発競争が激化しているのだそうです。その中で、これからは「環境」「高齢化」への対応が必要とされています。それが、持続可能な都市ということなのです。そのために、各国の都市ではさまざまな特長を持った開発が行われています。


それでは、大國氏が調査してこられた、世界の都市開発の現状を、資料に基づいてご紹介していきます。

イギリス・ロンドン
■ドックランズ
新市街地ドックランズの再開発では、シーザーペリー氏の設計によるアメリカ型の超高層オフィスビルなどの集積が進み、シティーと結ぶ鉄道も完成し街が成熟期に入っている。
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ドックランズ

■パタノスター地区
旧市街地のセントポール寺院に隣接したパタノスター地区では、長年かけて低層の伝統的デザインによる開発が完了した。
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パタノスター地区

■シティー
金融街シティーでは、これまでとまったく違った新しい超高層オフィスビル・ガーキンビルが建設された。さらに、ピラミッド型の超高層型のオフィスビルや、伝統的デザインをモチーフにしたオフィスビルが建設中である。
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シティー

フランス・パリ
■ラ・デファンス
フランス政府は1958年に計画に着手した。地区の開発を実施したのは国と地方自治体によるラ・デファンス地区整備公社(E.P.A.D.)である。
ラ・デファンス地区は、ルーブル宮殿から発し、コンコルド広場、凱旋門を通り郊外へ延びていくパリの歴史軸の延長線上に位置する。
パリ市内ではあまり見られない大型施設や超高層ビルが集積している。
パリ市内では景観保護や伝統的な建築物の保護のため、そのような施設を建設することが難しい。
※しかし、旧市街地にも新しいビルが建設され始めている。
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ラ・デファンス

イタリア・ナポリ
■ナポリ新都心
ナポリ市の中心に位置する歴史地区は、深刻な交通渋滞、大気汚染問題を抱えている。
その問題から少しでも解放され、歴史地区の本来の都市機能である、住居・文化・観光に適した地区に回復するために、ナポリ中央駅に隣接した110haの敷地に、官公庁や大企業のオフィスビルを移転させ、居住空間をも含んだ新都心を計画・建設させることになった。
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ナポリ新都心

ドイツ・ベルリン
■ポツダム広場
1989年にベルリンの壁が崩壊した。
ベルリン市はこの地域を四分割し、それぞれを開発するデベロッパーに売却した。
4つの地区のうち最大のものは、ダイムラー・ベンツが担当した(ダイムラー・クライスラー・アレアール、もしくはダイムラー・シティ)。
レンゾ・ピアノによって基本計画が立てられ、個々のビルはこの基本計画に沿って、それぞれさまざまな建築家の設計で建てられた。
二番目に広い地区はソニーが担当し、ヨーロッパ本社を建設した。ヘルムート・ヤーンによる、印象的でガラスと鉄からできた軽快な一枚岩のソニーセンターは、ベルリンにおける近代建築の最高峰のひとつだとみなされている。
※レンゾ・ピアノの基本計画は、大丸有地区再開発の参考にされたそうです。
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ポツダム広場 ソニーセンター

スペイン
■ビルバオ
ビルバオ・メトロポリー30によるビルバオ地区の再生戦略プランの立案・推進機構と、Ria2000(住宅公団のような組織)によるアバンドイラ地区、アメソラ地区再開発。
アバンドイラ地区にはグッゲンハイム美術館が建設され、現在シーザーペリー設計の超高層オフィスビルが建設中である。
アメソラ地区では、地下ネットワークと地上の活用が進められた。
※ アメソラ駅にフタをするような格好で地下化し、その上に公園と住宅を造り、その売却益でさらに開発を進めるという手法がとられています。
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アメソラ駅

■マドリッド
マドリッドM30環状高速道路改造と、マンサナレス川の水辺空間整備。
マドリッド市内を走る、延長約35kmの環状道路M30は、交通量の増加に伴い渋滞の慢性化、騒音、排気ガスによる周辺環境の悪化、市街地の分断などが問題となった。
その解決に向けて、マドリッド市および民間の共同出資の事業体である「Madrid Calle 30」が設立された。
また、マドリッド市街地を貫流する唯一の河川であるマンサナレス川は、M30路線で囲まれており、高速の地下化を契機に、親水、景観、自然環境に配慮されたマンサナレス川の水辺空間整備のための取り組みが「Projecto Pio」として計画された。
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マンサナレス川


以上、大國氏の資料より引用させていただきました。

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まちづくりの経緯を、大丸有地区、また、世界の都市開発の現状から眺めてみますと、いかに全体のグランドデザインがしっかり策定されていなければならないかが分かるように思います。そして、それには、異なる立場の人びとが力を合わせ、方向性をすり合わせていくことがとても重要なのです。
その意味で、大丸有地区の、公民協調の組織作りがいかに大事なことであったかをあらためて思い知ることができました。そして、皆が一致協力して当地区のガイドラインを作成されたおかげで、2012年の東京駅丸の内側の素晴らしい景観ができつつあるのだと感じた、今回の例会でした。

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遊佐様、大國様、大変お忙しい中のご講演、誠にありがとうございました。
また、活発な質疑で交流を深められた参加者の皆様、ありがとうございました。

(事務局 田中達也・記)

投稿者 lefthand : 21:03 | コメント (0)

2009年05月20日

2009年5月20日 情報力が国を拓く

YAMAMOTO・レター
環境×文化×経済 山本紀久雄
2009年5月20日 情報力が国を拓く

ミシュラン観光ガイドブック

今年の3月16日にフランスで、ミシュラン日本観光ガイドブックが初出版されたことは既にお伝えしました。また、この中で日本の温泉星付きは、たったの9か所しかなく、そのうち三つ星は1か所のみで、それは別府の共同風呂「ひょうたん温泉」であることもお伝えしました。

この結果について、各地で多くの方にお伝えしていますが、先日、世界と日本の温泉について最も詳しいと自負されている、日本の専門家とディスカッションになり、以下の反論を受けました。
「ミシュランの格付けはおかしい。フランスの世界遺産モンサンミッシェルに行って、素晴らしいステンドグラスがあると思ったらなかった。それと同じでひょうたん温泉なぞは大したことない。自分が温泉の格付けをつくり、上位から並べてみる」と。
モンサンミッシェルのステンドグラスという意味がよく分かりませんが、とにかく激しくミシュランの星付けを非難しました。しかし、このような反論は無意味です。
その理由は、ミシュランが持つブランド力です。世界中の人々がミシュランという格付け力を評価しているのですから、「ひょうたん温泉」の三つ星認定を、多くの人々は疑問を持たず受け入れるでしょう。
日本の温泉第一人者がいくら息巻いても、世界の人々はミシュラン格付けを認識します。

観光立国、世界遺産は脇役

脚本家の橋田寿賀子さんが次のように述べています。(日経新聞2009.5.11)
「海外から観光客を誘致するとなると、すぐ世界遺産に登録された有名観光地などの名を挙げます。でも、日本の世界遺産が外国人の人々にどれだけ魅力的に映るのかというと、少し疑問もあります。
日本の観光面での魅力はもう少し違うところにもあるのではないでしょうか。例えば、日本の原風景ともいえる里山などごく普通の景色、四季折々の表情豊かな自然、そして何よりも日本人のきめ細やかなもてなしなどです。
NHKスペシャル『映像詩 里山』を見ても、外国にない日本独特の繊細な風景です。また、飛騨高山の町並み、北海道や瀬戸内海の自然の景観を楽しんだり、東京の下町の旅館に喜んで泊まったりする人が増えていますよ。ごく普通の自然や市民の営みが、外国の方々の人気を集めているのです」

欧米人の多い街

岐阜県高山市はミシュランの三つ星で、外国人それも欧米人が多く訪れます。
今年の7月19日、この日は山岡鉄舟の命日ですので、鉄舟が少年時代を過ごした高山の宗猷寺、ここは両親の菩提寺で、ここで「山岡鉄舟法要兼記念講演」を行うことから、このところ何回か高山を訪問しています。
先日も、宗猷寺の本堂でご住職と打ち合わせしていますと、お賽銭箱の間から本堂内を覗く欧米人男女がたくさんいますし、境内を歩いているのは欧米人ばかりです。「今日は」と挨拶すると「コンニチワ」と愛想良く答えます。ご住職は「日本人は古い街並みのさんまち辺りで止まってしまい、ここ東山界隈には来ませんよ」と語ります。
夜は高山陣屋近く、高山祭の屋台置き場真ん前、百余年の歴史を持つ後援者のご自宅でご馳走になりました。このお宅の玄関は格子戸で身体を折り曲げないと入れない低さですが、中に入って行きますと、天井が次第に高くなって、階段を上がると、そこは飛騨建築の見事な奥座敷、鴨居・欄間・屏風に見とれていますと、座卓上に飛騨料理が並びだし、これがすべて手料理、それが結構な味わいで、加えて、食器が美術品のごとき飛騨陶器なのです。
この座敷で、こちらの奥様、それと高山郷土館の学芸員、市会議員、飛騨の里のガイドの方と、飛騨高山文化の薫り高き話題でひと時を過ごしたことで、ミシュラン三つ星格付けと自分の実感が一致し、高山に対するミシュラン評価については納得しました。

小浜市

翌日はオバマ大統領で話題となった、福井県小浜市に行きました。JR小浜駅前の観光案内所に入りますと、係の女性がとても親切に地図を広げて説明してくれます。この対応を見て、この街は、多分、感じがよいだろうと先入観をもちました。
ちょうど昼時でしたから、まず、魚センターに行き、入口の食道に入り、さば焼き定食を食べましたが、これが最高の味です。こんなに美味い理由を聞いてみようと、おしゃれな若いウェイトレスに尋ねますと、ちょっと待ってくださいと言いながら、調理場から魚センター理事長の名刺をもった人物を連れてきました。この店のご主人ですが、これまた親切に小浜の魚について解説してくれます。なるほどと思い、ついでにすぐ近くの漁業組合に行きますと、課長の名刺を持った人物が、小浜の魚について巧みに教えてくれます。
この町は親切だなぁと、次に市役所に行きました。フロアの表示板で観光課を探しますと「観光局準備室」とか書かれています。観光部門を昇格させようとしているのかと考えつつ、二階に上がり窓口の女性に尋ねますと、すぐに主査の名刺を持った若い男性が飛んできました。
この主査がまたもや親切、加えて、詳しいのです。観光担当ですから詳しいのは当然だと思いますが、その言動が当を得て勘所をつかんでいるのです。そこで、夕食はどこがよいだろうかと相談すると、こちらが宿泊するホテルを確認し、直ちに近くの飲食店の名前と大体の予算額を述べます。感心しました。
従いまして、主査が紹介してくれたところに行きましたが、推薦通りの料理と女将の接客に「なるほど」と納得し、こういう日本人の持つきめ細やかな感覚、つまり、昔ながらの親切で対応してくれる町が、ミシュランの星付けになればよいなぁと思った小浜でした。

丸の内再開発

5月の経営ゼミナール例会は、東京駅周辺120haにわたる丸の内再開発について、実際に実務を担当している推進責任者と設計を担当された方から、詳しく経緯と現状、今後の計画を伺いました。
多くの地権者が存在している中で、全体の合意形成までに持っていくのは大変なのですが、日毎に変化していく丸の内界隈を見ると、再開発はうまく進んでいると納得しました。
特に感心したのはネットワークという考え方を取り入れていることです。地上と地下を歩行者の歩きやすさという視点から通路を整備し直し、ビルごとの地下駐車場を4街区にまとめ直し利便性を上げ、高層ビルが道路と隣接する部分を低層化し街並みと一体化を図って圧迫感を排除し、皇居の豊かな緑と東京湾からの風を取り込んだ風の道づくりなど、今までの都市形成では弱点とされた「つなぎ」感覚を新しく取り入れていることです。
併せて、世界主要都市の再開発動向についても勉強し、丸の内の実態は世界でも優れていると再認識いたしました。その証明は、世界の主要都市から大勢見学者が訪れていることです。毎日のように歩いている丸の内界隈の変貌、完成までには相当の時間がかかるでしょうが、全体が見えたある時点で、ミシュランガイド星付きを期待したい開発です。

情報は双方向

孫子兵法第三篇謀攻に「知彼知己、百戦不殆」(敵情を知って味方の事情も知っていれば、百回戦っても負けない)があります。さすがに2,500年の風雪に耐え生き残っている世界の生き方指針と思いますし、この孫子に従って考えれば、冒頭の温泉専門家のようにミシュラン格付けに反論するのでなく、逆に高く関心を持ち、どのようなところを認めて「ひょうたん温泉」を三つ星にしたのか、という情報収集が大事になります。
日本は第二次世界大戦で情報戦争に負けました。アメリカに日本軍の暗号が解読されていて、それがミッドウェイ海戦の敗北、山本五十六司令長官の戦死につながって、最後までアメリカの暗号を解読できませんでした。「ヒトラーのスパイたち」(クリステル・ヨルゲンセン著)には、ドイツの敗戦は情報戦に要因があり、ドイツ情報部の特徴を一言で表現すれば「多くの活動、少ない情報」とあります。全く日本軍と同じです。
 いくら小浜が、丸の内が素晴らしくても、ミシュラン星付きにならないと世界へのデビューは不可です。知らざる「ひょうたん温泉」だけが、何故に3,000余か所の中から三つ星になったのか。その背景を冷静に探ることこそが、実は、日本を観光大国にする最適・最短の方策であり、ミシュランは「情報力が国を拓く」と教えてくれているのです。以上。

【6月のプログラム】

6月12日(金)16時   渋谷山本時流塾(会場)東邦地形社ビル会議室
6月15日(月)18時経営ゼミナール例会(会場)皇居和田蔵門前銀行会館

6月14日(日)13時 山岡鉄舟研究会(特別例会)靖国神社参拝と散策会

投稿者 lefthand : 07:25 | コメント (0)

2009年05月10日

2009年5月例会へのお誘い

【日時】2009年5月18日(月)
【場所】東京銀行協会ビル内 銀行倶楽部 4階3号会議室
【テーマと発表者】
テーマ 丸の内再開発から見る大都市街づくりの方向性
発表者 三菱地所 都市計画事業室 副室長 遊佐謙太郎氏
    大國道夫・都市・建築総合研究所
                代表取締役 大國道夫氏

フランス人が来日し素晴らしいとほぼ全員がほめる新幹線は、東京駅を起点に、東海道、東北、上信越と全国につながっていますが、こういう駅は世界的にめずらしく、多くの外国人がその効率化に驚きます。

また、東京駅から宮殿南車寄までの約1.8キロメートルを、儀装馬車が走るのを時折見かけますが、これは新任外国特命全権大使による、宮中で信任状を天皇陛下に捧呈する信任状捧呈式に臨む場面で、新任大使のほぼ全員が皇室馬車で送迎されることを望みます。
このように馬車で送迎しているのは世界的に見てもめずらしく、送迎用の儀装馬車は,二頭曳き座馭式(ざぎょしき)と呼ばれ,そのほとんどが明治の終わりから昭和の初めに製造されたもので,美術品的価値も有しています。
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だが、ここで忘れてはならないのは、 この美術品的馬車列と周りの丸の内界隈の景観に違和感がないことです。
つまり、丸の内地区の再開発は、伝等美に輝く皇居と、素晴らしい効率化の東京駅、この両者に配慮して、長いスパンでの検討と計画作りを進め、その実現がようやく実りの秋に向い、日本の玄関東京駅から皇居までの美しさを完成させようとしているのが今です。
5月の経営ゼミナールは、この丸の内再開発を実際に手がけられている
●三菱地所 都市計画事業室 副室長 遊佐謙太郎氏
から概要をお伺いします。
さらに、世界の都市には、必ずその都市が持つ背景・性格が存在しています。ですから、丸の内再開発も同様で、東京都がもつ背景・性格があって進められていますが、これを世界の他都市と比較分析した概要を
●大國道夫・都市・建築総合研究所 代表取締役 大國道夫氏
からお伺いします。

2016年オリンピック招致は、東京、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロの4大都市の争いになっているタイミングに、東京の中心である丸の内周辺の変化について認識することは意義あることと思います。皆さんのご参加をお待ちしています。

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投稿者 lefthand : 11:16 | コメント (0)

2009年05月06日

2009年5月5日 日本は田舎がいい

YAMAMOTO・レター
環境×文化×経済 山本紀久雄
2009年5月5日 日本は田舎がいい

ゴールデンウィーク

各地の空港や駅は、家族連れや行楽客でにぎわっていますが、豚インフルエンザから変異した新型インフルのおかげで、海外に行くことをキャンセルした人も多く、当方も、5月の海外出張は取りやめまして、今後はインフル状況次第と考えています。

山梨県北杜市

ゴールデンウィークの前に山梨県北杜市に行きました。その内容を山岡鉄舟研究会ホームページに掲載いたしました。概要は以下です。
山岡鉄舟研究会のホームページへ

(1)4月19日、山梨県北杜市に鉄舟の書があるとのことで、新宿から約2時間。JR中央本線・長坂駅を降り、北杜市白州(はくしゅう)町、ここは甲州街道の宿場町でして、今も昔の街道風情を残すところの酒蔵「山梨銘醸株式会社」を訪ねました。創業300年で、白州宿の本陣も兼ねていたところです。
(2)店構えは立派で、大きな杉玉に「七賢」の看板。中に入るともろみのいい香りがします。また、「行在所(あんざいしょ)ご案内時間」の看板もあります。
(3)ここには明治13年、明治天皇ご巡幸の折、母屋の奥座敷を行在所(仮の御所の意)としてご一泊され、天井が高く、立派な梁が縦横に組まれ、庭も趣があります。
(4)次の間に入ると、鉄舟書の屏風が目に飛び込んできました。高さ一間あまりの大きさです。鉄舟は明治天皇侍従でしたから、事前視察時に書いたものですが、ここは日本酒の試飲もあって、七賢酒造はうまい酒と知られていますから観光客が結構おりました。
(5)次に向かったのは「長坂郷土資料館」の「富岡敬明展」です。この資料館は山に囲まれた田園地帯に忽然と建てられた感の立派な建物です。「富岡敬明」とは、山梨県最初の権参事(副知事)で、晩年この地域の文化活動、文人育成に貢献した人物ですが、もともと佐賀の人で、この地に地租改正実施に絡む農民暴動を鎮めるため、佐賀から派遣されました。この派遣時に、鉄舟が伊万里県(佐賀県)権令(知事)の時期で、鉄舟が富岡敬明を推薦したといわれている経緯を、学芸員の大庭女史から教えていただき、詳しい解説に驚くと共に、他に誰も来館者がいないことにビックリしました。

知られていない増富の湯

北杜市はちょうど桜の季節。この時期だけ営業している桜バスで、七賢酒造から韮崎駅までの窓外は素晴らしい景観が広がっていました。さらに、韮崎駅から増富の湯までの道はこれまた桜の街道で、東京より少し遅れた山桜の満開を楽しみ一泊いたしました。
 翌日は、益富の湯で経営ゼミナール四月例会を開催いたしました。その様子も経営ゼミナールホームページから概要をご案内いたします。
経営ゼミナール2009年4月例会報告

(1)「増富の湯」は、増富ラジウム温泉郷の中にある日帰り温浴施設です。周りには9軒の温泉旅館がひっそりと点在する、自然に囲まれた山間の温泉地です。
(2)セミナー室で総支配人の小山芳久氏より、増富の湯の説明と、同館が実施されている「健康増進プログラム」についてのお話を伺い、実証データと社会背景からの温泉入浴の必要性を納得しました。
(3)増富の湯は3種類の温度の温泉浴槽があります。源泉そのままを浴槽に流している25度、30度に加熱したものと35度に加熱した浴槽です。
(4)小山氏からの入浴心得は、まずはそれぞれに浴槽に手を入れ、心地良いと感じる温度の浴槽に入ることが大事で、入っていて、寒いと感じたならば、すぐに出て温かいお湯(沸かし湯もあります)に入ること。決して我慢や無理をしないこと、つまり、「自分の気持ちに逆らわないで入ること」でした。
(5)たっぷり1時間ちょっとの入浴を経て、次は、地元の幸をふんだんに使った、その日の朝スタッフが摘んでこられた山菜料理「摘み草定食」をいただき、その後、裏山「命の径」に入り、じゅうたんのように厚く積もった落ち葉の上に、シートを敷き寝て、小山氏のゆったりとしたリードで深呼吸、続いて風の音、鳥の声に耳を澄ませ、自然の息吹を感じとるよう集中させると、いつの間に寝入ってしまうという経験をしました。
このようにすばらしい増富の湯ですが、驚いたことに一般に知られていません。経営ゼミナール例会に参加した方全員も知らなかったというわけで、勿論、温泉側は日夜熱心に伝える努力をしていますが、現実は知られていないのが事実です。
しかし、実際の北杜市には日本人が余り知らない、素晴らしい日本があります。

ミシュラン観光ガイドが選んだ三つ星★★★温泉

以下は温泉文化研究会で私がお伝えした内容です。
温泉保養文化研究会ホームページへ

「09年3月、フランスで『ミシュランガイド・ギードベール・ジャポン』が発刊されました。これはミシュランが編集した観光ガイドで、日本版は初めての発行です。9月に英語版が発売されますが、外国人が日本に観光にやってくるためのガイドですから、日本語版は発刊されません。
さて、このミシュランガイドをひもといてみますと、様々な日本の観光地が紹介されています。もちろん、例の星★の評価付きです。東京近郊の三つ星★★★は、明治神宮など数多くありますが、その中に東京都庁もラインナップされています。日本人の我々から見ますと、評価基準の感覚が少々異なっていることに気づきますが、高尾山に急に外国人が訪れ出したと、以前に話題なったことがありますが、あれはミシュランの簡易版ガイドに★★★として紹介されたからです。
ところで、日本の温泉地はどのように紹介されているでしょうか。日本に温泉地は3,000余カ所以上あります。ところが、ミシュランガイドの中に紹介されているのは、何と9カ所しかないのです。これは驚きです。しかも、★★★であるのは、たったの1カ所です。一体どこが、ミシュランで★★★を獲得したのでしょうか。
その種明かしをする前に、選ばれた温泉地を順次ご紹介しましょう。
★=別府、登別 / ★★ =湯布院、黒川、指宿、野沢、新穂高、竹瓦
ほとんどは聞き覚えのある有名な温泉地ですが、★★の最後、竹瓦温泉(たけかわらおんせん)はご存知の方は少ないのではないかと思います。
では、3,000余カ所から選ばれた唯一の★★★温泉地は…。それはひょうたん温泉です。
ご存知でしたでしょうか? ひょうたん温泉は、竹瓦温泉とともに、別府にある『共同浴場』なのです。竹瓦温泉は、大分県別府市にある市営温泉で、入湯料100円。ひょうたん温泉は、これも大分県別府市にある日帰り温浴施設で、入湯料700円です。これらが、ミシュランが評価した日本の温泉です。
★の数の少なさもさることながら、我々日本人が一般に評価する温泉地との解離が甚だしい、ということにお気づきになられるのではないかと思います。例えば、日本一と謳われる草津温泉や、箱根、伊豆など人気の温泉地、また道後、有馬、など歴史ある温泉地が★を獲得していないのです。知られざるミシュランの格付け認識、これは一体どういうことなのでしょうか」
なお、研究会にご参加の温泉関係者の方々も、ひょうたん温泉を知りませんでした。知られていない地方の共同風呂が★★★という事実、ここに何かのヒントがあるのです。

日本は田舎がいい

今年の3月、エストニアのタリンで、立命館アジア太平洋大学を卒業し、日本語は普通の日本人と全く同じレベルのエストニア美人と会いましたが、彼女が「日本各地ほとんど訪問したが、日本の一番いいところは田舎だ」と断言しました。
また、昨年10月に、パリ・ブローニュの森に近い瀟洒なアパルトマンで、日本とフランスの親睦団体「SUZUKAKE NO KAI」、この会は上流階級の人ばかりで構成していますが、その会員の女性から「日本を二回にわたって、三カ月間かけて北海道の礼文島・利尻島から、沖縄の突端・与那国島まで回ったたが、日本は草花が咲く田舎がベスト」と述べました。書道を好み書き、日常は玄米茶か日本茶しか飲まない大の日本ファンの方が、日本の田舎を高く評価するのです。
さらに、同様の事例は各国で多く聞きます。もしかしたら、我々は欧米人が考える観光地と異なる判断基準で、日本をPRしているではないでしょうか。一度、日本を見る目を自己評価でなく、欧米人から見る他者評価に立つ必要があるだろうと思っています。以上。

【5月のプログラム】

5月 8日(金)16時   渋谷山本時流塾(会場)東邦地形社ビル会議室
5月15日(金)14時 温泉フォーラム研究会(会場)上野・東京文化会館
5月18日(月)18時経営ゼミナール例会(会場)皇居和田蔵門前銀行会館
5月20日(水)18時30分 山岡鉄舟研究会(会場)上野・東京文化会館

投稿者 lefthand : 10:04 | コメント (0)