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2009年12月02日

2009年11月例会ご報告

経営ゼミナール11月例会報告
『「COEDO」ブランドの世界戦略とさつまいもビール開発秘話』

11月の経営ゼミナール例会が行われましたのでご報告申し上げます。
今回は埼玉県・川越に、地方発・世界ブランドを目指すビールメーカーを訪ね、ブランド戦略とそれに至った経緯を現場視察してまいりました。
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朝霧重治社長(左)/数々の賞状を前にお話を聞く(右)

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お話を伺ったのは、株式会社協同商事・代表取締役社長、朝霧重治氏。
とてもお若く、エネルギッシュな社長です。
ビール市場はここ数年、縮小の一途を辿っています。その中で、「地ビール」の分野は毎年10%の伸びを続けているそうです。その一翼を担うのが、「COEDOビール」です。

COEDOビールの成長は、他社と競合しない、すなわち、従来の「ビール」の範疇で販売しない戦略をとられたことにあります。
日本においてビールは、「とりあえず、生」と注文されることに象徴されるように、嗜好品でありながら日用品のように扱われています。大手のビールメーカーもまた、税制上のメリットを追求し、発泡酒や第三のビールを開発するなど、ビールのコモディティ化、低価格化に拍車をかける様相を呈しています。
その中でCOEDOビールは、そのような日本のビール業界の趨勢とは異なる戦略をとられたのです。ビールとは本来どのような飲み物なのか、このことを世界のビールマーケットから学ばれたのです。それは、日本の特殊なビールマーケット形態に合わせるのではなく、ヨーロッパの、ビールが長い歴史を持ち愛されている、奥深い文化に着目されたのです。朝霧社長はCOEDOビールを、日本の川越から発信する世界に通じるブランドとして育てることを目標とされました。
スローガンは「Beer Beautiful Project」。
ドイツやベルギー、イギリスなどの国を見ると、ビールはワインと同じように歴史のある飲み物であり、その歴史が文化を育んでもいるのです。ビールの持つ文化、すなわち、ビールの持つ豊かな味わいと幅広い楽しみ方を提案するビールメーカーにしたい。それが、朝霧社長の「COEDOビール」にかける思いなのです。

COEDOビールの品質には自信がある、と朝霧社長は語ります。COEDOビールは、「小江戸ブルワリー川越」として発売した1996年当時から、ドイツのビール職人(ブラウマイスター)を招聘し、彼を親方として日本のビール作りを知らない職人たちが徹底的に学ぶことで、ビール作りに切磋琢磨してこられました。そのおかげでCOEDOビールは品質の面で高い評価を受けていました。
ひとつは、ドイツ大使館のパーティに供される指定銘柄となっていること。もうひとつは、モンドセレクションやITQIといったヨーロッパの食品コンテストの特別金賞他を受賞したことです。このことは、ビールの文化が根付いている本場ヨーロッパの人々から、COEDOビールが高い品質であることを認められたことに他なりません。

COEDOビールは、日本人が本来得意とする品質の高いものづくりと、それを世界の基準からブランド再構築を行い、世界から評価を受けることによって、こんにちの成長が築き上げられたのです。朝霧社長の輝いた瞳とお話の中から垣間見る情熱に、COEDOビールのさらなる成長を確信した、今回の例会でした。

朝霧社長、大変お忙しく世界を飛び回っておられる中、当会の訪問を快くお受けくださいまして、本当にありがとうございました。
COEDOビールが世界へ向けて羽ばたいていくことをご期待申し上げます。

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COEDOブルワリー三芳工場を後にした参加者は、川越「蔵づくり通り」を散策し、時の鐘や築100年を越す歴史ある建物を見学しました。その後、COEDOブルワリー直営のイタリアンレストラン「小麦市場」に行き、世界基準の川越ビール「COEDOビール」を味わいながら、ビールの奥深さを楽しみました。
ご参加の皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。

(事務局 田中達也・記)

投稿者 lefthand : 2009年12月02日 22:34

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