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2009年09月09日

2009年9月例会ご報告

経営ゼミナール9月例会報告
『日本の基底流に対する戦略・戦術』
経営ゼミナール代表 山本 紀久雄

9月の経営ゼミナール例会が行われましたのでご報告申し上げます。
例会直前、バロン氏が急病で入院されたため、急遽山本代表が講師を務めさせていただきました。
衆院選の結果から日本の経済状況、そこから見えてくるこれからの日本経済のあり方についてお話しさせていただきました。

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去る8月30日の衆議院議員選挙は、下馬評の通り民主党の圧勝という結果となりました。
このことについての分析については、『YAMAMOTOレター』9月5日号に詳述されています。

『YAMAMOTOレター』9月5日号へのリンク

ここで重要なのは、自民党が「日本の政治トレンド」を意識していたか、ということです。短期トレンドから見ると、自民党の大敗は必然であった、と山本氏は語ります。問題は、自民党自身がそれをきちんと掴んでいたか、ということです。世の中の流れ・時流を掴むことがとても重要であることを、今回の衆院選は語っているように思います。

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日本の経済は、相変わらず世界的な不況の影響を受け、低迷を続けているといわれ続けています。
これをどう捉え、これからに活かすべきなのでしょうか。
日本の経済成長率「実質GDP」の推移グラフがあります。


(図をクリックすると拡大します)

これを見ますと、2002年以降回復した成長率は、2008年に急激に落ち込んでいることがわかります。このことを指摘し、日本は突如として不景気に見舞われたかのように語られています。
いまひとつ、日本の「名目GDP」の推移グラフがあります。


(図をクリックすると拡大します)

名目GDPは、実際の私たちの経済活動を反映したものであり、企業で言えば売上高にあたるものです。そう前置きした上でこのグラフを見ますと、日本は1990年あたりからほど横ばいの状態であることがわかります。すなわち、バブル崩壊から約20年間、ほとんど成長していないのです。これが日本経済の姿であり、日本企業の売り上げの姿なのです。これが日本経済のトレンドであることを認識することが重要であるのです。

名目GDPのグラフは、どのようなトレンドを私たちに示唆しているのでしょうか。
それは、約20年間横ばいであったものが、急に成長に転じることは非常に難しいことを物語っているのではないでしょうか。残念ながら、これが日本経済のトレンドであると認識することが、まずは重要なことのように思います。

では、私たちはこれからの経営をどのように考えればよいのでしょうか。
このことについて、山本氏は次のような提案を示しました。


(図をクリックすると拡大します)

上の図をご覧ください。
20世紀後半、日本は高度経済成長のまっただ中でした。
大量生産、規格スタンダード、ネットワーク、金融革命、IT革命など、いわゆる「20世紀型」の技術が経済成長を支えていたのです。しかし今、この20年間の成長ストップが物語っているのは、今までの技術では21世紀は通用しないということなのです。山本氏はこの状態を「21世紀型への変換ひずみ」と表現しています。これからは、21世紀型の新しい姿を創造しなければならないのです。


(図をクリックすると拡大します)

いまひとつ、上の図をご覧ください。
21世紀型の新しい姿とはどんな姿なのでしょう。
それを山本氏は、上図のように解説しています。
20世紀型から21世紀型への変換ひずみにいる現在、私たちが目指すべきは、「今をどう生きるか」ということと、「次世代をどう闘うか」、この2つのことを分けて、並行して行うことを考える必要があるのです。現状の業態をどうよくしていくかよりも、現状で利益の出る体質を創り出しておき、プラス、次世代のビジネス構築を考えていくべきではないか、山本氏はそう語ります。そしてそれは、今までのリソースを活かし、今のトレンドを見極め、新しいサービスとして再構築することなのです。

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私たちは今、歴史の転換点にいるのです。
そのひずみの中で、次のビジネスをどのように構築していくかが問われているのだと感じた、今回の例会でした。

(事務局 田中達也・記)

投稿者 lefthand : 2009年09月09日 20:46

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