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2008年09月24日
9月例会の感想
9月22日(月)、経営ゼミナール例会が執り行われました。
今月は、経済アナリストの北川宏廸氏をお迎えして、今の世界経済の混迷の「カラクリ」を分かりやすく教えていただきました。
北川氏のお話にはいくつかポイントがあったように思います。
ひとつは、サブプライム問題。
これは債権者が不良債権をかかえてしまったということで、その債権者は保険によって守られるシステムに、アメリカではなっているのだそうです。それよりも、このサブプライムというシステムは、アメリカの弱者救済のシステムであり、その基本思想を理解しないで、ただ大変だと騒ぐのは大いにお門違いである、ということなのです。
今回の主題は、我が通貨「円」は世界経済の中でどのような役割を果たすべきか、ということでした。
その中で、大変興味深い定理を教えていただきました。
それは、「トリレンマの定理」です。
グローバル化した金融市場においては
【1】国内物価の安定(インフレの抑制)
【2】為替相場の安定
【3】自由な資本移動
これらの3つの政策目標を同時に達成することは不可能である。
このような大原則があり、すなわちこれらのどれかひとつの政策目標を犠牲にしなければならない、ということなのです。
ですから、政策において為替相場の安定を犠牲にしなければならないことは必至なのだそうです。グローバル経済の中で、為替相場のコントロールは不可能だということです。
その他、リーマン・ブラザーズ、AIGの破綻の原因と破綻の構造の解説など、今回は盛りだくさんの内容で、とてもすべてのエピソードをご紹介することができないのが残念です。会員の方は是非、講演記録をご一読ください。
(田中達也・記)
投稿者 lefthand : 2008年09月24日 08:00