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2008年06月18日

「企業活力の源泉を探る・・・法政大学大学院客員教授 増田辰弘氏」

経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2008年6月16日
「企業活力の源泉を探る・・・法政大学大学院客員教授 増田辰弘氏」

 アジア各地で見る活気ある経済活動に対し、日本国内は今の質の高い経済状態に「慣れ、飽きのマンネリ体質から」日本企業の活力低下が始まっていると増田教授は指摘します。全般的にはその通りと思いますが、だがしかし、中には異色の経営者に引き連れられた活力に満ちた企業が存在しており、それらの企業から学ぶ点が多くあり、そこに共通しているのは、考える力が強いことです。
 考える力の強さには二つあると思います。

ひとつは、少数派に所属して考えることです。いいかたを変えれば、人が行わないところに頭を使うということです。4月にご発表いただいた(株)クレアの経営戦略は、多くの人が展開しないマーケティングで成功していました。
 日本人の殆どは、観光バスに乗って、ガイドが右を見てくださいといえば、揃って全員右を見る癖がつくられていますが、そのとき、敢えて左を見るような頭の使い方、それが少数派に所属するという「考える力」のことです。

 もうひとつは時代の風変化を考慮した考える力です。
 時代はグローバル化しています。その結果、日本企業の多くが海外で実績を伸ばし、海外シェアの向上で経営を進めています。当然です。国内の実態を考えれば当たり前の戦略です。
 だが、日本企業が海外に進出するということは、外国人が日本企業に進入してくるという意味にもなります。株主構成の変化です。外国人株主の増加です。それも機関投資家として、厳しい経営状況の監視を含めて入ってきます。
 その事例がアデランスの現経営者全員選任拒否という株主総会での結果となりました。多分、アデランスの経営者は、日本人に対する経営状況開示と同じ経営手法を採っていたと思います。
 しかし、それが外国人には不十分と思われたのではないでしょうか。外国人には外国人が理解するレベルの会話編集脳力を持って行わないと、コミュニケーションは取れないのです。外国人が日本人の思考方法を理解し、そのレベルで日本企業に対応してくればよいのですが、そういうことは期待しても無理です。外国人には通訳が必要なのです。その通訳とは、外国人が理解できるコミュニケーション脳力のことです。外国人はどう考えて行動するのか。というようなことを「考える力」が、時代の変化で求められているのです。
 これらの二つの「考える力」を駆使できるよう、社内体制を構築し、訓練しているか。
そこが日本企業の課題であり、増田教授の今回ゼミナールでの指摘と思いました。
以上。

投稿者 lefthand : 2008年06月18日 22:44

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