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2007年12月23日

「旅館藤屋の新旅館の方向性と考え方」

経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2007年12月16日
「旅館藤屋の新旅館の方向性と考え方」
銀山温泉・藤屋旅館女将・藤ジニー氏

山形新幹線の大石田駅を降りると、金髪の着物美人が満面の笑顔でホームにいる。東京から同じ列車で戻ってきた藤屋旅館女将・藤ジニーさんである。正月二日のテレビ出演の収録を終え、経営ゼミナールの例会のために帰ってきたという。翌日は、再び東京へ出かけるという人気である。雑誌や新聞で見るより、実物の方が一段と素敵な女性だ。

昨年7月に新築オープンした藤屋旅館の広いロビー、その一画フロアを区切って、
ジニーさんに「旅館藤屋の新旅館の方向性と考え方」について発表していただいた。
改革は大成功で、その要因として以下の三点が挙げられる。

1.環境面・・・立地条件の活用
400年の歴史を持つ銀山温泉は、中央に川が流れ、それを挟んで14件が軒を並べている。藤屋旅館はその中心部に位置しているが、背後は山の崖であり、敷地は狭い。そこに昭和5年建築の25部屋旅館で経営を続けてきた。
しかし、お客の満足を得るには、今までの設備環境では無理と判断し、改革に踏み切った。狭い土地であるから、大きな建物は造れないという条件を活用し、隈研吾氏設計による「時間と空間を重ね合わせる」コンセプトで、客室8室という少数部屋の贅沢空間を創りあげ、料金も3.5万円を最低価格にした。
不利な狭い土地という環境条件面を、逆活用したことが第一成功要因である。

2.時流・・・世界の日本ブーム
世界は日本ブームである。昔から認識されていた茶道や能・歌舞伎などの日本文化に加え、最近の人気は和食、マンガ、アニメ、武道、建築などが展開され、この中に温泉も含まれている。また、その日本ファンもマニアックになり、普通程度の日本理解では満足しない人たちが、日本の温泉研究を様々な角度から行って、日本の温泉に来ている。
その証明が藤屋旅館で、世界各地、アジアは当然としても、欧米・オセアニアや遠くアフリカからも藤屋旅館に宿泊し、客数の四分の一が外国人という実態である。
このように、外国人に受け入れられる新築日本式旅館にし、今の時流であるグローバル化を採り入れたこと、これが成功の第二要因である。

3.キャラクター・・・女将の魅力
 藤ジニーさんの魅力がお客を呼んでいる。ジニーさんは2002年の公共広告機構・国際化キャンペーンCMにも登場し、知名度抜群であり、農林水産省、文化庁、国土交通省、文部省、内閣官房の各委員会メンバーである上に、銀山温泉の女将会の会長も勤めている。正に八面六臂の活躍で、このジニーさんに会いたいというお客も多数訪れる。つまり、女将の魅力付けというセオリーも兼ね備えていること、これが第三成功要因である。以上。

投稿者 staff : 2007年12月23日 12:38

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