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2007年02月22日

下賀茂温泉 伊古奈女将 吉田房子氏

経営ゼミナール ワイポイントレッスン 2007年2月18日 
下賀茂温泉 伊古奈女将 吉田房子氏

早めに伊古奈に着き、銀河の湯露天風呂に入る。源泉が湧き出し、流れ込んでくる近くで思いきり四肢を伸ばし、目前の苔むした岩から樹木を眺めていると、頭が自然に上空に向く。1.5万坪の敷地から発する伊古奈の神話が、湯煙とともに天空に向い、それが星空の輝きを、ひときわ増している。そのように感じてならない神秘的な銀河の湯。

ここには伊古奈の物語が詰まっている。古代の人々は、すべて神話とともに生き、その神話を信じて生きてきた。自分の住む世界と、神話の世界が調和し、神話の世界から発した世界観で、自らの内部と、外部の自然現象を調整することが何の疑問なく行われていた。

ところが、今の現代人は、この反対側に立っている。外的なことに対する様々な術を知り、変化に対応する技を持ち、同時性スピードで流れている情報をつかもうとパソコンに向い、外的な面では上手に対応しているが、内的な落ち着きを失っている。
だから、時に、予想もつかぬ大事件、大問題が発生すると、その外的要因に対する内面の調整がうまくいかず、結果として自己心理破綻を起す場合が多々発生している。

どうしたらよいのか。それには伊古奈物語を参考にすることである。伊古奈には神話が詰まっている。伊古奈を語るためには、日本の成り立ちから理解しなければならない。世界をお造りになった天の常立の神、その七代目のイザナギ・イザナミからお生まれになった天照大神、月夜見命、スサノオノミコト。このスサノオノミコトの五代目が大国主命となって日本を治め出雲の地に、そこへ天照大神によって国譲りが命じられ、それに従ったのが大国主命の長男である事代主命。国を譲った事代主命は、伊豆で再生し三島明神となり、その御后が伊古奈で白浜神社に祭られている。

伊古奈に一歩入り、伊古奈という名を口にすることは、DNAとしての日本神話を語ることにつながって、それは外的から内的世界への転換になる。日頃は外的世界対応のみで生きている自分が、知らない間に内的世界に入っているのである。だから、伊古奈に入ると落ち着くのである。

伊古奈から学ぶことは、神話の心理学である。古代の人々は、すべて神話とともに生き、その神話を信じて生きてきた。今は、一人一人異なった外的対応に追われている。しかし、だからこそ、各個人が自分の生活に関わりのある神話、それを探り、求め、自らの背景に持つべきでないか。という今の時代の生き方を教えて頂いたと思う。 以上。

投稿者 staff : 2007年02月22日 15:25

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