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2006年06月20日

ワイポイントレッスン 2006年6月19日

「日本の国際文化交流」
国際交流基金文化事業部長 富岡順一氏

国際交流基金に昨年民間から転出された、富岡氏の発表は魅力的でした。昨年はフランス文化について解説をしていただき、今年は日本文化を世界に発信するシステム実態と、諸外国との文化交流投資額の比較、それらの実態を数字で明確にご教示していただきましたが、その実態は他国と比較し不十分であるという見解でした。

しかし、この不十分な体制下であっても、日本文化が世界に占める位置づけ実態は年々高まっていると感じます。それは外国に行った際の実感から受けることが多く、それらについてご参加の方々から発表がありましたとおり事実です。特に最近はマンガ、アニメ、食文化等の人気で、日本は高く評価されている実態です。
ここに日本の本当の真価が示されています。その真価とは何か。それは日本の歴史の長さです。後三年半で2010年になります。ということは大化の改新を受けて平城京に都が遷都して1300年、それ以前も天皇制という国体の歴史があったわけですから、この歴史は現在の世界各国に類例がない、素晴らしい伝統が続いているのです。明治維新という国家体制が封建時代から近代化に切り替わっても、伝統文化は維持されているという素晴らしさ、これは他国には見られない日本人の知恵なのです。

その歴史に裏づけされた日本国土に生まれ育って、我々はビジネスを行っていること、この確定的事実を再確認しなければなりません。認識論として正しく理解すること、そこにビジネスの基本があります。この確定的事実認識論にたって、その上に「この事実をどう活かしていくか」という戦略論、その戦略に基づいて「どう展開していくか」という戦術論、その整理を的確にしていくことが必要です。

しかし、陥りやすい問題点があります。多くの人は情報を集めすぎます。外国の実態情報を集め、その内容との比較から日本を判断しようとする傾向があります。外国の実態を判断の基準にしているのです。これはある面で有効な判断基準ですが、一方では大変危険な基準です。何故なら「我々は日本という国土で生まれ育っている」という確定的事実を忘れかねないからです。外国の実態を調べる基本は何か。それは自らが立っている日本という国を再確認するためです。外国の実態を知るということは、更に日本という国について深めていくということ、それが特に重要なのです。もう一度、原点から考えたいと思います。我々がビジネスしている今の日本、それを深く知ることこそが、国際交流の原点にあるのです。それを忘れた外国情報の収集は、日本の魅力を正しく妥当につかめないことにつながります。
このようなことを富岡順一氏にご発表から学びたいと思います。     以上。

投稿者 Master : 2006年06月20日 08:42

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