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2005年03月24日

第一回丸の内時流塾・温泉編開催される

第一回丸の内時流塾開催される

3月22日、銀行会館にて第一回丸の内時流塾が開催されました。
テ-マは「南仏アベンヌ温泉の成功に学ぶ」で、講師はピエール・ファーブル・ジャポン社の是末悦子チーフマネージャーで、同氏から詳しく的確に成功に至るまでの要因について説明がなされました。

成功要因その一
成功要因の第一は、アベンヌ温泉を買収したピエール・ファーブル社が採った逆転の発想である。通常、温泉地を買収したら、その地で温泉治療施設を造り、温泉経営に乗り出すことになる。
しかし、ピエール・ファーブル社は温泉治療施設を設置せず、地下から湧出するアベンヌ温泉水をスプレー式ウォーターにし、それを敏感肌用の化粧品として発売して15年後、その間で得た化粧品成功の資金で温泉治療施設を造り、今やそこに世界中から皮膚治療に訪れるという、大成功を成し遂げたのである。
結果的に温泉経営として成功したのであるが、その成功までのプロセスは逆転の発想によって、まず、化粧品業界へ進出を行い、次に本来の温泉経営に入るという、まことに見事な戦略を採ったことである。

成功要因その二
成功の第二要因は、そのスプレー式ウォーターを、世界で最も化粧品市場が激烈といわれている日本でいち早く発売し、発売後一気に日本でトップシェアにした戦略である。
勿論、その背景には日本での合弁企業として協力した資生堂の協力は大きいが、時代が環境問題から敏感肌市場が高まったタイミングという、絶好のマーケット時流を捉えた感覚はさすがである。

成功要因その三
成功の第三要因は、日本で発売するにあたって、スプレー式ウォーターのパッケージをリニューアルしたのであるが、そのリニューアルを日本人デザイナーに委嘱したことである。そのデザイナーはイラストレーターとして著名な水野卓史氏であるが、同氏の繊細で気品あるアベンヌ・ウォーターを表現したパッケージ、これがフランスでも評判となり、今や世界中で水野卓史氏のデザインが受け入れられている。
あの気位の高いフランス人が日本人にデザインを依頼したのである。これまたフランスが採る戦略としては、全く感覚が異なる新しいセンス、それは有望市場とみた日本での成功がキーポイントと判断すると、すばやく思考転換し日本人を登用するという思い切った戦略が成功したのである。

これらの成功要因について、是末悦子チーフマネージャーよりビジュアルな表現力で、巧みな話術を持って説明を受けたのであるが、温泉経営の新しい戦略として出席者に多くの示唆を与えてくれた、第一回丸の内時流塾であった。

この内容が好評につき、また、当日参加できない方も多く、そのために4月18日(月)に再度同じく銀行会館(16時から17:30分)で特別開催いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。

投稿者 Master : 2005年03月24日 11:50

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