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2005年03月20日

塩田のオイエの手入れ・・・ゲランドの塩(7)

■塩田のオイエの手入れ
オイエでは年平均1.3トン、1日50~60キロの収穫がある。一人の塩職人は平均60個所のオイエを持っている。
最高のときは1日3トンの収穫を示す塩職人もいる、と「塩職人の家」の案内役モランドー・イヴォン氏が語ったが、これはちょっとオーバーではないかと思う。しばしばフランス人は数字を的確に言わない傾向があるので要注意である。これは過去多くのフランス人とのビジネス体験で熟知しているところであるので強調し補足しておきたい。

塩職人は夏の間、あの長いヨーロッパの日中を利用して、ほぼ一日12時間ぐらい作業する。塩職人はいつでも塩田の状態を確認しておくことが重要である。自分の塩田の固有の性質を知り抜いていないと、ゲランドの塩職人は出来ない。何故なら、塩田への陽光と風の関係、これがうまく作用しないと塩が上手く結晶しないからである。

ラデュールに盛り上げた塩は、塩田の脇にあるトレメ(塩を山積みにしておく場所)までトロッコで運び、小山状に堆積させておく。その小山をミュロンという。その後はブルド-ザ-で貯蔵倉庫まで運ぶ。倉庫では一年か二年寝かして水分を抜き、ふるいにかけ、化学処理や水洗いせずに梱包される。

このように製品として出荷される塩には、何らの手も加えないのであるから、塩田の手入れが大事である。塩田の床がきれいに平になっていないと、収穫時に粘土が混入してしまい、良質とはいえない塩となるからである。したがって、この塩田整備は年間通して行われるが、特に冬から春先にかけては手入れを十分にする。

最後にモランドー・イヴォン氏の説明で最も驚いたのは、海水をエチエ給水路から取り入れてから、オイエの最終採塩池である結晶池に到着するまでの勾配であるが、たったの五千分の一であり、最初と最後の高さの違いはわずか3センチメートルに過ぎないということ、それと塩田池間の海水を通す穴はえんぴつの大きさだ、という発言であった。

経営ゼミナール代表 山本紀久雄

投稿者 Master : 2005年03月20日 16:37

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