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2007年11月25日

「私の事業継承」

経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2007年11月19日
「私の事業継承」
株式会社東邦地形社 会長 山本浩二氏

 東邦地形社の山本浩二会長のご発表が終わって、ご参加者の感想は、皆さん「勉強になった」の一言で示されたように、貴重な事例のお話でした。
 といいますのも、このような社長の後継者を探し決めるということ、それはどの企業にとっても最重要事項であり、その結果で企業の将来が決まるものです。だが、その後継者決定のプロセスをなかなか明らかに出来ない、つまり、もろもろの条件が重なり合い、複雑化するので、このようなテーマでの勉強会は少ないのが実態です。しかし、経営者にとってはもっとも大事なテーマですから最大の関心事でもあるのです。


 山本会長から、昨年、社長を社内から選任されたプロセスについて詳しくご説明いただきました。実は、この決意は数年前から検討されおり、静かに諸要件を研究した結果、その実行を2006年にされ、その結果がある程度明確になった時点で、これは新社長になってからの経営実績が数字として把握できる、というタイミングでのご発表でした。結果はベストでした。新社長は期待通りの活躍を示し、測量事業という性格上、公共事業が減る状況下で苦しい業界の中にあって、立派な業績をつくったのです。期待以上とも発言されました。任された新社長は、その信認に答えたのです。
 
経営者は企業の発展を考えるのが最大の業務ですから、当然に後継者について常に関心を持って考えています。その考える方向性は
1.最後まで自分が社長を続ける。
2.家族に継承する。
3.社内から後継者を選定する。
4.外部から選任する。
になると思いますが、中小企業の事例を見ますと、多くは家族への継承が行われています。上田先生から「興銀時代に中小企業の後継者問題で多くの事例を見てきたが、山本会長の決断は新鮮な驚きである」との発言がありました。この発言がなされた背景には、後継者を社内から選任するということの前提条件として、常日頃の経営に様々な工夫がなされていることを指摘しているのです。例えば「経理の完全オープン化」などですが、これによって企業実態を全員が共有できるシステムになっているので、社内幹部が後継者志願をし易いという、社内雰囲気良循環を発生させていること、このような日ごろの積み重ねが、今回の成功決断の背景に存在していると考えます。
いずれ、新規事業の展開も含め、山本会長には再度ご登場いただきたいと考えておりますので、またその際は新しい驚きを体験したいと思います。
東邦地形社の経営システムは時代が向かう新しい姿のひとつを示しています。
以上

投稿者 Kzemi : 2007年11月25日 11:42

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