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2007年10月17日

「マーケティングと顧客志向・・事例セブンイレブンの日米比較」

経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2007年10月15日

「マーケティングと顧客志向・・事例セブンイレブンの日米比較」

株式会社NKS能力開発センター委嘱講師  清水 勝氏

ご発表の清水勝氏は明治安田生命㈱から現職務に移られ、併せて関西学院大学非常勤講師としてマーケティングを講義されておられます。清水氏のマーケティング理論は時代の感覚を鋭く取りこみ、その時代感覚を人の感性面から分析し展開し、その視点から実際の企業行動結果を、ケーススタディとして大学で講義されていますので、今回も同様の内容でご発表いただきました。

ケーススタディはセブンイレブンです。ご承知のようにセブンイレブンは世界全体で店舗数30,372店という巨大流通企業に成長しています。しかし、その発祥はアメリカでした。アメリカのセブンイレブンが経営悪化し、それをイトーヨーカ堂が再建し今日の姿に発展させたのです。その経緯について詳しく清水氏からご説明があり、今日の状況についても触れられましたが、イトーヨーカ堂がセブンイレブンの経営に携わるきっかけは、アメリカのセブンイレブンの経営悪化で、この実態が発生しなければイトーヨーカ堂のセブンイレブンが今日のように隆盛を見なかったのです。


では、何故にアメリカのセブンブンイレブンが経営悪化を示したのでしょうか。それは競合激化となった時点でのマーケティング、それはディスカウントという手段を取り込んだことですが、それが致命傷になったのです。つまり、採用したマーケティング手法が、コンビネンスストアという業態が持つ時代感覚に合わなかったのです。つまり、スーパーが持つ特性であるディスカウントマーケティング手法を取り入れてしまったことです。加えて、不動産事業にも進出し失敗を重ねました。


今回の清水氏からの発表から学ぶ点は、ここにあると思います。何故にアメリカのセブンイレブンが、失敗するマーケティング手法を取り入れてしまったのか。そこが肝心なところです。意思決定したのは人間で、人は過去から蓄積経験値を内部に潜めています。その潜めているもので、目前に現れる問題へ対処していくのですが、その際、自分の中に何が構築されているのか、ということを整理していないと問題です。自分の内部がどうなっているか。自らの中が「不気味の谷」になっていてはダメです。言葉を換えて言えば、自らが持つ閾値を自ら確認しているのか、ということになります。この閾値を把握していないと、事例への対応はギクシャクするのです。ですから、問題対処の最善方策は自らが蓄積したものと、その整理分析から結果から求められる閾値・臨界値を把握しておくことであり、これはすべてに適応される普遍性セオリーであります。以上。

投稿者 staff : 2007年10月17日 11:16

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