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2006年11月28日

「ゼロ金利解除」について考える 経済アナリスト 北川宏廸氏

ワイポイントレッスン 2006年11月27日
「ゼロ金利解除」について考える 経済アナリスト 北川宏廸氏

北川宏廸氏には今年二回ご登場願いました。2月に「小泉改革が目指したこの国のかたち」と、今回のテーマです。
実は、北川氏は月刊誌「ベルタ」で毎月経済分析結果を連載しておられます。この月刊誌「ベルタ」は政治家・諸官庁の役人・新聞記者・経営者が主な読者になっていて、毎月の北川レポートは各分野の専門家が参考にし、時には重要な政治舞台での基礎資料として使われることもあるようです。その最新掲載内容に基づき、今回もご発表いただいたわけです。

北川氏の主張は常に次の三つの視点から構成されています。
一つは確定要素から分析すること。二つ目は立場を明確にすること。三つ目は最新の経済学理論を駆使されている、ということです。
今回のご発表の内容は記録で確認いただきたいと思いますが、大きく分けますと次の三項目で、これについて詳細にご説明いただきました。
1. ゼロ金利と量的緩和策は全く異なる金融政策である。
2. いまこそ「インフレ目標」の導入が必要だ。
3. 景気の「実感」と「数字」が異なる理由。

しかし、北川氏のすごさは、皆さんとのディスカッションの過程で、さり気なく解説される最新の経済学の理論です。今回もいくつかの新しい理論を説明していただきました。その一つをご紹介しますと、ノーベル賞を受賞した米国の計量経済学者グレンジャーが開発した手法で「因果性検定」です。この手法で分析した結果「物価が変化するとその後で賃金が変化する」という関係がわかったのです。従来、賃金と物価の相関関係について、賃金が上昇したから物価が上昇したのか、それとも物価が上昇したので賃金が上昇したのか、のどちらが先であったのか、つまり、「にわとり」が先か、「卵」が先かで議論されてきました。これがこのグレンジャーの「因果性検定」で結論付けされたというご説明に、ただウーンと唸るばかりです。

これは一例に過ぎません。常に最新の理論と実際のデータに基づいた経済分析によって、今の世界と日本の経済情勢を分かりやすくご発表いただくこと、正に最先端の経済動向を知ることが出来るのです。
来年も是非ご登場いただきたいと思っておりますので、皆様ご期待してお待ち願いたいと思います。                    以上

投稿者 Master : 2006年11月28日 17:43

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