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2006年09月30日

9月のワンポイントレッスン

ワイポイントレッスン 2006年9月14日
「最新の中東情勢・2006年レバノン戦争」 重信メイ氏

昨年に続いて重信メイ氏からレバノン情勢について発表いただいた。
特に、今回は7月11日のイスラエルによるレバノン・ベイルート国際空港への空爆から始まった戦争、それ以後もイスラエルによるベイルート市街への空爆と、イスラエル地上部隊のレバノン侵攻、国連施設への爆撃と民間ビルへの爆撃による死傷者の発生など、8月14日の停戦発効まで戦争は続いた。

今回のレバノン侵攻はレバノン軍に対するものではなく、ヒズボラという重信メイ氏の解説によると政治団体、つまり一つの政党に対する戦いをイスラエルが行ったわけであった。また、その発端は、イスラエル国境警備兵二名をヒズボラが拉致したということからであったが、これについても真相は拉致でなく、戦争状態では常に発生する捕虜ということであり、この二人を理由に突如イスラエルが、レバノン・ベイルート国際空港への空爆を行ったことは許されない、ということから始まった。発表については記録を見ていただきたい。

重信メイ氏はパレスチナ難民キャンプで生まれ育ったわけであるから、当たり前のことであるが、アラビア文字を持って書き話し、英語についても同様である。母の重信房子の逮捕によって日本国籍を始めて取得でき、日本に帰国できたという事情から、重信メイ氏の手許資料はアラビア文字と英語で書かれている。しかし、ゼミ参加者に配布された資料は日本語である。つまり、重信メイ氏は三ヶ国語を話し書くことが出来る。

重信メイ氏の情報収集は、中東の衛生テレビアルジャズィーラであって、これを毎日ウォッチングしている。言葉に不自由ないのであるから、日本人の現地派遣新聞記者が、現地人に現地の新聞を翻訳してもらって、そこから編集し日本に情報発信するのとは全く異なる。日々発生する新しい情報が重信メイ氏の手許に集積されていく。
ということは重信メイ氏の発表内容は、個々の事実の積み重ねから分析整理したもので論理を積み上げているのである。
一般的に行われやすいのは、ある仮説でもってストーリーをつくりあげ、そこに当てはまる材料を集めるという情報収集手段を採る。この場合は結論が先に決まっていて、このような論理展開を行っている事例が通常多くみられるが、重信メイ氏の情報収集の実態を見聞きし、個々の事実の積み重ねから分析整理することの重要性、そのことをした改めて認識させられたゼミであった。以上。

投稿者 lefthand : 2006年09月30日 09:00

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