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2006年03月21日

水野先生から学んだこと〜3月例会感想

水野先生の「触覚」は時代をクリエイトする魔法の杖
そして、「触角」は時代をキャッチする魔法のアンテナだった!


3月は資生堂宣伝部常勤顧問、水野卓史氏の発表でした。
現在も現場の第一線でご活躍でいらっしゃる水野先生のお話は大変興味深く、また、先生のクリエイティブに対する姿勢に大変感銘を受けました。クリエイティブは目に見える作品が全てではありますが、そこに秘めたコンセプト、メッセージ、ストーリー、ロマンなど、ひとつの作品を生み出すのにどれほどのことを考え、練って、構築しているかを知り、あらためて水野先生の頭の中の宇宙の深遠さに舌を巻く思いでした。

発表中、先生の作品を拝見する幸運に恵まれました。スゴイ・・・。ほとんど呼吸するのも忘れて見とれていました。私は投影機操作のため機器の近くでしゃがんで見ていたのですが、画面に映し出される強くて、優しくて、美しいストーリーに釘付けになってしまい、終わったとき立ち上がれませんでした。足しびれてたんです(笑い)。

今回の私なりのポイントは2つ。
1つは「触覚」と「触角」。
クリエイティブの現場で自分の感性の出力先となるのは、手であり「触覚」を司る器官です。クリエイティブとしてのスキルを磨くことは、この触覚を鍛えることに他ならないと思います。しかし、水野先生は触覚ばかりでなく、「触角」も使っておられたとおっしゃるのです。
先生は部署や職場が変わるたびに頭からニョキニョキと「触角」を伸ばし、情報を吸収するアンテナを張りめぐらし、環境に対応する作業をなさるのだそうです。ある環境に身を置けば、その環境用のアンテナが生えてきて、今まで自分の感性に引っ掛からなかった事象をキャッチできるようになるのです。
情報の入力端末である「触角」を常にピンと張り、脳を介して出力端末である「触覚」でクリエイトする。一つひとつの器官を鍛え上げることもさることながら、この一連の流れが見事にリンクされて初めて心に残る作品が生まれるのではなかろうかと感じました。

2つ目は、水野先生が質疑応答の場面でおっしゃったことです。
・むずかしいものをやさしく
・やさしいものを深く
・深いものを面白く
このプロセスを経て本物のクリエイティブが生まれる。
この言葉、感動しました。
むずかしいと分かってもらえない→やさしいだけでは忘れられてしまう→ズシッと胸やお腹に響く深いもの→深いだけでは受け入れられない→ウィットに富む、ユーモラスなど面白いものでなければならない、ということなんです。

このことは、これからの私の表現活動の指針にしたいと思います。水野先生、ありがとうございました。

投稿者 lefthand : 2006年03月21日 19:59

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