« 経営ゼミナール7月例会は愛知万博視察・・・その七 | メイン | 7月例会(愛知万博)最終案内 »

2005年06月28日

不動産と不動産業の変遷 不動産鑑定士 村松喜平氏

    経営ゼミナール ワンポイントレッスン 2005年6月20日
   不動産と不動産業の変遷    不動産鑑定士 村松喜平氏

地価を長期トレンドで考える

今月は不動産業界に詳しい村松氏から「不動産と不動産業の変遷〜一般的知識の拡大を図る〜」につきまして、詳細な資料を添付いただき、且つ脳力開発に基づく明快なご説明がありました。その資料の中で、昭和三十年(1955)からの地価指数推移を改めて見て見ると、平成に入ってからのバブル時期の地価上昇は異常なことが明らかです。当たり前のことですが、明らかに長期トレンドからはバブル時代は特殊性であったことが分かります。

土地の価格とは

今でも「昔はこの自社の土地は高かった。もう一度戻るのか」と発言する経営者が時折います。この発言は「自分の会社の立場」からの発言です。村松氏から配布された新聞に、森トラスト森章社長が「利用価値のある土地は上がる」と発言されています。当然の見解です。土地という立場から考えれば「この土地を利用してくれる人がいるのかどうか」で、土地の利用価値が決まるのです。では、その土地の利用活用の回答を出すのは誰か、という問題になります。村松氏は不動産の取引にあたる不動産流通業とは「売り買いの要望アジャスト業であり、情報の収集と告知と契約・決済」であると説明し、土地売買とは金が動き登記簿が変ることで、土地政策・税制、金融状況が影響するものと指摘します。とすると不動産としての土地価格の決定は不動産業界でなく、該当土地を利用しようとする立場の人が決めることになります。

土地価格決定の普遍性

今年の公示価格で都心部の土地が14年ぶりにプラスとなりました。これをもって「地価下げ止まりは本物だ」という考えもあるらしいのですが、しかし、土地価格は「その土地の利用価値で決まる」のですから、活用できる土地しか上昇しないことになります。また、その活用できる土地とは、「活用できる計画をつくれるか」によって決まるのですから、該当土地活用の企画力を生み出す力がある立場、その立場にいる人の脳力にかかっているということになります。
土地という物件に対する「叡智と知恵」を創造できるか、というところによって土地の価格が決定されるというのが普遍性であると思います。

ITと不動産業

村松氏が指摘した多くのポイントの中で、ITとの関係で「本当によい物件はITとは関係ない場面で決まっていく」とありました。今はIT時代といわれていますが、この見解にも改めて頷くと共に、多くの示唆を受けることができました。  以上。

投稿者 Master : 2005年06月28日 16:18

コメント