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2005年03月10日

3月は決算期、だから基本に戻りたい

3月は決算期、だから基本に戻りたい
                                  山本紀久雄

今月は決算月です。毎年のことですがこの月は大変です。
さて、2月末から3月初めまでフランス・ドイツに行ってまいりました。行って分かったことはフランスとドイツは全く逆の経済状態ということです。
フランスの2004年10月から12月までの、実質国内総生産GDPは前期比0.7%、年率換算で3%成長。対するドイツは同期間マイナス0.2%となりました。

その結果の要因も全く反対です。フランスは貿易収支が赤字でしたが、国内消費が活発でプラス成長です。ところがドイツは輸出が前年比10%増なのに、消費が伸びなくマイナス成長なのです。ドイツは失業者が多く、とうとう一ユ−ロ・ジョブという苦肉の低賃金(時給約200円)の、公共部門関係の仕事をつくり出す政策を投入するほどです。

しかし、フランスがGDP成長しているといっても、パリ東駅から新幹線TGVの一等車でストラスブ−グに向かった列車、なんと暖房が壊れていたのです。外部気温は零下ですから最も寒い季節なのに、列車暖房が効かないのですから大変です。いくら車掌に文句をいってももう少し待ってくれ、の一点張りでとうとう4時間のTGVはマフラ−・コ−トを身につけたままでした。
また、ドイツではホテルのロビ−喫茶室でドイツ人主婦にインタビユ−したのですが、お互い寒さに震えたままでした。何故ならホテルのロビ−暖房が壊れていたからです。
フランスとドイツ、経済状況とその要因は全く逆関係ですが、暖房設備のメンテナンスが悪いということ、これは全く一致しているのです。

これを読まれる方は長年経営に携わっている人ばかりと思います。新規に企業をつくるというよりは、長い間経営を進めてきて、また今年も決算を迎えていると思います。
その一年間の決算結果、それは、企業運営は組織運営ですから、多くの部門と人々のネットワ−ク回路の巧拙で成果に変化が現れてきます。うまくネットワ−クが動いていると、無駄のない動きとなり、リズムカルに各機能が回転しはじめ、成果に結びつきますが、その反対は逆の結果になります。
つまり、出来上がっている企業組織は、そのメンテナンス如何で、各部門とそこに所属する人々のネットワ−ク力、その巧拙が問われていくのですが、そのネットワ−ク回路をつくったのは経営者なのですから、経営者のネットワ−ク・メンテナンス力が結果を決めているのです。これは当たり前のことですでに十分ご承知とは思いますが、期末の最も忙しいときには、このような基本のことが忘れかねません。

人間は脳回路の生物です。脳細胞が全ての行動の指示をしています。ということは経営者が考え行動するのも脳細胞がしているのです。ですから、経営者としての脳細胞が上手に回路化されていると、その企業のネットワ−ク力は順調に動き、組織のメンテナンスもタイミングよく行われる結果、今年の決算も結果が出せることになるのです。
逆に今年の経営結果が思わしくないという場合は、その要因として様々な現象や問題点を羅列できますが、最も大事にことはその結果をつくりあげている経営者の脳細胞の組み立てにあるということを理解されたほうがよいと思います。
主因は内因にあり、その内因の所在地は脳にある。このことを今年の決算月に再度思い出していただきたいと思います。
                                                      以上

投稿者 Master : 2005年03月10日 16:04

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