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2003年12月23日

03/12/15「恋とビジネスの共通性」直木賞作家 唯川恵氏

唯川さんは経営ゼミナ-ルのような勉強会でお話しするのは初めてのことでした。そのために対談というスタイルで開催しましが、素晴らしいエキサイティングな内容になりました。盛り上がった最大の要因は、唯川さんの人柄が素敵だったということです。偉ぶらず、率直で、姿勢正しく、はっきりと、その上明るい現代感覚の美人でした。身長が高いのにはビックリしましたが、その大柄の身体からゆっくりと穏やかに分かりやすく語ってくれました。唯川さんが多くのファンによって支えられている作家であるということ、それを本当に実感した経営ゼミナ-ルでした。

唯川さんの思考方法を脳力開発的に分析したいと思います。人の中身は表に出る部分で分かります。中身は脳という思考を担当するところにあるわけですから、外から見るわけには行きません。そこで、外見に表れる部分から、その人の中身を判断していく、という作業が必要になってきます。観察力が必要です。
唯川さんは直木賞を受賞しています。直木賞の受賞、それは小説家として社会に認められたこと、つまり、小説家としてのブランドが確立したということになります。そこで、直木賞受賞作「肩ごしの恋人」を材料にして分析してみます。
「肩ごしの恋人」の冒頭場面は、友人の結婚式で始めてあった男女が、結婚式が終わったあと、ホテルに行くというラブシ-ンから始まります。これを読んだ多くの年配の読者はビックリするわけです。直木賞という内容が変化したのか、時代がそのような現実なのか、という疑問とともに、最大の疑問点は「小説家という存在は、自分が体験したことを中心に書くのか、そうならばこのラブシ-ンは唯川さんの体験か」というところにあります。そこで、このところを最初に質問しました。
答えは「小説家は、想像することがたくましい人間でなければできない」ということでした。我々はビジネスで「創造力」を発揮したいと思っています。しかし、小説家は「想像力」が必要なのです。ひとつの、何かのヒントから発生させて、そこに多くの材料場面を想像させて加えていく。それが小説家としてまず必要な脳力なのです。

では、その想像力をどのように磨くのか。「OL10年やりました」という作品の中に「不幸が来たときに、幸福の扉が開く」という表現があります。これが唯川さんの思考方法を端的に表す代表的な言葉と思い、その確認を唯川さんにいたしましたら、「私は物事を対比的に考える習慣をもっている」という発言が返ってきました。一方的角度からのみでなく、併せて反対方向角度からも考えてみる、という思考法です。これを聞いて成るほどと思いました。実は、この思考方法は脳力開発で指針としている「常に両面とも考え、どちらが主流かも考える習慣つくり」のことです。やはり、唯川さんは物事の成功セオリ-を体得しているから、小説家として成功していると判断しました。以上

投稿者 Master : 2003年12月23日 22:52

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