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2004年07月23日

日本写真家協会の経営改善 安達洋次郎氏

2004年7月 日本写真家協会前会長 安達洋次郎氏
経営ゼミナ-ル事務局
1. タイトル 日本写真家協会の経営改善を図る
2. 安達洋次郎氏のポイント
① まず最初に感ずる安達氏のすごさは、一般的に経営の技術的な内容であると考えられている品質管理QCを、自分の人生訓・生き方セオリ-に昇華させていることである。
資生堂に入社したとき、デミング賞に挑戦するため、全社的に勉強している過程でQCを積極的に学びマスタ-し、そのQC技術手法を思想にまで高め、今日まで持ちつづけている。
この継続して持ち続けた意味は、若いときに身につけた物事は一生ついてまわるという事実である。若い斬新な脳力のときに、道理に合ったセオリ-を体験的に身体に染みつけると、その後の人生で誰もが対面するであろう大事な分かれ目・キ-ポイントの際に、行動として自然に脳から指示が出されていき、セオリ-通りの結果となっていく。

反対に、若い時代に時代とずれた思想・セオリ-を身につけると、時が経つにつれて、その人の行動は時代と噛み合わなくなって、途中で気づいて修正しない限り、結果的に暗いマイナス方向にいくことである。
②  次に感ずるポイントは、何故これを行うのか。目的は何か。何のためなのか。という戦略思考力に優れていることである。
一般的に事件や問題が発生したとき、とりやすい思考は「うまく切り抜けたい」になりやすい。しかし、安達氏の場合は、その事件・問題に当面したときに、真正面から取り組む姿勢が習慣化している。これもQCから身につけたものであるが、ここで大事なことは、上司や関係者に対する姿勢が一貫していることである。上司などの上からの権力に対しても、自らのセオリ-を貫く精神的強さを持っていることである。
③  日本写真家協会の公募展、これを会員だけで開催しようとする意見に対して、会員の実力向上を狙うならば、非会員にも公募してもらうことが大事だと主張し、結果的に会員のレベルを向上させたという実績づくり。それは「協会の実力向上のための公募展である」という目的思考からの主張であって、結果として協会の経営改善に結びつけているのであるが、この一連の経営行動を外部からの協会理事、それは著名な梅原猛氏や元総務庁長官の水野清氏などであるが、それらの人が正しく観察していたことが藍綬褒章の要因になったのである。
安達氏の戦略的思考と行動力に学ぶべきことは多い。

投稿者 Master : 2004年07月23日 22:55

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